菊地秀行
1949年9月25日 -)は、日本の小説家。血液型AB型。千葉県銚子市生まれ。弟はジャズミュージシャンの菊地成孔。 (きくち ひでゆき、経歴幼少期に怪奇映画とハワード・フィリップス・ラヴクラフトの幻想小説に親しむ。ラヴクラフトの作品に登場する「クトゥルー神話」を題材にした作品が多いのはこのため。 銚子市立銚子高等学校を経て、青山学院大学法学部卒業。青山学院時代には推理小説研究会の会長を務め、顧問の山村正夫に師事。同期には作家の竹河聖がいる。また、早稲田大学の学生たちが創設した「幻想文学会」にも参加[1]。水田冬樹彦や三枝藤夫という名義でロビン・ヤング『オリンピック村の誘惑』(広済堂出版、1979年)など合計4冊のポルノ小説を翻訳したこともある[2]。 フリーライターを経て、1982年、『魔界都市〈新宿〉』(朝日ソノラマ)でデビュー。 1985年『魔界行』(祥伝社)を発表、ベストセラーとなり夢枕獏とともに伝奇小説の旗手となった。他に『魔界都市』や『吸血鬼ハンターD』など多数のシリーズを持ち、現在に至るまで(文庫化も含めると)ほぼ毎月数冊のペースで作品の執筆・刊行を行っている。 古今東西のホラー映画に造詣が深く、小説のほかにホラー映画解説の著書も複数ある。80年代のホラー映画ブーム時には朝日ソノラマの『宇宙船』誌において、「X君」のペンネームで当時は輸入ビデオでしか見られなかった多数のB級ホラー、スプラッター映画の紹介をし、ブームに貢献した。エイリアン怪猫伝のあとがきでもホラー映画の演出について語っている。また、怪談漫画も愛好しており、貸本怪談漫画のアンソロジーを刊行している。邦画はなぜダメなのかと問われたが「プロデューサーが低脳で脚本家が白痴だから」と即答し関係者を激怒させた。 作品多くの菊地作品で取り入れられているのはエロスとバイオレンスである。ジュブナイルでもその作風は変えておらず(アダルト向け作品と比べればそれほどではないが)、初期から注目を集めていた。 趣味人の多い作家業界の中でも群を抜く武器・銃器マニアとして知られ、ことにそのガンマニアぶりは有名。代表作・エイリアンシリーズでは、主人公の八頭大に、当時知る人ぞ知る存在だったCz75やG11といったマイナーな銃を愛用させ、一般人では知らないような弾頭を登場させるなど、作品内でもその傾向は強い。 少林寺拳法の経験者(師は伊藤昇)のため、作中の主人公が少林寺拳法を使用するシーンも多い。 作品リスト魔界都市〈新宿〉“念法”の使い手、十六夜京也を主人公に、魔界都市と化した〈新宿〉での活躍を描く。 ドクター・メフィストなど他の〈新宿〉物と共通の人物も登場するが、世界連邦が成立していたり、〈新宿〉の成立原因となった“魔震(デビル・クエイク)”の発生時期の表記が異なっており、同一世界とは言い難い。また、主人公の十六夜京也が〈新宿〉の住人ではないことも、大きな差異点となっている。 →詳細は「魔界都市〈新宿〉」を参照
魔界都市ブルース→詳細は「魔界都市ブルース」を参照
魔界医師メフィスト→詳細は「魔界医師メフィスト」を参照
魔界都市ノワール秋せつらのいとこ、秋ふゆはるを主人公としたシリーズ
凍らせ屋
魔界都市ガイド鬼録→詳細は「魔界都市ガイド鬼録」を参照
魔界創生記〈新宿〉の太平スタジオの阿羅太平・待茶也子の兄妹とドマのトリオを主人公とした、〈区外〉を舞台とするシリーズ。
魔界都市ゴデス「魔界都市ブルース 紅の女王」で登場したミスティが主人公のシリーズ。
その他の〈新宿〉もの
魔豹人魔界都市ブルースなどに登場する水月豹馬が主人公のシリーズ。
