BUSIN Wizardry Alternative『BUSIN Wizardry Alternative』(ブシン ウィザードリィ オルタナティブ)はウィザードリィシリーズの流れを汲む3DダンジョンRPG。株式会社アトラスよりPS2用ソフトとして2001年11月15日に発売された。続編の『BUSIN 0~Wizardry Alternative NEO』(ブシンゼロ ウィザードリィ オルタナティブネオ)が2003年11月13日に発売されている。
概要ウィザードリィシリーズを作っていたサーテック(Sir-Tech)社倒産後、その権利を引き継いだオンタリオ・インクが様々な会社にウィザードリィの権利を使ったゲームを製作しないかと持ちかけたという。当時アトラスに在籍していた岡田耕始も熱心なウィズファンだったためこのオファーに乗り、オリジナルのWizである本作『BUSIN』を製作した。モンスターデザインは寺田克也。開発は(株)ラクジン。海外タイトルは『Wizardry Tale of the Forsaken Land』(見捨てられた国の物語)。 自分の分身となるキャラクターを作成、最大6人のパーティー(隊)を編成。 PS2ということで、ダンジョンやモンスターのグラフィックはフルポリゴンで描かれ、従来の機種から映像面でも大きく進化した。 システム
ここではBUSINならではの独自のシステムをいくつか紹介する。 主人公本家Wizardryシリーズとは異なり、主人公を作成する必要がある。また、初期段階でキャラメイキングできるのはこの一人だけである。常にパーティーに入っていて、信頼度は存在しない。扱いは作成キャラに準ずるため、通常方法でのクラスチェンジが可能となっている。仲間が無事なら主人公が死亡してもゲームオーバーではないが、主人公が死亡することによって全滅したり、蘇生に失敗してロストすればゲームオーバーとなる。 記憶を失った冒険者という設定である。 オリジナルキャラクタープレイキャラクターとして扱えるゲームオリジナルのキャラクターで固有グラフィックを持つ。初期能力はおおむね作成キャラよりも高いことが多く、ほとんどのキャラが加入時点のレベルとクラスで使用可能な魔法を既に習得している。パーティにいるとイベントに加わるなどしてゲームを盛り上げてくれる。作成キャラとの決定的な違いは通常方法でのクラスチェンジが出来ないことだが、中盤で購入可能となる特殊アイテム等を使うことで任意にクラスチェンジできる。キャラクターによっては固有のアレイドを所持しており、仲間に登録されることで使用可能となる。行動によっては二度と仲間にならないこともある。ロストすることもある。
その他のキャラクター
依頼冒険者の酒場にて依頼を受けることが出来る。特定条件を満たしたり、アイテムを獲得することで達成となる。報酬は経験値とレアアイテムであることが多い。また、一部の依頼達成によりオリジナルキャラクターが仲間として加わったり、新たな店が利用できるようになる。新規依頼は基本的には新たな下層フロアに到達することで追加されていく。 トラスト(信頼度)システムこのゲームでは、キャラクターごとに主人公への信頼度が設定されている。 また、オリジナルのみならず作成キャラクターにも性格が設定されている。 信頼度はパーティーを組んで敵を倒す事で徐々に上昇していくが、特定の行動や会話での選択肢によっても上下する。 例えば「正義感」のキャラなら、友好的なモンスターを見逃すと信頼度が上昇し、友好的なモンスターと戦うと下がる。 信頼度を上げていけば、パーティーの絆が深まり、アレイド(同盟)アクションと言う強力な攻撃を行える。 アレイドアクションパーティーメンバーが協力して行う連携攻撃。 パーティーの平均信頼度が高くなればなるほど新たなアレイドアクションが使えるようになり、また同じアレイドアクションでも効果が高くなる。
