葛葉 (バーチャルYouTuber)
葛葉(くずは)は、ANYCOLOR株式会社が運営するバーチャルYouTuber(VTuber)グループ「にじさんじ」に所属するバーチャルライバーである。2018年3月8日にデビューし、ゲーム実況配信を主として活動している[5]。ユニバーサルミュージックのVirgin Music所属の歌手としても活動している。キャラクターデザインは本田ロアロ[2]。2021年9月2日に男性VTuber、及びにじさんじ所属のバーチャルライバーとして初めてYouTubeのチャンネル登録者数が100万人を突破した[6]。 来歴2018年3月8日に企業に所属していない、いわゆる個人勢としてデビューし、いちから株式会社(現:ANYCOLOR株式会社)のスカウトを受け同年7月30日にゲーム配信グループ「にじさんじゲーマーズ」のメンバーとして活動を開始した[7][8]。同グループで初めて外部から加入したライバーである[7]。 同年12月、にじさんじゲーマーズの「にじさんじ」への統合によってにじさんじ所属となる[9]。 2018年8月から2019年8月にかけてOPENREC.tvにて同じにじさんじ所属の叶とユニット「ChroNoiR」(クロノワール)としてゲームバラエティ番組「ChroNoiR.TV」を配信[8][10]。2019年8月12日には神田明神ホールで行われた初のオフラインイベント「ド葛本社1stオフラインミーティング!Powered by LG」に同じにじさんじ所属のライバーのドーラ、本間ひまわり、社築とともにライバーユニット「ド葛本社」のメンバーとして出演[11]、同年9月20日には同じくド葛本社として京都国際マンガ・アニメフェア2019(京まふ)の前夜祭イベントとしてロームシアター京都で開催された「ド葛本社のドタバタ家族旅行 in 京都」に出演し、初めて3Dモデルを披露した[12]。また、同時に初のオリジナル楽曲『Fam☆Fam☆Time!』を披露した[12]。その後11月4日に同曲のデジタル配信が開始された[13]。 2019年11月1日にドワンゴが東京建物 Brillia HALLにオープンしたスタジオ「ハレスタ」のオープンを記念して開催されたトークイベントにて声優の島﨑信長の希望によるゲストとして叶とともに出演し[14]、2020年12月31から翌年1月1日にかけてTOKYO MXおよびにじさんじ公式YouTubeチャンネルにて放送された『年またぎにじさんじ! 2020-2021 ~島崎信長とレバガチャダイパン!?SP~』でも共演した[15]。 2021年3月10日にはグッドスマイルカンパニーが販売する「ねんどろいど」として本間ひまわりとともにフィギュアが発売されることが発表された[16]。予約開始後の12日には電撃ホビー編集部の集計によるAmazonホビーカテゴリにおいて過去24時間で最も売上が伸びた商品ランキングで6位にランクインした[17]。 2021年8月3日にYouTuberのHIKAKINのYouTubeチャンネル「HikakinTV」にゲスト出演し、翌日にはHIKAKINと『エーペックスレジェンズ』のコラボレーション配信を行った[18]。同月6日にはジャニーズ事務所のアイドルグループ「Hey!Say!JUMP」所属の山田涼介、およびプロeスポーツチームZETA DIVISION所属のストリーマーStylishNoobとチームを組み、『エーペックスレジェンズ』を用いたオンラインゲームイベントに参加した[19]。葛葉のYouTubeチャンネルにおける同イベントの配信は同時接続者数が一時13万人を超え、配信後2日で360万回以上再生された[20]。同年9月2日に男性VTuber、およびにじさんじ所属のバーチャルライバーとして初めてYouTubeのチャンネル登録者数が100万人を突破した[6]。 2022年2月9日から15日までにじさんじ4周年を記念して、名鉄百貨店本店前のナナちゃん人形の衣装が葛葉の衣装に変更された[21]。2022年10月5日発売の『anan』2318号スペシャルエディション版の表紙を渋谷ハルとともに、VTuberとして初めて飾った[22]。同月28日発売の『別冊コロコロコミック』12月号には、葛葉と、同じにじさんじ所属の壱百満天原サロメと花畑チャイカが登場する読み切り漫画が掲載された[23]。 アーティスト活動2021年9月28日には自身が作詞に参加した初のオリジナル曲『コントレイル』を発売[24][25]。Billboard JAPANの「Billboard Japan Download Songs」で総合1位を獲得し、国内の音楽サイトで12冠を達成した[26]。