JALウェイズ58便エンジン爆発事故
JALウェイズ58便エンジン爆発事故(ジャルウェイズ58びんエンジンばくはつじこ)は、2005年(平成17年)8月12日に福岡県福岡市にある福岡空港で発生した航空事故である。 概要2005年(平成17年)8月12日、福岡発ホノルル行のJALウェイズ58便(マクドネル・ダグラス DC-10)が、福岡空港を離陸後にエンジントラブルを起こし、同空港に引き返した。 当該機は19時45分頃、定刻通り福岡空港の滑走路34を離陸したが、離陸後20秒後に突然左エンジンから出火。パイロットもそれに気づき、管制塔に連絡後、左エンジンを止め海上まで飛行、燃料を消費してから約30分後に福岡空港に引き返し、緊急着陸した。乗員乗客ら229名は無事であったが、離陸ルートのほぼ真下に位置する福岡市東区社領2丁目〜3丁目の住宅街にタービンブレードの金属片が落下し、それに自ら触れた5人が軽い火傷や軽傷を負ったほか、乗用車のフロントガラスが破損した[1]。 偶然にも取材で福岡空港に来ていたNHK福岡放送局の取材クルーがこの事故を撮影し、その日の夜のNHKニュースなどで、エンジンから出火する瞬間が放映された。 なお、本件は統計上は事故ではなくイレギュラー運航扱いである[2]。 機材事故機は1980年12月に日本航空に納入されたマクドネル・ダグラス社製のDC-10-40(機体記号:JA8545、ライン番号/製造番号:343/47853[3])で、事故時点での機齢は約24年だった。エンジンはプラット・アンド・ホイットニー社のJT9D-59A型を搭載していた。 事故から17日後にアメリカへ売却され、日本航空から退役した[4]。2014年現在もアリゾナ州ピナル飛行場で保管されている。 事故原因エンジンが停止した原因は、1枚のタービンブレードが破損し、それがほかのタービンブレードを巻き込んだことによる。破損した原因は、ブレード表面の浸食による疲労亀裂と推定されている。小さな亀裂が遠心力と熱によって拡大したことにより、中を循環する冷却空気に漏れが生じ、冷却空気が循環せずにブレード表面に熱が蓄えられたためブレードが破壊された。これがきっかけとなり、ブレード片が他のタービンブレードをも破壊することとなった。 この事故の後、JALグループは2005年10月でDC-10を退役させ、ほぼ同型のエンジンを使用していたボーイング747についてはエンジンの検査間隔を2500時間から1000時間に短縮するという改善策をとった[1]。 脚注
関連項目
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