マダラヒタキ(学名:Ficedula hypoleuca)とは、スズメ目ヒタキ科に分類される鳥類の一種である。
形態
体長は12-13.5cmで、重量は9-17gである[1]。
三列風切羽の縁、外側の尾羽の先端を除き白色である。成長は体下面が白く、体上面はオスは黒色でメスは灰色である。第一回冬羽は、成長に比べバフ褐色味がかかり翼と尾羽は黒色味が強い[2]。
分布
主にヨーロッパから中央シベリアまでの地域、アフリカ北部で繁殖し、西アフリカで越冬する[1][3]。
日本では1991年に石川県舳倉島で、2006年には宮城県で、観察された記録が2例ある[4][5]。
亜種
生態
主に森林に生息している。針葉樹林よりも落葉樹林を好む。他に低木地、サバンナ、農耕地、都市部にも生息する[3]。
主に昆虫を摂食しているが、他の無脊椎動物や、果実も摂食する[3]。
ヨーロッパでは4月下旬から6月下旬、アフリカ北部では6月上旬までの期間で繁殖する[3]。
地上1.8-10mの樹木、壁、建物の穴などに枯れ葉、植物の茎、コケ、根、草、髪、羽毛などで巣を作り、3-10個の青い卵を産む[注釈 2][3]。
卵はメスが抱卵し、13-14日で孵化する。孵化するとオスも子育てを手伝い、12-17日間は巣で子育てをする[1]。子育ての期間の終わりには、1時間に20回ヒナに給餌し、巣立ち後もヒナは短い期間は親に依存する[1]。
脚注
脚注
- ^ 日本で観察された個体は、この亜種とされている[7]。
- ^ 通常は4-8個の卵を産む[3]
出典
- ^ a b c d “Cahiers d’Habitat « Oiseaux » - MEEDDAT- MNHN – Fiche projet Gobemouche noir, Ficedula hypoleuca (Pallas, 1764)” (PDF). INPN. 2020年4月26日閲覧。
- ^ 永井真人 (2016). 鳥くんの比べて識別!野鳥図鑑670 (2 ed.). 文一総合出版. pp. 155. ISBN 978-4-8299-7210-6
- ^ a b c d e f BirdLife International (2018). "Ficedula hypoleuca". IUCN Red List of Threatened Species. Version 3.1. International Union for Conservation of Nature. 2020年4月26日閲覧。
- ^ 矢田孝 (1992年). “日本初記録のマダラヒタキの観察” (PDF). 日本野鳥の会. pp. 356. 2020年3月26日閲覧。
- ^ “齋藤 良: 宮城県におけるマダラヒタキの観察”. 日本野鳥の会. 2020年4月26日閲覧。
- ^ a b c “HBW Alive Ficedula hypoleuca”. HBW. 2020年4月26日閲覧。
- ^ “日本産鳥類記録リスト (4)” (PDF). 日本鳥学会誌 (日本産鳥類記録委員会(日本鳥学会)) 53 (2): 115. http://ornithology.jp/iinkai/kiroku/record4.pdf 2020年4月26日閲覧。.
参考文献
関連項目
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