同年11月10日の誕生日にソロライブイベント「Scarlet Invitation (スカーレット インビテーション)」をZepp Hanedaにて開催した[26]。『KING』や『コントレイル』など全12曲を披露したほか、トークやゲームを行うバラエティコーナーも設けられた[27]。イベント中に、イベントのキービジュアルを元にした新規3Dモデルを披露し、さらにユニバーサルミュージックのレーベル「Virgin Music」から歌手としてメジャーデビューすること、また初のアルバム『Sweet Bite』をリリースすることを発表した[28]。ライブはインターネットで有料配信も行われ[28]、終了後にはハッシュタグ「#葛葉BDライブ」がTwitterでトレンド1位となった[26]。2022年3月9日にミニアルバム『Sweet Bite』をリリース[29]。3月16日公開のBillboard JAPANの週間総合アルバムチャートで2位[30]、ダウンロードアルバムチャートで1位にランクインし[31]、オリコン週間デジタルアルバムランキングにおいても1位、週間アルバムランキングで2位にランクインした[32]。2023年3月10日には、第37回日本ゴールドディスク大賞で「ベスト5ニュー・アーティスト(邦楽)」を受賞した[33]。 2023年10月13日に新曲『Black Crack』をリリースした[34]。同曲は、同月12日からNetflixで配信されたアニメ『グッド・ナイト・ワールド』のオープニングテーマとして採用された[34]。同年12月24日に東京ビッグサイトで行われたにじさんじ主催の大型フェス「にじさんじフェス2023」にて、2年ぶりのソロイベント「Kuzuha Solo Event "Kaleidoscope"」が開催された[35]。ゲストとして同じにじさんじ所属のVTuber剣持刀也や社築なども出演した[35]。 キャラクター親のスネを噛って生活するニートのゲーマー吸血鬼であり、年齢は100歳を超えている[8][36]。配信活動は金を楽に稼ぎたいと思ったことから始めた[37]。 最初に遊んだゲームは『ワリオランド2 盗まれた財宝』で、ゲームならどのようなものでも好きで、ジャンルにはこだわりなく遊んでいた[37]。衝撃を受けたゲームとして『メタルギアソリッド3』を挙げている[37]。その後、『コールオブデューティ』からFPSを始め、『Alliance of Valiant Arms』や『PUBG』『エーペックスレジェンズ』などのオンライン対戦ゲームをプレイするようになった[37]。 配信・動画投稿長時間のゲーム実況配信をメインに活動しており、ほぼ毎日深夜に数時間以上、時には12時間連続して配信し続けることもある[38][7][39]。音楽活動も行っており、2020年11月9日に公開したKanaria作詞作曲の『KING』の歌ってみた動画は公開後約1週間で144万再生を記録し、1年後の2021年11月までに2800万回以上再生された[40][28]。 YouTubeのデータを収集・公開しているPlayboardの集計によると、2019年の日本のスーパーチャットランキングで2位、2020年の日本のVTuberのスーパーチャットランキングで10位[41]、2021年の世界のVTuberのランキングで11位にランクインした[42]。2020年の1年間でチャンネル登録者数はほぼ倍増し、2021年8月時点では通常の配信では2万人前後の同時視聴者数を集めており、登録者は1日に1000人以上のペースで増加している[39]。吉本興業が主催した各年で最も旬かつ活躍したストリーマーを表彰する「GAME STREAMER AWARD」において、2021、2022年にストリーマーアワードを受賞している[43][44]。 配信者として、卓越した語彙力と言語センスに裏打ちされた独特の言葉使いや高いトーク力が評価されており、多くの印象的なフレーズを生んでいる[39][8]。初対面の相手との会話を不得手としており、配信中に会話が弾まなくなることも、普段の配信とのギャップや対人コミュニケーション技術の成長自体を見せることで魅力となっている[39][8]。ライターのたまごまごは、ファンや他の配信者に対する心遣いが細かく、コラボレーション配信においても相手を立てつつ配信を盛り上げようとする姿勢や分け隔てない性格が信頼を集めているとも評している[45]。叶は2019年に公開されたインタビュー記事において、葛葉の第一印象について「怠そうな喋り方する人だ」と思ったと語っており、配信者としてリアクションの良さと語彙力の高さを評価しており、他のVTuberの誰よりもセンスが優れていると述べている[5]。