1999年のオートトレーダー ・RAC イギリスツーリングカー選手権 (1999 Auto Trader RAC British Touring Car Championship ) は、イギリスツーリングカー選手権 の42年目のシーズン。ニッサン ワークスのローラン・アイエロ がデビューシーズンでタイトルを獲得した。チームメイトのデイビッド・レズリー がランキング2位、1998年のチャンピオン、リカルド・リデル が3位となった。
ローラン・アイエロ が日産・プリメーラ をドライブしてタイトルを獲得した。
1999年シーズンにおける大きな驚きの一つは、インディペンデント・ドライバーのマット・ニール であった。父親のチーム、チーム・ダイナミクス で日産・プリメーラ をドライブしたニールは[ 1] 、ドニントンラウンドの第2レースで優勝し、フィーチャーレースで優勝した初のインディペンデント・ドライバーとなった。TOCA はこの快挙に対して£250,000の報酬を支払った[ 2] 。
デイビッド・レズリー はランキング2位となった。
ジェームス・トンプソン はホンダ・アコードをドライブして4位となった。
マット・ニール はミシュラン・カップを獲得し、総合ではランキング9位となった。
1999年の変更
1999年シーズンは6つのワークスチームが参加した[ 3] 。一方1998年シーズンをもってアウディ とプジョー が撤退した。インディペンデントドライバーは最初のエントリーリストに7人が登録したが[ 3] 、アトフォード・モンデオ[ 4] のギャレス・ハウエルとTRMモータースポーツのコリン・ガリー は参戦しなかった。
タイヤ供給メーカーはミシュラン に決定し、全てのドライバーが同じタイヤを使用した[ 5] 。
ナイトレースは、7月のスネッタートンでのラウンドで初めてBTCCに導入された。ピットレーンとメインの観客エリアは投光照明で照らされ、サーキットの他の部分は暗闇であった。ドライバーの視力が明るい場所から暗い場所へ急激に変化するのを和らげるために、コックピット内部は柔らかな赤い照明で照らされた。
トム・ウォーキンショー・レーシング は再びボルボ ワークスとしてチーム運営を担当し、ディフェンディングチャンピオンのリカルド・リデル は、ジャンニ・モルビデリ に代わって以前にベルギーのプロカーシリーズに参戦していたベルギー人ドライバーのヴィンセント・ラダーメッカ が新たなチームメイトとなった。
1998年のマニファクチャラーズタイトルを獲得した日産は、RML が設計した2台のプリメーラで再び参入した。デイビッド・レズリー はチームと共に3年目のシーズンに挑む。チームメイトはアンソニー・レイド に代わって、以前ドイツ・スーパーツーリング選手権 に参戦していたフランス人ドライバーのローレン・アイエロ が加わった。
1998年にプロドライブ と共に成功を納めたホンダ は、昨年までフォードと組んでいたウエスト・サリー・レーシング とタッグを組む。ジェームス・トンプソン は自己最高位のランキング3位であったが、プレシーズンテストの好調さを維持してシーズンに入る[ 6] 。チームメイトのピーター・コックス は2年目となる。チームはサードカーのドライバーとして1994年のチャンピオンであり、ドイツ・スーパーツーリング選手権 でのワークスドライバーであるガブリエル・タルキーニ をノックヒルとブランズ・ハッチで走らせた。
ルノー・ラグナ を走らせるウィリアムズ は、アラン・メニュ がフォードに移籍した後、第1ドライバーに昇格したジェイソン・プラト が率いる。チームメイトにはウィリアムズF1の元テストドライバー、ジャン=クリストフ・ブイヨン が加わった。ブイヨンは1997年にチームに加わる予定があったが、このときはプラトが選ばれている[ 7] 。
トリプルエイト・レーシング のボクスホール・ベクトラ は1995年のチャンピオンであるジョン・クレランド がドライブする。クレランドは参戦11年目となり、チームメイトはアウディの撤退によって移籍していたイヴァン・ミュラー となる。ミュラーはドライバーを引退しチーム運営に集中するデレック・ワーウィック に代わってハンドルを握る[ 8] 。
フォードはワークス運営をプロドライブ に任せることとなり、ホンダと入れ替えとなった。ドライバーラインナップは97年のチャンピオンであるアラン・メニュ と98年のランキング2位、アンソニー・レイド と、最強と考えられる布陣となった。両者は1998年のウィル・ホイ 、クレイグ・ベアード 、ナイジェル・マンセル のラインナップに取って代わった。
インディペンデント部門はマット・ニール によって主導される。彼は1998年を通してメーカーが支援するチームとミックスする能力を示し、タイトルを獲得した。ニールのプリメーラはチーム・ダイナミクス が運用し、前年にドイツ・スーパーツーリング選手権 で使用された車である[ 1] 。また、1998年のバサースト 1000でスティーブン・リチャーズ と共にドライブした車でもある[ 9] 。
1998年のベクトラ・チャレンジ優勝者のマーク・ブレア は1996年型のボクスホール・ベクトラで参戦する[ 10] 。同車は1998年にマーク・レーマ がサポートシリーズで使用した車であった。1999年型のエアロキットでアップデートされてはいたが、最新仕様のエンジンは使用できなかった。
リー・ブルックス は1998年型のホンダ・アコードでシリーズに戻った[ 11] 。ブルックスは腕を負傷した後4レースを欠場し、スラクストンへの2回目の訪問の後、車に何もしなかったために競争力がなくなったと述べてシリーズから撤退していた[ 12] 。
ポーラ・クック もまた1998年型のホンダ・アコードをドライブする[ 13] 。彼女は1998年の最終2戦でDC クック・モータースポーツからアコードをドライブした。チームは予算不足を理由にスネッタートンの後に撤退した。
