有間神社
有間神社(ありまじんじゃ)は、兵庫県神戸市北区有野町にある神社。式内社で、旧社格は郷社。神紋は「三つ巴」。 祭神
社名社名の由来は定かでないが、「有間」は「有馬」の古い表記とされる。有野村史によれば、「有」は山を意味し「有間」は山間の開けたところを意味するという。地名としての「有間」が「有馬」という表記になった時期も定かでない。遷座するまで山王谷にあったことから古くは山王宮と称したと伝えられている。 歴史古くは山口庄名来村の山王谷に鎮座していた。創建時期は不明であるが、由緒によれば631年(舒明天皇3年)9月に舒明天皇が有馬温泉に行幸した際に参拝したとされるのが最古の記録であり、それ以前から鎮座していたと考えられている。 715年(霊亀元年)、六甲山からの大出水によって有馬川が氾濫して社殿が流出し、神託により有野庄西尾村に遷座する。社殿が竣工するまで仮殿を設け御神体を奉安した場所には田尾神社が建てられている。また、遷座の際に御旅所となった場所に岡場若宮神社が建てられている。 天正年間に三木合戦が起こると、宮司を務めていた武田氏が三木城主の別所氏と姻戚関係にあったため、社殿が兵火に罹った。 江戸時代には郡内の三田藩主九鬼隆国や当地の領主となった武州岡部藩から寄進を受けた。神仏分離令までは「山王山神宮寺」が隣接し、山王権現と呼ばれていた。神宮寺の跡地は駐車場となっており、境内にあった不動明王像は末社として祀られている。 摂津国有馬郡の総鎮守として信仰を集め、古名の山王宮が「産の緒」に通じることから安産の神として信仰された。御旅所には「子安石」があり、妊婦が子安石に安産を祈願し、出産の後に神前を流れる川で母子の身を清めたと伝わる。さらに、生まれた子供が無事に成長することを神社で祈願したとも伝わっており、子供守護の神社としても崇敬される。 社叢は約2万8000平方メートルあり、ひょうごの森百選に選定されているほか、社叢のうち約7000平方メートルある椎の群生は、兵庫県から環境緑地保全地域に、神戸市から天然記念物にそれぞれ指定されている。 年表
社殿本殿・拝殿現在の本殿は1796年に再建されたもので、三間社流造である。かつては本殿と幣殿のみであったが、戦後に鉄筋コンクリート造の拝殿が新設された。 拝殿前にある黒木の鳥居は、元々孝明天皇の大嘗祭で用いられたものを1849年に下賜されたもので、それが朽ちたためコンクリートで再建されたものである。 境内末社
祭事・年中行事文化財天然記念物(神戸市指定)交通アクセス脚注参考文献
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