FCGビル
FCGビル(エフシージービル)は、東京都港区台場にあるビル。フジ・メディア・ホールディングス(旧・フジテレビジョン、2008年に持株会社化。以下、FMH)が保有し、フジテレビジョンのほかBSフジをはじめとするフジサンケイグループ (Fujisankei Communications Group) の企業が本社・スタジオ等を置いている。フジテレビ本社ビル、ないしフジテレビ本社屋とも呼ばれる[1][2][3][4]。 土地については東京都から借地契約を結んでいたが、2018年3月にFMHが約140億円で取得した(同社の有価証券報告書より)[5]。2013年3月31日の年間貸借料は、7億3800万円だった[6]。 概要「世界のタンゲ」と言われた日本を代表する建築家・丹下健三が手掛けた巨大プロジェクトの中で最後に直接指揮をとった建築物で、設計は丹下健三・都市・建築研究所が担当した。お台場を象徴するランドマークとなっている。 日本の放送局の本社社屋の中で最も大きいビルであり、日本の民間放送局として最大級のスタジオ床面積(300坪)を持つ。フジテレビが新宿区河田町にあった旧本社ビルから臨海副都心への移転に至った経緯はフジテレビジョン#お台場移転の経緯を参照。 デザイン・構造建物は縦横の比率を、ハイビジョンテレビの画面の縦横の比率と同じ16:9とした。建物の低層部については公開スペースを1階に設け、主なスタジオを3階に設置するという構造で、高層部については「オフィスタワー」と「メディアタワー」の2棟からなる。この両棟を12階・18階・24階の3フロアーの階にあるコリドール(渡り廊下)で連結する構造となっている。2棟のビルの間にそびえる球体は直径32メートルあり、外装は腐食の心配がないチタン(新日鐵住金TranTixxiiチタン[7])で作られている。展望台の役割を持っており、2007年6月のリニューアルの際に「はちたま」という愛称が与えられた。 "どこでも放送局"を想定した作りのため、各所に電源や連絡端子盤などの放送用設備があり、球体内部にもスタジオ機能(照明・ブラインド・副調整室)を備えている[8]。 受賞案内板・サイン本社ビルの案内板・サインのデザインは、デザインスタジオのPentagram社(ニューヨーク)によるものとなっている[9]。1階の広場に設置されている赤い棒状の「FUJI MEDIA HOLDINGS, INC.」(以前は「FUJI TELEVISION NETWORK」「NIPPON BROADCASTING SYSTEM」)の表記や駐車場のゲートサインなどがPentagram社のデザインとなっている[10]。 エピソードレム・コールハースが建設中のFCGビルについて、磯崎新に「あそこに君の都庁が建っているじゃないか。コンペには負けたんじゃなかったのかい?」と勘違いともジョークとも捉えられるコメントを残している。東京都庁舎コンペに招待された磯崎は「錯綜体」案を提案し、結果としてコンペは磯崎の師匠である丹下が勝利を収めたという過去がある[11]。 1996年8月から部署ごとに河田町社屋からの移転作業を順次行い、秋からは移転に向けてのトレーニング運用として『めちゃ×2イケてるッ!』や『新春かくし芸大会』など一部の番組収録がFCGビルのスタジオで行われるようになった。さらに同年12月31日の『料理の鉄人』の年越し特番もこのスタジオから生放送された。そして翌1997年3月10日に移転作業が完了し、FCGビルからの放送が開始した。 2011年3月11日の東日本大震災によって余震が続いたこともあり、球体展望室「はちたま」は6月3日まで営業を休止したが、6月4日から営業を再開した。 かつてフジテレビで放送されていたアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』では、何かしらの理由でFCGビルが破壊されるエピソードが複数作られている[12]。他局では日本テレビの『ルパン三世』TVスペシャル『血の刻印 〜永遠のMermaid〜』の冒頭で、同ビルの展望台を使って飛行機の向きを変えるシーンが登場している。 大会議室前の通路には河田町社屋の模型が展示されている。 提携大災害等により本建物(フジテレビ本社)から放送の送出が不能となり喪失状態になった場合において、FNN・FNS準キー局の関西テレビ(カンテレ扇町スクエア)より全国ネット放送及び関東ローカル放送を行う旨の合意が両社で行われており、過去に南関東直下地震、南海トラフ巨大地震を想定した訓練が行われている[13][14][15]。詳細はフジニュースネットワーク#災害時の対応を参照のこと。 スタジオ以外の施設見学スペース・展望室・ショップなどがあり、一般の人でも入ることができるエリアが多数ある(24階・25階は有料エリアで、入場料が必要)。開業当初は飲食店が多く立ち並んでいた[16]。