ラッセル・スペンス は1998年型のルノー・ラグナでアリーナ・インターナショナル から参戦する[ 14] 。スペンスはオウルトン・パークで恐ろしいクラッシュに見舞われ、その後まもなく事業のコミットメントのためシリーズから撤退した。スネッタートン以降は1991年のチャンピオンであるウィル・ホイ が彼に代わって参戦した。
参加チームおよびドライバー
開催カレンダーと優勝者
全戦がイングランドで開催された。
ランキング
ポイントシステム
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
ポールポジション
フィーチャーレースでの リードラップ
15
12
10
8
6
5
4
3
2
1
1
1
ドライバーは各レースで複数回リードラップを記録しても、1ポイント以上を獲得することはできない。
トップ22の結果がチャンピオンシップにカウントされる。
ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位
ドライバー
DON
SIL
THR
BHI
OUL
DON
CRO
SNE
THR
KNO
BHI
OUL
SIL
ポイント
1
ローラン・アイエロ
11
Ret
1
6
1
1*
3
1 *
1
1 *
Ret
2*
5
3
Ret
7
1
5*
1
DSQ
2
1*
1
2
9
Ret
244
2
デイビッド・レズリー
4
Ret
2
7
11
Ret
6
2
2
8 *
2
1 *
2
4
1
2*
4
1*
9
3
4
2*
2
4 *
11
2
228
3
リカルド・リデル
7
Ret
3
Ret
2
2 *
Ret
Ret
7
Ret
Ret
4
4
1 *
2
8
2
Ret *
6
5
1
5 *
3
3
1
1 *
192
4
ジェームス・トンプソン
1
2*
5
4
5
8
7
6*
11
Ret
1
3
1
2 *
9
15
7
Ret
14
Ret
3
3
DSQ
1 *
2
9
174
5
ジェイソン・プラト
3
3
6
1*
Ret
4*
4
Ret *
Ret
Ret
3
8
6
6
4
6
5
4
Ret
Ret
6
8
Ret
6
Ret
Ret
122
6
イヴァン・ミュラー
6
10
Ret
2
Ret
11
1
5
8
3
4
5
8
8
Ret
3
8
6
10
7
12
Ret
9
5
3
5
119
7
ピーター・コックス
9
7
9
5
6
5
Ret
4
9
7
7
Ret
3
9
6
1*
9
9
Ret
2
9
4*
5
Ret
7
Ret
113
8
ヴィンセント・ラダーメッカ
10
5
11
Ret
4
3
Ret
Ret
5
4*
9
12
7
7
3
5
3
2
11
8
10
7
4
13
Ret
4
113
9
マット・ニール
5
1 *
4
Ret
3
Ret
Ret
3
10
2
10
7
10
5*
7
10
6
Ret
7
Ret
5
10
6
10
Ret
6
109
10
ジャン=クリストフ・ブイヨン
Ret
6
8
3
9
7*
5
7
6
6
8
10
11
Ret
5
4
13
11
5
4
7
6
7
7
8
Ret
97
11
アラン・メニュ
2
Ret
13
Ret
Ret
6
12
Ret
3
Ret
5
6
Ret
Ret
8
9*
11
3
3
1 *
Ret
Ret
Ret
9
12
Ret
84
12
アンソニー・レイド
Ret
Ret
7
DSQ
8
Ret
2
8
4
5
11
9
Ret
10*
Ret
11
Ret
7*
4
Ret
8
12
12
8
4
3
78
13
ジョン・クレランド
8
4*
10
8
7
9
8
9
12
Ret
6
Ret
9
Ret
12
12
12
Ret
8
9
11
9
8
Ret
5
10
51
14
ガブリエル・タルキーニ
2
6
Ret
Ret
17
15
ウィル・ホイ
10
13
10
8
13
11
13
11
10
11
6
7
15
16
マーク・ブレア
13
Ret
12
11
12
12
9
10
13
9
12
11
12
Ret
13
DNS
Ret
10
12
10
14
13
11
12
10
8
11
17
リー・ブルックス
12
9
Ret
10
10
10
DNS
DNS
13
Ret
13
12
11
16
14
Ret
5
18
ラッセル・スペンス
15
8
Ret
Ret
13
14
11
Ret
DNS
DNS
14
Ret
15
11
3
19
ポーラ・クック
14
Ret
Ret
9
Ret
13
10
Ret
Ret
Ret
15
13
14
13
Ret
14
3
ミシュラン・カップ(インディペンデント対象)
1
マット・ニール
5
1
4
Ret
3
Ret
Ret
3
10
2
10
7
10
5
7
10
6
Ret
7
Ret
5
10
6
10
Ret
6
353
2
マーク・ブレア
13
Ret
12
11
11
12
9
10
13
9
12
11
12
Ret
13
DNS
Ret
10
12
10
14
13
11
12
10
8
183
3
ウィル・ホイ
10
13
10
8
13
11
13
11
10
11
6
7
131
4
リー・ブルックス
12
9
Ret
10
10
10
DNS
DNS
13
Ret
13
12
11
16
14
Ret
78
5
ポーラ・クック
14
Ret
Ret
9
Ret
13
10
Ret
Ret
Ret
15
13
14
13
Ret
14
41
6
ラッセル・スペンス
15
8
Ret
Ret
13
14
11
Ret
DNS
DNS
14
Ret
15
11
25
順位.
