IchigoJam
IchigoJam(イチゴジャム)は低消費電力、低コストのシングルボードコンピュータ・開発プラットフォーム。株式会社jig.jpによって公開され、プログラミング クラブ ネットワークより発売されている。 概要2014年4月1日に福野泰介(株式会社jig.jp取締役 創業者、公開当時は代表取締役)が開発・公開。[1][2]当初はBASICが動作するファームウェアと回路図などが公開され、組み立てる前提となっていたが、2014年7月にプリント基板が公開され、[3]現在はこれが主流である。後にプリント基板などの販売・卸はプログラミング クラブ ネットワーク(通称PCN)で、ライセンス管理などをjig.jpで行うようになった。後にjig.jpの子会社B Inc.が設立され、実質的なIchigoJam関連事業はB Inc.が継承している。jig.jpおよびB inc.はライセンスなどの発行は行っているが、IchigoJamプリント基板の販売は行っていない。 通常はプログラミング クラブ ネットワークからの卸によって販売を行っているが、同様仕様または上位互換で独自に製作・販売されているIchigoJam互換機も存在する。またファームウェアは無償でダウンロードでき(ただし再販はライセンスが必要)必要なパーツや回路図が公開されているため、自作も可能。 多くのシングルボードコンピュータは開発をパソコンなどから別途行う必要があったが、IchigoJamは電源を入れるだけでBASICが起動し、すぐにプログラミングが可能な事が特徴。入出力ポートも備えているため、プログラムに限らず、電子工作の制御が容易に行える。 「こどもパソコン」として、子供向けのプログラミング教育向けに展開している。 モデルIchigoJamプログラミング クラブ ネットワーク によって発売されている IchigoJam は次が存在する。
IchigoLatte 本体ファームウェアはIchigoJam BASICに代わってIchigoLatteを採用。 BASICではなく、JavaScriptでプログラミングできるファームウェア。
IchigoDake & IchigoIgai2017年4月に限定発売後、2017年6月より量産販売された。IchigoDakeとIchigoIgaiに分かれていて、IchigoDakeは首にぶら下げるなどして別に持ち歩ける。IchigoDakeを交換してOSを変更できる。
IchigoJam 互換機プログラミング クラブ ネットワーク以外で開発・販売されているIchigoJam互換機が存在する。
その他、企業や個人による互換機などが存在する。 拡張基板
アプリケーション基板とは別にパソコン内でアプリケーションとしての使用も可能。
これ以外にIchigoJam PCも過去公開されていた。
仕様
プログラミング言語IchigoJam では次のプログラミング言語を使用できる。ハード構造はIchigoJamR以外は全部共通となっていてLPC1114にファームウェアを入れて使用可能。 IchigoJam BASICIchigoJamとその互換機で動作可能なBASICプログラミング言語とその総称。自作したIchigoJamにも入れることは可能だが、再配布する場合はライセンスが必要。 2019年6月現在の最新バージョンは1.3.1(正式版)。 保存媒体としてEEPROMを使用できる。本体にもプログラムを保存できる。またシリアル信号による通信が可能。 当初はMSXの影響を受けて開発されて、いくつか共通点が存在する[1]が、LPC1114の制限による独自仕様も増えている。 テキストと入出力の処理に特化されており、周辺機器ボードの追加によって機能を拡張できる。 IchigoJam BASIC RPi/RPi+株式会社ナチュラルスタイルによってRaspberry Piに実装されたIchigoJam BASIC。IchigoJam RPi/RPi+の表記も公式を含め用いられる。2019年6月現在の最新バージョンは1.2.6RPi。 基本的にオリジナルであるLPC1114版の仕様を踏襲した物となっており、プラットホームがRaspberry PiであることによってUSBキーボードやHDMI対応のディスプレイなど、レガシーデバイスを用いずに近年入手性の高いハードウェアで動作させることができる。 IchigoJam BASIC RPiは基本的にフリーで提供され自分で公式ページよりダウンロード、使用する分には無料で使用することができる。但しその再頒布などは禁止されており、頒布にはライセンスの締結が必要である[14]。ショップのふうせんがその時点での最新版を書き込み済みのMicroSDカードを販売しており、動作確認済みのメディアで入手することも可能である。 IchigoJam BASIC RPi+はアイ・オー・データ機器からUD-RPSDIJの型番で書き込み済みMicroSDカード+SDカード変換アダプタと言う形の商品として販売されている[15]。フリー版の仕様に加え、Raspberry PiのオプションであるSense Hat、Touchscreenに対応したコマンドが追加された上位版となっている。基本的にサポート対象外の製品となっており、アイ・オー・データ機器はサポートライブラリでのアップデータ提供以外はMicroSDカードのハードウェア保証のみに対応する。システムの更新がほぼ一式入れ替える形となっているため、アップデータの入手には製品シリアルナンバーの入力を必要とする。また、フリー版ならびに公式の更新情報の頻度に対し、アップデータの提供が遅延する傾向にあり、Version1.2.6の時点でリリース日が2018年6月18日[16]にもかかわらず、サポートライブラリの登録は2018年8月28日[17]であった。また、BASICプログラミングキットとして、UD-RP3PKIの名前でUD-RPSDIJに加え、ナチュラルスタイル監修のテキスト本、ファンクションキー部分にコマンドの刻印があるUSBキーボードIS-KBJ[18]、並びにACアダプタと、ケース入りのRaspberry Pi 3 Model Bのセット品も販売されている[19]。 IchigoLatteJavaScriptベース。プログラミング クラブ ネットワークによって公開されている。 IchigonQuest矢印キーとEnter・Escキーのみでプログラミング可能。 マイコンBASICマガジンの復活電子工作マガジン2015年春号よりマイコンBASICマガジンのコーナーが含まれ、IchigoJam BASICが当初からのプログラム投稿対象になっている。[2] 脚注出典
関連項目外部リンク
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