ERC 90装甲車
ERC 90(フランス語:Engin de Reconnaissance à Canon de 90 mm)は、フランス製の6輪式偵察用装甲車であり、ウォータージェットによる水上走行能力とNBC防護能力を備えている。当初は輸出用として開発されたが、後にフランス軍にも採用されている。 開発1977年、パナール社は自己資金でフランス軍向け新型装甲兵員輸送車を開発したが、フランス陸軍の選定トライアルにおいてSaviem社(現在のルノー)製のVAB装甲車に敗れた。 しかし、この競作で培った技術を元に設計されたERC 90戦闘偵察車は、フランス陸軍の主力戦闘偵察車AMX-10RCの半分近くの重量であるため、ロッキードC-130やトランザールC-160などの中型輸送機による空輸が可能で山岳地帯での運用にも有利であった。このため1979年から海外からの採用を得ることに成功し、フランス陸軍も空挺部隊や山岳部隊におけるAMX-13軽戦車及びAML 60/90装甲車の後継車両としてAPFSDS弾を発射可能な主砲を備えたERC 90 F4を配備運用することを決め、1984年から配備を開始した。 ERC 90の機動力の秘訣の一つは、中央部の左右両輪をいつでも必要なときに持ち上げて4x4と6x6のそれぞれの利点を必要なときに発揮させることが可能な点にある。すなわち、市街地のような整地された地面では車輪を持ち上げて高速性能を確保し、泥濘地などの軟弱な地盤では車輪を下げて接地圧を分散させることで不整地走破能力を確保することが可能である。なお、この機能は同じパナール社が設計したEBR装甲車や、ソ連製のBRDM-1及びBRDM-2装甲偵察車にも搭載されている。 派生型
運用国フランス軍の運用部隊ERC 90 サゲーは、フランス陸軍では以下の部隊で運用されている。
実戦投入脚注出典
関連項目外部リンク
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