前作に次いでオリコンチャート初登場1位を獲得。また、これがオリコンアルバムチャートで通算600回目の1位獲得作品であった[3]。累計売上は63万枚(オリコン調べ)[* 1]を売り上げ、オリジナル・アルバムでは自身最大のヒットを記録した。吉井は「JAM」「SPARK」などのヒット曲を含むベスト・アルバム『TRIAD YEARS actI〜THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』がミリオンを達成したことを踏まえ、「ヒット曲が1曲しか入っていないアルバムは100万人買わないんだなということもよくわかった。『この次覚えてろよ』という気持ち」と語っている[6]ほか、後年のインタビューでは「『SICKS』の実際のセールスは妥当だったと思う。100万枚を目指していたが、近いところまで行ったし、凄い納得した1年だった」と振り返っている[7]。同じくギターの菊地英昭は「望んでいた枚数より下回ったが、大衆向けではないアルバムがこれだけ売れたことは自信になった」と語っている[7]。
レコーディングは前作に続きロンドンで行われた。吉井は本作の制作にあたり「1日3曲録音をノルマ」とし、300曲作成したものからさらに80曲に絞ったのち、その曲の中から厳選したものが本作に収録された楽曲となった[1]。ジャケット写真もロンドンのバタシー発電所にて撮影されている[8]。吉井は当時の状況を「好きなようにやった。楽曲の構成も従来の型を破れた」「自分の中で、音楽がものすごく噴出してるのがわかった」と振り返った[9]。また、本作がリリースされる約1か月半前に、自身初の非公認ベスト・アルバム『TRIAD YEARS actI〜THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY』のリリースが決定したこともあり、吉井は「ベストに負けないアルバムを作ろうという話を毎晩メンバーとしていた」と語っている[10]。
吉井本人が最高傑作と自負する作品であり、「『SICKS』は他のバンドにはない音であり、他の邦楽にもない音である」と語る[9]。また、他メンバーが作曲をした「TVのシンガー」「創生児」「HOTEL宇宙船」を絶賛しており、「どの曲も『SICKS』の匂いがする曲」と評価している[10]。メンバー選曲のベスト盤『MOTHER OF ALL THE BEST』にも本作から最多の7曲が収録されており[* 3]、他メンバー作曲の3曲もすべて収録された。
「FOR SEASON-野生の証明」のツアー中に初披露され、アルバム発売前の「メカラ ウロコ・7」でも披露された。吉井にとって「JAM」と並ぶほど特別な強い思い入れがあると語り、「裏JAM」と呼んでいるという[9]。1番ではドラムを止めてサビに入るなど、過去にはやらなかったアレンジを試み、吉井自身「すごい自信になった曲ができた」と自負する[9]。2010年3月に出版された三浦しをんの短編集『天国旅行』はこの曲のタイトルからつけられ、本書の巻頭には歌詞が引用されている。2013年に行われた『イエモン-FAN'S BEST SELECTION-』のファン投票で5位を獲得した。
前曲からシームレスで繋がる構成。非常に音が小さいが、イントロで吉井の台詞が入っている。初レコーディングの際に一度ボツになっており、仮タイトルは「首の皮一枚」だった[6]。2013年に行われた『イエモン-FAN'S BEST SELECTION-』のファン投票で、アルバム曲の中では最高となる3位を獲得した。