スタジオ
スタジオ内にあるテレビカメラは、一部のスタジオを除きハイビジョン対応(1997年3月10日の運用開始当初から4:3と16:9に切り替え可能な多目的カメラを使用)。しかし、サブ周りの機器は一部河田町からの移設やSD対応機材だったため、その「HD非対応」スタジオについては段階的にHD対応に移行させた。 報道センターには『BSフジNEWS』専用のブースを併設。そして緊急報道やセット改装・年末年始時の際にはセンター内にある顔出しブースから放送する。運用開始から2020年ごろまではセンター内に円卓テーブルが存在しており、顔出し用のリモコンカメラがテーブル中央部に常設され、緊急報道やV9スタジオのセット改装の際にはそこから放送されていた。2020年からは可動壁からは見えない報道センターの右側に小規模な顔出しブースが設置され、2023年現在は週末夜の『S-PARK』のニュースパート、2020年以降の年末年始時のミニニュースなどもこのブースから放送している。かつての円卓テーブルと現在の顔出しブースは共に緊急時以外は番組キャスターの打ち合わせ用スペースとして用いられている(河田町本社時代の報道センターも同様に打ち合わせ用のスペースを緊急時の顔出しブースとして兼用していた)。 V9スタジオが隣接しており、可動壁を上げることで報道センターと一体化させることができる。運用開始時はV9スタジオが『FNNニュース555ザ・ヒューマン』と『ニュースJAPAN』の専用セットで占められており、報道センターをバックに放送するのはそれ以外のニュース番組ならびに『めざましテレビ』の放送時のみだったためその時だけ可動壁を下ろしていたが、1998年の『FNNスーパーニュース』開始時から一時期を除いて2018年3月の『みんなのニュース』終了までは、報道センターが見えるガラス壁を用いたスタジオセットだったため可動壁は常に上げていた。2018年〜2023年9月までは報道センターをバックに放送する事が一切なくなったため可動壁は常に下ろされていたが、2023年10月からは再度可動壁を上げて報道センターと一体型になる。 カメラなどスタジオ機材にはフジテレビのロゴラベルが貼られているが、報道専用のV9スタジオのみ「FNN」ロゴラベルが貼られている(河田町本社時代の第9スタジオ→第7スタジオも同様)。 フジテレビでは、FCGビル(台場本社)近くの江東区青海(あおみ)に、ドラマやバラエティ番組などの収録拠点となる湾岸スタジオがある。同所開設前までは、FCGビルや東京メディアシティ、渋谷ビデオスタジオといった複数の拠点で収録などを行っていたが、本社との距離や一部スタジオの老朽化などの問題もあり、それらの問題点を解消すべく建設された。2023年現在、FCGビルでのスタジオ運用は地上波・衛星問わず生放送番組での使用を主軸に、一部の収録番組と関西テレビ制作番組の収録に使用されている。 8つのテレビスタジオの中には、床面積がV4スタジオ以上の場所もある。本社とは光ケーブルで相互接続されているが、主調整室とは直接接続されていないことから、生放送する際には本社側に制御用の副調整室(所謂『受けサブ』)を必要とする。 ラジオスタジオ
かつてFCGビルには、当時フジテレビの親会社であったラジオ局・ニッポン放送の本社も入居しており、1997年3月24日から2004年9月5日までの8年間に亘って放送を行っていた[34]。メディアタワー22階から24階にラジオスタジオ、24階にマスター設備(主調整室)が設置されていた。なおテレビスタジオとは違い、事務フロアとして設計されていた場所にラジオスタジオ設備を設置した。台場本社時代は千代田区有楽町に入居していた糖業会館建て替え問題が進展中であったが、現在の社屋落成(糖業会館・ニッポン放送本社ビル)を機にスタジオ・本社機能を有楽町に戻した。なお、FCGビルには旧社屋の「ラジオハウス銀河」、現社屋の「イマジンスタジオ」にあたる公開放送などに用いるための大型スタジオが無いため、旧糖業会館が解体される2001年8月までは「ラジオハウス銀河」が引き続き使用された。
FCGビルで収録・生放送される主な番組
→「フジテレビ番組一覧」も参照
現在放送中のバラエティ番組レギュラー番組
スペシャル番組
放送終了したバラエティ番組
過去に収録・生放送で使用されたバラエティ番組
現在放送中の音楽番組レギュラー番組スペシャル番組
過去に収録・生放送で使用された音楽番組現在放送中の情報・報道番組レギュラー番組
過去に生放送で使用された情報・報道番組
交通アクセス
脚注・参照
関連項目外部リンク |