雲南料理(うんなんりょうり、中国語:雲南菜、云南菜 Yúnnán cài、滇菜 Diān cài)は、中華人民共和国雲南省の地方料理。四川料理系の漢族の料理と、ペー族、タイ族、イ族、ナシ族等の少数民族料理からなる。
概要
雲南省の漢族の料理は、中国の八大料理の内の四川料理に属し、唐辛子を多用するものが多いが、汽鍋鶏(チーグオジー)と呼ばれるスープ料理のように、あっさりした味付けの料理もある。食材として有名なものに各種のキノコがあり、昆明のzh:木水花野生菌市場では250種類ほどの食用菌が流通している。代表的な品種として、zh:干巴菌,鸡枞菌、牛肝菌、zh:见手青[1]、羊肚菌、青头菌などがあり、近年は日本の影響でマツタケなども刺身で食べられる[2]。出汁をとるのには鶏の他に、宣威火腿(雲南ハム)もよく利用される。
タイ族やペー族の料理も唐辛子を使うものが多く、共通性もある。また、昆虫食も行われており、ハチや「竹虫」(タケツトガの幼虫)、カイコの素揚げなどはレストランでも食べられる場合がある。
その他、zh:鮮花餅、過橋米線などが著名。
ペー族のルーシャン(乳扇)[3]やルービン(乳餅)というチーズの一種も漢族料理にも取り入れられている。
主な料理
漢族
- 過橋米線 - 昆明名物のライスヌードルと各種の具を熱いスープに入れて食べる料理。
- 汽鍋鶏 - ニワトリを蒸して作るスープの一種。
- 宜良烤鴨 - アヒルのロースト。
- 石屏豆腐
- 官渡粑粑 - 昆明市官渡区のゴマ、ラッカセイ、クルミなどを砕いて包んだおやき。
- 餌絲 - ウルチ米ともち米の粉で作るうどん風の麺、ライスヌードルの一種。
- 餌饋 - ウルチ米ともち米の粉で作る薄い餅
- 巻粉 - ウルチ米ともち米の粉で作る幅広のライスヌードル。筒状に巻いて供する。
- 菠蘿飯 - パイナップルをくりぬいて、蒸したもち米あるいは黒米などを詰めたご飯料理。
ペー族
タイ族
画像
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宣威火腿
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生のルーシャン
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官渡粑粑
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黒米ご飯のパイナップル詰め
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他地方での普及
中国各地の大都市や台湾、香港などでは過橋米線を主体とした雲南料理店が少なくない。日本でも東京などには数店ある。
脚注
- ^ 肉を傷つけると青く変色するイグチ科のきのこの総称。この中でも特に红葱菌,白葱菌が好まれている。
- ^ マツタケの生食は中毒症状を起こすことがあるので、本来このような調理はしてはいけない。
- ^ 小崎道雄、岡田早苗、小原直弘、汪立君「乳扇 (ルーシャン) 雲南中部のカテージチーズ」『日本食品保蔵科学会誌』第28巻第5号、日本食品保蔵科学会、2002年、253-260頁、doi:10.5891/jafps.28.253。