素材敵モンスターを倒すと、スライムの粘液、ピクシーの羽などのモンスターの体の一部が素材として入手できることがある。 これらは使用した場合体力の回復や回避力の上昇などの魔法と同様の効果を得ることができる。またヴィガー商店で複数の素材を合成して魔法石を作成してもらうことができる。 魔法石システム本家『Wizardry』とは全く異なる魔法体系となっており、カティノ、マハリト、ティルトウェイトといったお馴染みの魔法は一切登場しない。(性能がよく似た魔法は存在する)たとえ魔術師や僧侶であってもレベルアップするだけでは一向に新たな魔法を覚えることはなく、習得には魔法石を使う必要がある。魔法石は稀に拾うこともあるが、基本的には素材を入手して、ヴィガー商店で合成して作り出すことになる。各魔法には最大レベルが設定されており、既に習得済となっている魔法石を使用することでレベルアップしていく。このため、低レベル魔法であってもレベルアップ次第で強力になることも多い。魔法石は素材に分解することが可能。
死神システム『BUSIN』でも本家『Wizardry』と同様に、死からの蘇生に失敗すると灰になり、さらに灰からの蘇生に失敗するとロストし、キャラクターが完全に消滅してしまう。 『BUSIN』では、特定の階で長時間滞在したり特定地点の通過時に高確率で現れる死神に接触すると、誰かが「死神憑き」という状態異常になり、この状態で死ぬと即座にロストする。 その代わりパーティ全員が死神憑き状態になることで「死神アレイド」を使えるようになり、また誰かが死神憑きの状態でいることによりのみ発見、通行ができる扉がある。 死神は街にある寺院で有料で祓うことができる。 BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO
2003年11月13日に発売をした。BUSINの400年前のドゥーハンを舞台にしているため、ナンバリングは0とされている。 システム的にはロードの高速化やアニメーションカットの導入など前作でユーザーから挙げられた不満点を改良しつつ、新しいシステムも多数取り入れられている。 前作ではモンスターデザインが寺田克也でキャラクターデザインは前納浩一が担当していたが、本作ではキャラクターデザインも寺田克也が担当している。 『月刊コミックラッシュ』(ジャイブ)2004年3月号から8月号まで漫画化作品が連載された。作画・鈴羅木かりん。
時間の概念前作でも月齢による時間の概念はあったが、本作では月齢が廃止され、月日が表示されるようになった。時間はダンジョン内の移動時にリアルタイムで流れる(ダンジョン内でもキャンプ中やイベント時などは時間経過しない)。また、宿屋に泊まると1日経過する。これによって特定の期間のみ開催されるイベントが存在したり、期限内の依頼などがある。なお、本作では年齢の概念はないため、キャラクターが老化するといったことはない。 新職業
以上はいずれも上級職であり、この他にも条件を満たす事で「最上級職」へのクラスチェンジも可能になる。 最上級職には、「聖騎士」「黒騎士」「隠密」「将軍」「怪盗」の5種類がある。 新アレイドアクション前作ではアレイドアクションは冒険者ギルドで購入するか、パーティーランクの上昇で自動的に新しいものが使えるようになった。今作では、アレイドアクションがまだ確立する前の時代で、自分たちでアレイドを作り上げるという設定になっている。今作でのアレイドの習得方法は大きく3つに分けられる。一つ目はアレイドを習得した戦士の残留思念がこめられた「識別ブレスレット」を入手すること。二つ目は戦闘中にある条件を満たすことでアレイドを自力で編み出す「発見系アレイド」。そして三つ目が既存のアレイドがある条件で変化する「変化系アレイド」。 また、今作ではアレイドは一度にセットできる数に限りがあり、セットしていないアレイドは使うことができない。アレイドごとに、「アレイドポイント(AP)」が設定されており、APは使うごとに徐々に減って行き、その分一度にセットできるアレイドの数が増える。また、パーティーランクを上げることで、セットできる枠そのものが大きくなる。 (例)ソニックソード、ウィークスマッシュ 外部リンク |