トレジャー・ハンター八頭大世界屈指のトレジャー・ハンターにして大富豪、超人的な技量と富と権力を持ち、世界各国の首脳とタメ口をきくことさえできる無敵の高校生八頭大(やがしら だい)と、そのセクシーな同級生パートナーの太宰ゆき(だざい-)が、エイリアンが絡む人外の奇怪な「宝」を巡って破天荒な冒険を行う伝奇アクションシリーズ(いわゆる中二病的な設定作品のはしりでもある)。
2005年に携帯電話向けの配信サービス『モバイルドラマ』にて「エイリアン秘宝街」(全3話)がゲーム化された[3]。現在は配信終了。 吸血鬼ハンターD→詳細は「吸血鬼ハンターD」を参照
闇ガード→詳細は「妖獣都市」を参照
妖魔シリーズ〈念法〉の達人である工藤明彦と人外の妖物達との死闘を描く。
魔王軍団
妖戦地帯萩生 真介はしがない学習塾の講師だが、実はMIT卒業の優秀な人物で研究によりテレポーテーションの能力を身に着けている。かつてテレポートの実験中に異界に渡り、そこで邪神を見てしまったため、それがトラウマとなって研究も中断。日本に戻り、うだつの上がらない塾講師で糊口をしのいでいる。 そんな真介のもとに、ある財閥社長の一人息子矢切 鞭馬(やぎり べんま)の個人授業が依頼される。実は鞭馬は、かつて真介が見た異界の邪神と人間の女性との間に産まれた半神であった。この世界への侵略を目論む邪神、邪神を召喚しようとする人間たち、それを阻止しようとする鞭馬(もっとも阻止する理由は、この世界に神は2柱も不要というものであるが)との争いが繰り広げられる。 安田達矢によって漫画化され、「臨時増刊小説現代 菊地秀行スペシャル新妖戦地帯」(1986年10月)に掲載されている。
転校生シリーズ
バイオニック・ソルジャー→詳細は「バイオニック・ソルジャーシリーズ」を参照
淫蕩師
指刺師シリーズ
妖人狩りシリーズ
ブルーマン
魔人シリーズ
コマンド・ポリス
賞金荒しシリーズ
戦士シリーズ犯罪都市と化した東京を舞台に不死身の揉め事処理屋〝死なずの醍醐〟の活躍を描く
トラブル・シューター蘭馬〝死なずの醍醐〟の甥・蘭馬が主人公のシリーズ
妖美獣ピエール
魔戦記表紙、イラストは末弥純。 アレキサンダー大王の転生である角鹿荒人(つぬが・あらと、角が有る人の意)は住川重工社員。九州をアフリカ大陸に、本州をユーラシア大陸に見立てたアレキサンダー大王の新たなる東方遠征が始まる。主人公は住川重社長の草薙建造(書記官カリステネスの転生)と社長秘書の武田沙織(秘書官レゲネイアの転生)であり、草薙の視点で物語は進行する。
美凶神YIG
リリスシリーズ
退魔針
トンキチ冒険記
ウェスタン武芸帳フランスの協力を得て「明治維新」が来なかったパラレルワールドの世界。歴史の流れを正すために坂本龍馬は新大陸アメリカを目指した。幕府の命を受け、沖田総司は、龍馬を追って遥かなる大西部へと向かう。そこは吸血鬼やサイボーグが徘徊する異界であった。
からくり師蘭剣
魔剣士
しびとの剣
幽剣抄
幽王伝
スペースオペラソノラマノベルス。表紙、イラストは山田章博。 「ダークサイド・ブルース」と同様の「世界を掌握する超巨大企業とそれに対するレジスタンス、および謎の人物」という設定のスペース・オペラ。 超巨大企業エレクトラ・コーツは、会長である魔王ゼン・ダイゾーの下、宇宙を支配していた。
ブレード・マン
邪史
魔海船
宿場鬼
隻眼流廻国奇譚
クトゥルー神話
コミックス版
その他長編1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
絵本
短編集
アンソロジー収録作「」内が菊地秀行の作品
小説以外の著作
漫画原作
『ブルー・レスキュー』は作画を担当した高山裕樹の体調不良により連載中断、そのまま打ち切りとなったものの、後に出版された小説版で内容は補完されている。 翻訳
解説編纂アンソロジー脚注関連項目
外部リンク
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