ドライバー
DON
SIL
THR
BHI
OUL
DON
CRO
SNE
THR
KNO
BHI
OUL
SIL
ポイント
注: 太字 はポールポジション (1ポイント)、斜体 はファステストラップ .
*は、ドライバーがフィーチャーレースで少なくとも1ラップをリードすることを意味する。(1ポイント)注:シーズンレビューの映像や一部のレースレポートを見た後に追加されるため、すべてのボーナスリーディングポイントが追加されない場合がある。
マニファクチャラーズ・チャンピオンシップ
順位
マニファクチャラー
DON
SIL
THR
BHI
OUL
DON
CRO
SNE
THR
KNO
BHI
OUL
SIL
ポイント
1
ニッサン / ボーダフォン・ニッサン・レーシング
11
RET
1
6
1
1
3
1
1
1
RET
2
5
3
RET
7
1
5
1
EX
2
1
1
2
9
RET
464
4
Ret
2
7
11
Ret
6
2
2
8
2
1
2
4
1
2
4
1
9
3
4
2
2
4
11
2
2
ホンダ / チーム・ホンダ・スポーツ
1
2
5
4
5
5
7
4
9
7
1
3
1
2
6
1
7
9
2
2
3
3
5
1
2
9
296
9
7
9
5
6
8
Ret
6
11
Ret
7
Ret
3
9
9
15
9
Ret
14
6
9
4
DSQ
Ret
7
Ret
3
ボルボ / ボルボ・S40 レーシング
7
5
3
Ret
2
2
Ret
Ret
5
4
9
4
4
1
2
5
2
2
6
5
1
5
3
3
1
1
295
10
Ret
11
Ret
4
3
Ret
Ret
7
Ret
Ret
12
7
7
3
8
3
Ret
11
8
10
7
4
13
Ret
4
4
ルノー / ネスカフェ・ブレンド 37 ウィリアムズ・ルノー
3
3
6
1
9
4
4
7
6
6
3
8
6
6
4
4
5
4
5
4
6
6
7
6
8
Ret
227
Ret
6
8
3
Ret
7
5
Ret
Ret
Ret
8
10
11
Ret
5
6
13
11
Ret
Ret
7
8
Ret
7
Ret
Ret
5
ボクスホール / ボクスホール・モータースポーツ
6
4
10
2
7
9
1
5
8
3
4
5
8
8
12
3
8
6
8
7
11
9
8
5
3
5
186
8
10
Ret
8
Ret
11
8
9
12
Ret
6
Ret
9
Ret
Ret
12
12
Ret
10
9
12
Ret
9
Ret
5
10
6
フォード / フォード・チーム・モンデオ
2
Ret
7
Ret
8
6
2
8
3
5
5
6
Ret
10
8
9
11
3
3
1
8
12
12
8
4
3
164
Ret
Ret
13
DSQ
Ret
Ret
12
Ret
4
Ret
11
9
Ret
Ret
Ret
11
Ret
7
4
Ret
Ret
Ret
Ret
9
12
Ret
順位
マニファクチャラー
DON
SIL
THR
BHI
OUL
DON
CRO
SNE
THR
KNO
BHI
OUL
SIL
ポイント
チームズ・チャンピオンシップ
ポイントシステム
1999年のイギリスツーリングカー選手権で使用されたポイントシステムは次の通り。:ドライバーズ・チャンピオンシップでは、各レースの優勝者に15ポイント、2位に12ポイント、3位に10ポイント、4位から10位にそれぞれ8、6、5、4、3、2、1ポイントが与えられた。シーズンの終わりに、ドライバーは下から低い順に4つのスコアを無効にする。各レースでポールポジションを獲得したドライバーには1ポイントが付与され、フィーチャーレースをリードしたドライバーには1ポイントが付与される。
マニファクチャラーズ・チャンピオンシップでは、トップ10のフィニッシュポジションでドライバーズ・チャンピオンシップと同じポイントが付与されたが、メーカーごとに上位2台のみがポイントを獲得した。シーズンの終わりに、マニファクチャラーもチャンピオンシップの下から低い順に4つのスコアを無効にする。リードラップまたはポールポジションについてはポイントは与えられない[ 15] 。
参照
外部リンク