赤い州・青い州赤い州・青い州(あかいしゅう・あおいしゅう)は、アメリカ合衆国の州の近年(特に2000年以降)の大統領選挙における政党支持傾向を示す概念である。共和党を支持する傾向がある州を赤い州(red state)、民主党を支持する傾向がある州を青い州(blue state)と呼ぶ。 概要アメリカ大統領選挙の一般投票(大統領選挙人選出選挙)では、州の全ての選挙人議席を、その州で最多得票の候補陣営が総取りする勝者総取り方式により決定する州がほとんどである。そのため選挙報道では各候補に割り当てられた色により、各州を塗りつぶした地図で選挙結果が報じられてきた。ただ、20世紀末までは必ずしも色割り当ては固定されておらず、民主党候補が勝利した州を赤、共和党候補が勝利した州を青で示すことも普通に行われていた。例えば1996年大統領選挙では、CNN、CBS、ABC、ニューヨーク・タイムズが現行の配色で報道する一方、タイムとワシントン・ポストは民主党候補の勝利した州を赤、共和党候補の勝利した州を青で示していた。しかし、共和党ブッシュ候補が勝利した州を赤、民主党ゴア候補が勝利した州を青として主要メディアの報道番組が共通して色分け表示した2000年大統領選挙の結果確定が遅れ、投票から35日後の確定までの間にこの色分けの図が報道で何度も用いられたことから、共和党・民主党を支持する州をそれぞれ赤い州・青い州と呼ぶようになった。以降は両党をこの色分けで表記することが定着している。 歴史的に、保護貿易主義と自由貿易主義の是非や、奴隷制や人種差別とそれに対する連邦政治による是正の是非に関して、南北州間が激しく対立したが、1970年代以降小康状態にあった。しかしこの2000年大統領選挙に関する紛争を契機に、保守とリベラルの対立激化とその地域性が、かつての南北戦争以来の南北対立の再現のごとく注目されることになった。 同じ州内でも、都市部は民主党、都市近郊から農村部にかけては共和党を支持する傾向もあり、郡ごとに赤い郡・青い郡 (red county, blue county) と色分けすることもある。 また、特定政党への支持傾向の強くない州を紫の州 (purple state)、あるいは激戦州(げきせんしゅう)、スイング・ステート(swing state)と呼ぶ。 1984年以降の大統領選挙結果
レッドミラージュ・ブルーミラージュ開票・集計作業の途上における報道で一時的に共和党が優勢な状況になる(最終的に民主党が勝利する)ことをレッドミラージュ(赤い蜃気楼)、逆に開票・集計作業の途上で一時的に民主党が優勢な状況になる(最終的に共和党が勝利する)ことをブルーミラージュ(青い蜃気楼)という[1][2]。 他の用例イタリアにおける、左翼政権の州を「赤い州」と呼ぶこともある[3]。 脚注出典
参考文献
関連項目外部リンクInformation related to 赤い州・青い州 |