シネマテーク・スイス(La Cinémathèque suisse)は、公共事業を目的とした私立基金(fondation privée[1])であり、所在地はスイスのヴォー州ローザンヌ、2/3を公的資金でまかなわれている。
目的
- 映画起源であるものならなんであっても対象としたフィルム・アーカイヴを収集し、保存すること。
- コレクションの発展、保護、修復、公開につとめること。
- 「国立博物館」と「映画研究センター」を設立すること。
- 公共事業に徹し、いかなる利益目的もねらいとしないこと。
略歴
- 1943年10月1日、「レ・ザルシーヴ・シネマトグラフィック・スイス(les Archives Cinématographiques Suisses、スイス映画アーカイヴ)」をバーゼル=シュタット準州バーゼルに設立、しかし1948年4月、「過度に左翼的」と判断した責任者の意見を理由に、市当局は助成金をカットした。
- 1966年、市内ベチュシーのコレージュの大聖堂ホールで、シネマテークの隔月上映開始。
- 1981年9月18日、同シネマテークは私立基金となり、2/3をローザンヌ市とヴォー州との連合で支えることとなった。
- 1981年、市内カジノ・ド・モンブノンに移転し、そこに2つの上映ホールを有する。
- 1996年、エルヴェ・デュモンが館長に就任。ビュアシュは退く。
- 2001年、チューリッヒにあるドキュメンタリー映画センター「ズーム(Zoom)」をそのコレクション全体(ドイツの3万部の新聞ファイルと7万5,000枚の写真)とともに買収した。
- 研究閲覧のためのサポート・ビデオへのフィルムの変換がシステム化する。また、イコノグラフィのデジタル・スキャンのプログラムが軌道にのった。
概要
ジャン=リュック・ゴダール監督の短篇映画『フレディ・ビュアシュへの手紙』(1981年)で、当時の館長ビュアシュともども一躍有名になったシネマテークである。
古典映画の修復と世界配給も行っており、1996年にはイタリアのボローニャとミラノのシネマテーク(チネテカ)と共同でニノ・オクシリア(Nino Oxilia)監督の『サタンのラプソディ Rapsodia satanica』(55分、1915年)、2005年にはジェルメーヌ・デュラック(Germaine Dulac)監督の『微笑むブーデ夫人 La Souriante Madame Beudet』(38分、1923年)を手がけている。
2005年現在、7万本の映画、200万枚の写真、10万枚のカラースライドと9万枚ポスターのコレクションを保有する。
関連事項
- レ・ザミ・ド・ラ・シネマテーク・スイス(Les Amis de la Cinémathèque Suisse、LACS、「シネマテーク・スイス友の会」)、1996年12月設立。下記#外部リンク参照。
註
- ^ 日本の「財団法人」のようなものと思われる。
外部リンク