2023年世界水泳選手権第20回世界水泳選手権大会(だいにじゅっかいせかいすいえいせんしゅけんたいかい、英: 20th World Aquatics Championships)は、2023年7月14日から30日まで福岡県の福岡市で開催された[1]世界水泳選手権。 ここでは続行開催された世界マスターズ水泳選手権2023九州大会(せかいマスターズすいえいせんしゅけん2023きゅうしゅうたいかい、英: World Aquatics Masters Championships - Kyushu 2023)についても併せて述べる。 概要世界水泳選手権の福岡市、そして日本自体での開催は22年ぶり2回目。世界マスターズ水泳選手権に至っては日本開催が第1回の東京以来37年ぶり2回目、福岡市では初となる。 世界水泳は当初、第19回大会として2021年7月16日から8月1日までの日程で開催する予定であった。しかし2020年東京オリンピックがCOVID-19流行の影響で1年延期されたことから、旧国際水泳連盟(FINA)は日程の再調整を行って開催期日を2022年5月に設定。だがCOVID-19の感染再拡大に伴い、FINAは同大会を2023年7月に延期。これに関連して世界マスターズ選手権は8月に延期した。 大会名称について大会組織委は福岡2022をそのまま維持することにしていたが、FINAが2023年から「世界水泳連盟」(World Aquatics)に改称したことから福岡2023に改めた。第19回大会は2022年6月18日から7月3日までハンガリーのブダペストで開催されることが決定したため、福岡大会は第20回大会として開催されることが決まった。これにより、史上初めて2年連続で世界水泳が開催されることになった。 両大会共通の公式マスコットは、福岡市に本社を置くレベルファイブ(デザインコンセプト・ネーミング考案:日野晃博、デザイン制作:長野拓造)がイルカをモチーフに作成した、シーライとシャーニーが使用される[2]。 開催地決定までの選考過程2013年7月19日、2013年世界水泳選手権開催地のバルセロナで開かれたFINA総会にて韓国・光州の2019年大会とともに決められたはずだった。 だが、ハンガリー水泳連盟は同年に予定していた世界選手権を4年繰り上げ2017年に実施すると発表し、2021年大会は再び開催地を白紙化した[3]。この経緯については、2017年世界水泳選手権の項目を参照されたい。 2015年6月30日、FINAは2021年及び2023年大会に6ヶ国の立候補を確認した[4][5]そして、最終候補の3都市は下記の通り。 2016年1月31日、FINAはハンガリーのブダペストで開催された理事会にて福岡市を第19回世界水泳選手権大会の開催地に決定した。日本での開催は、アジアで初めて福岡市で開かれた2001年の福岡大会以来10大会ぶりで2度目となる。前回大会でメイン会場となったマリンメッセ福岡を中心に、競技会場を半径約1キロ以内に集中させるコンパクトな大会運営を提案した[6]。 選手の国籍制限に関して2022年、 ロシアが ベラルーシと組んで ウクライナに軍事侵攻した。これを受け 国際オリンピック委員会(IOC)などがロシアとベラルーシの選手を国際スポーツの現場から排除する動きに出た。 後に侵攻長期化などを受け、「第三者委員会によって政治的に中立であることが確認された選手に限って出場機会を与える」方針に転じたものの、福岡大会まで時間的余裕が無かったことから前年のブダペスト大会に続きロシアとベラルーシの選手は大会の門を閉ざされることとなった[7]。 一方、マスターズについては第三国のクラブに属していれば、ロシアとベラルーシの選手であっても参加できることになった[8]。 世界水泳競技日程大会は全75種目で行われ、大会前半にアーティスティックスイミング、飛込、オープンウォータースイミング、後半に競泳とハイダイビングが組まれている。なお、2日目は博多祇園山笠追山笠と重複している。
世界マスターズ水泳競技日程世界マスターズ水泳選手権に於いてはハイダイビング以外の競技が行われたが、マスターズ大会特有の「年齢縛り」により種目数が多岐に渡るため、それらは別途記述し入賞者の詳細記述を省く。また開閉会式は総合実施ではなく、競技ごとに行われた。 なお大会期間中令和5年台風第6号が九州の西海上を北上した影響で、大会日程の変更が行われた[9]。
世界水泳競技結果競泳競技男子女子男女混合
世界水泳メダル獲得数* 開催国/地域 (日本)
世界マスターズ水泳実施設定種目公式サイト及びエントリーブック記載内容による。なおエントリーが無かった種目は実施されなかったものの、1人でもエントリーがあれば単独または他の近接年齢階級との併合により実施された。 競泳
オープンウォータースイミング
飛込
水球1984年以降に生まれた選手は参加できない。
アーティスティックスイミング
著名なマスターズ大会出場者久々に日本で開催された世界選手権大会とあって、日本のオリンピアンは勿論、水泳を愛好する著名人もマスターズ大会に続々と参戦した。 マスターズ競泳に参加した著名人
マスターズアーティスティックスイミングに参加した著名人いずれもオリンピアンである。
会場世界水泳は前回同様福岡市内で完結したが、世界マスターズ水泳は参加選手同士、選手と市民の交流に重きを置く主旨もあり、水球は熊本県熊本市のアクアドームくまもと、アーティスティックスイミングは鹿児島県鹿児島市の鴨池公園水泳プールで行った。また、マスターズの競泳はマリンメッセだけでは収まりきらず、他は福岡市立総合西市民プールで行った。(西市民プールは世界水泳でも練習用プールとして使用された) マリンメッセ福岡A館、B館の館内に競技場プール、両館の隣接地に練習用プールをそれぞれ1面の合計4面が仮設プールである。前回2001年大会のヤマハ発動機製は水圧による歪みの問題などが指摘されたことから、今回は世界水泳連盟の公式パートナーであるミルタプールの製品が用いられた。
日本でのテレビ放送テレビ朝日系列(地上波)、BS朝日(BSデジタル放送)、テレ朝チャンネル2(CSデジタル放送)で放送。CSでの競技中継では、テレビ朝日のスポーツアナウンサーに加えて、系列局のアナウンサーから若干名(朝日放送テレビの山下剛と九州朝日放送の沖繁義・居内陽平)が実況を分担した。 テレビ朝日系列の中継番組には、松岡修造(スポーツキャスターで元・プロテニスプレーヤー)がメインキャスターを担当。また、博多華丸・大吉(博多華丸が福岡県の出身)と橋本環奈(福岡県出身)が「世界水泳応援団」に起用された。橋本は大会PR企画の一環として立ち上げられた「バーチャルスイマーPROJECT」で誕生したキャラクターで、2001年の福岡大会でCMに起用された3DCGキャラクターの速水亜矢(声 - 深田恭子)の娘・速水永遠の声も担当している[16]。
なお世界マスターズ水泳選手権についてはテレビ中継されなかった。 日本でのインターネット放送競泳全種目の決勝を対象に、ABEMAが中継動画のライブ配信を実施。放送での中継とは別に、辻歩(AbemaTV専属のアナウンサー)とテレビ朝日の若手アナウンサー(仁科健吾・布施宏倖・佐々木快・武隈光希)から、1日につき2名が実況を分担した。また、決勝のハイライト動画も配信。 大会協賛社WA公式パートナー
ナショナルスポンサーWA公式サプライヤー
ナショナルサプライヤーナショナルサポーター
組織委員会パートナー
外部リンク
脚注
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