アントン・ヴィクトロヴィッチ・イェルチン(英: Anton Viktorovich Yelchin、露: Антон Викторович Ельчин、1989年3月11日 - 2016年6月19日)は、アメリカ合衆国の俳優。ソビエト連邦でロシア系ユダヤ人の家庭に生まれ、生後6ヶ月で両親と共にアメリカに移住した。子役としてキャリアをスタートした。
来歴
ソビエト連邦ロシア連邦共和国レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)に生まれる。フィギュアスケートのペアとして国民的人気があった両親は、ユダヤ人であることを理由に1972年札幌オリンピックへの出場を認められなかったとされている[2]。1989年9月、一家は難民としてアメリカへ移住した。
4歳で演技に強い興味を示し、ロサンゼルスのマグネット・スクールで演技を学ぶ。2007年、南カリフォルニア大学へ入学。
9歳で活動を開始。2001年にアンソニー・ホプキンスと共演した『アトランティスのこころ』で広く知られるようになり、ヤング・アーティスト賞主演男優賞を受賞したほか、ロバート・デニーロ主演『15ミニッツ』、モーガン・フリーマン主演『スパイダー』などに出演。テレビではSCI FIのミニシリーズ『TAKEN』などいくつかのシリーズに出演し、『HUFF〜ドクターは中年症候群』ではハンク・アザリア演じる主人公の息子を演じた。
その後、グリフィン・ダン監督『Fierce People』、デイヴィッド・ドゥカヴニー初監督作『最高のともだち』、ニック・カサヴェテス監督『アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン』、ジョン・ポール監督『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』に主演。さらに2009年には、『スター・トレック』のパヴェル・チェコフ役、『ターミネーター4』のカイル・リース役とサマームービーの大作に相次いで出演し、『ピープル』誌の「最も美しい人100人」に選出された。
2016年6月19日、リハーサルの時間にも姿を現さなかったことから午前1時頃に友人たちが自宅を訪れたところ、自分の車と門に取り付けられた郵便受けの間に挟まれて死亡しているのを発見された。27歳没。車のエンジンはかかっていてギアがニュートラルになっており、またアントンの家から門までは急な坂道になっており、何らかの理由でエンジンを切らずに門の方へ向かったところ、坂を自然に下ってきた車に押し潰されてしまったと考えられている[3][4]。遺作となったのは2週間前にクランクアップした『サラブレッド』。
私生活
アコースティック音楽が好きで、自身のバンドではギターとピアノを演奏していた。
主な出演作品
映画
テレビシリーズ
参考文献
外部リンク