他方、配信中の視聴者への暴言や所属グループ内の他のライバーの情報漏洩などで炎上したこともある[46][47]。 KZHCUPにじさんじのVTuberが参加するカジュアルゲーム大会企画「KZHCUP」をこれまでに2回主催している。 第1回は2022年9月16、17日に、YouTubeによるYouTuberや歌手などがゲームでコラボするイベント「YouTube Crosszone 2022 秋」の一環として、『PUBG: BATTLEGROUNDS』を用いた「KZHCUP in PUBG」と題して開催された[48]。国内外のにじさんじ所属VTuberが参加し、伊藤忠商事やドワンゴなどの企業が協賛した[48][49]。 第2回は2023年11月26日に格闘ゲーム『ストリートファイター6』を用いて「KZHCUP in STREET FIGHTER 6」と題して開催された[50]。にじさんじ所属VTuber以外にも梅原大吾やかずのこなどの同タイトルのプロゲーマー・強豪プレイヤーも含めた4チーム16名が出場し、第1回に続き複数の企業が協賛したほか、同タイトルの開発・販売を手掛けるカプコンが全面協力した[50]。ファミ通.coom編集部の喜一は本大会について、同タイトルの発売から約5ヶ月後に、REJECT FIGHT NIGHT、CRカップという2つの大型のカジュアル大会を経た上で行われた大会であったことを踏まえ、「『スト6』のムーブメント定着に大きな一手を打ち、VTuberのファン、格闘ゲームファンにとっても新たな可能性を感じさせる大会」となったと評した[51]。 ユニット活動叶とはにじさんじ所属前からコンビユニット「ChroNoiR」として活動しており、ゲーム実況配信だけでなくイベント出演や音楽活動も行っている[8][52]。ChroNoiRは、叶がデビュー当時VTuberの男性ユニットが多くなかったことから、同じく長時間のゲーム実況配信をしていた葛葉に声をかけ結成された[5]。配信ではゲームを使って争う姿を見せることもあれば、吸血鬼の葛葉と人間の叶という2人に違いについて触れる会話も多く、音楽活動では2人のキャラクター性を表現する曲を発表している[53]。2020年には京都国際マンガ・アニメフェア2020の「おこしやす大使」を声優の八代拓とともに務め[54]、9月18日には同イベントの関連イベントとしてロームシアター京都で行われた「京と秋のにじさんじ ~もちのわーる男子旅~」に剣持刀也とともに出演した[8]。2022年1月15日に東京発の招待制ゲームコミュニティー「ボルトルーム(vaultroom)」とコラボレーションしたフーディーとTシャツが発売された[55]。このコラボレーションを記念して、BGMをAyase、監督を大月壮が担当したアニメーションムービーが公開された[55]。2019年12月31日にChroNoiRとしての活動の場としてYouTubeにChroNoiRチャンネルを開設し[56]、2022年3月14日より公式レギュラー番組『くろのわーるがなんかやる』の放送を開始した[57][58]。 2018年11月のコラボレーション配信で生まれたドーラ、社築、本間ひまわりとの疑似家族ユニット「ド葛本社」としても人気を博し、ゲーム配信だけでなくイベント出演や音楽配信も行っている[11][59][60]。同ユニット内では末の弟役として、おちゃらけた姉役の本間に意見し、両親役のドーラ、社に対してわがままに振る舞う役回りを担う[8]。2023年11月18日の配信は8日の告知の時点でXでトレンド入りするほど話題となった[61]。 2024年4月20日には、大阪城ホールでChroNoiRでの初のワンマンライブ「Welcome to Wonder Wander World」が開催された[62]。 ディスコグラフィシングルCD2023年11月8日にリリースされたファーストシングル[63]。同月20日付けのオリコン週間シングルランキングで3位にランクインした[64]。表題曲『Black Crack』は10月13日より先行配信され、11月8日のCDシングルリリース後の15日にBillboard JAPAN Hot Animationランキングで8位にランクインした[65]。『Liberty & Freedom』は同年7月21日に先行して配信リリースされていた[66]。
配信シングル
ミニアルバム
参加作品
書籍
脚注
メンバー外部リンク
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