『血まみれの野獣』(ちまみれのやじゅう)は、大藪春彦のハードボイルド小説。1968年1月から1969年1月まで『ボーイズライフ』に連載された。両親の自殺や恋人との離別、レース界追放等の不幸に遭った天才二輪ライダーが社会に復讐する物語。
東京競馬場に爆弾を仕掛けて擬装パトロールカーで現金輸送車を襲う筋書きが、1968年12月に起こった三億円事件とよく似ていたことから、「三億円事件の犯人がこの小説から着想を得ていた」と報道され、マスコミからの問い合わせが相次いだ[1]。作者の大薮も重要参考人として警察から意見聴取を受けた。
登場人物
- 鶴田敏夫
- 天才二輪ライダー。
- 谷川京子
- 敏夫の恋人。
- 谷川進
- ヤマノ自動車工業副社長。京子の父。
- 小松
- 協立建設営業部長。
- 三木恭子
- 小松の秘書。
- 村上
- 農林省東京営林局次長。
- ピエトロ・タラファ
- ピエトロ・タラファレーシングクラブ監督。
- ソフィア
- ピエトロ・タラファレーシングクラブの大スポンサーの妻。公爵夫人。
- ダニエラ・ロマーニ
- ミラノのトラクターメーカーの末娘。欲しいものは金ずくでも手に入れる我儘な女。
- 山脇
- 法律の隙間をついて暴利をむさぼる悪徳業者。
脚注
- ^ 大藪春彦『血まみれの野獣』(光文社文庫、2001)における山前譲の解説より(pp280-281)。