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この項目では、1986年の映画について説明しています。その他の用法については「鑓の権三 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
『鑓の権三』(やりのごんざ)は、1986年に公開された篠田正浩監督の日本映画。主演は郷ひろみ。原作は近松門左衛門の浄瑠璃『鑓の権三重帷子』。
第36回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に参加し、優れた芸術的貢献により銀熊賞 (芸術貢献賞)を獲得した[2]。
ストーリー
元禄時代。松江藩士である浅香市之進の妻・おさゐは、娘の結婚相手に笹野権三を希望していた。権三は、槍の権三と呼ばれるほど槍さばきに優れた小姓だが、何よりも、その美貌で知られていた。自分が権三を婿に取りたい程だと、年下の権三に対する気持ちを漏らすおさゐ。
おさゐの夫である市之進は、松江藩の茶道の筆頭師範であり、藩主に従って長く江戸に赴任していた。その藩主に世継ぎが産まれたという知らせに、松江藩は沸き立った。祝いの一環で、茶道の極意である「真の台子」が開催されることも決まった。筆頭師範である市之進が江戸詰で不在の折、行事は、弟子の権三か川側伴之丞が取り仕切るしかない。
夜半に浅香家を訪ねる権三。「真の台子」を自分に任せるようおさゐに頼み込むが、権三は、ライバルである川側家の家紋が入った帯を締めていた。その帯から、権三が川側伴之丞の妹と親密な仲だと察するおさゐ。嫉妬に狂ったおさゐは、権三の身体から帯を引き剥がし、勢いで自分の帯まで解いて、二本を庭に投げ捨てた。
とき悪しくも、その庭にはライバルの川側伴之丞が潜んでいた。伴之丞は、色仕掛けでおさゐから「真の台子」の権利を得ようと、忍んで来ていたのだ。権三に先を越された伴之丞は、悔しさから二本の帯を持ち去ると、権三とおさゐの不義密通の証拠だと城下中に触れ回った。こうなっては、もはや身の潔白など証明できない。絶望した権三とおさゐは、二人して藩から逐電した。
おさゐの夫である市之進は、妻の不祥事で筆頭師範の職を解かれ、国もとに戻った。妻と間男の権三を切って「女敵(めがたき)討ち」を果たさねば、家の名誉は回復できない。おさゐの実兄である甚平と共に旅立つ市之進。逃避行の中、男女の仲になるおさゐと権三。二人して逃げ切ることも考えたが、やはり、死ぬしかないと覚悟した頃、二人は追っ手に発見された。
伏見の京橋という橋の上で、おさゐと権三は市之進に討ち取られ、「女敵討ち」は成し遂げられた。
キャスト
以下の出演者名と役名はKINENOTEに従った。
スタッフ
以下のスタッフ名等はKINENOTEに従った。
受賞歴
脚注
参考文献
外部リンク
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