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この項目では、映画作品について説明しています。
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『独立愚連隊』(どくりつぐれんたい)は、1959年に製作された岡本喜八監督の戦争アクション映画。ヒットしてシリーズ化された。
概要
監督・脚本の岡本喜八、主演の佐藤允[1]にとっては本作品が出世作となった。怪我によって現実感覚を失った大隊長を三船敏郎が演じた。
西部劇へのオマージュに溢れ、戦中派の岡本監督が戦争の馬鹿馬鹿しさをテンポ良く表現している本作品はヒットした一方、公開時には好戦的、反中国的という批判を受けた[2]。
1960年に製作された続編の『独立愚連隊西へ』は、批判を受けて極力死者を出さない作品となった(本作とストーリーの繋がりはない)。東宝ではその後西部劇タッチの戦争アクション映画が量産され、独立愚連隊二部作のあとに、その流れを汲んだ岡本監督の『どぶ鼠作戦』(1962年)、谷口千吉監督の『やま猫作戦』(1962年)など、いわゆる「作戦シリーズ」計4本が作られた。1965年に岡本が三船、佐藤主演で監督した大作『血と砂』まで含めて7本を一連のシリーズと捉える見方もある[3]。
併映は宝田明主演・千葉泰樹監督の『若い恋人たち』。
あらすじ
昭和19年、北支戦線の将軍廟という町に荒木と名乗る従軍記者が現れた。彼は大久保という見習士官の死に興味を抱き、彼の最期の場所である独立第九〇小哨を訪ねる。
スタッフ
キャスト
出典・脚注
- ^ 仲代達矢が主演を辞退して佐藤がキャスティングされた。仲代の証言「「岡本喜八監督ここにあり」となる『独立愚連隊』って映画を撮られるんです。その時、私のところに台本を送ってきて、「出てくれないか?」と言ってくれたんですけど(中略)方やこっちは、真っ向から『人間の條件』をやっている。だから。それは非常に残念だったんですけど、同時期に全く違う感じの軍人役をやるわけはいけないですから。(中略)「こういうわけだから、キハちゃん、出られないよ」と断ったら、「ああ、そうだな」って納得してくれました。それで、俳優座養成所で私の同期の佐藤允が主役になったんです。」(『仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版』春日太一著、文春文庫、2017年9月10日)
- ^ 「昨年度の“独立愚連隊”もアキラカに失敗の部類だ。/戦争の愚劣さを底の方に若干流したつもりが、お客の99%強は仇討モノガタリだけに入場料を払って頂いたようだ。/戦争ハニンゲン・イコール・ムシケラニスル、ダカラ戦争ハイヤナンダ、と云うつもりが、俄然好戦的な大量殺人者メと云うハンコを押されて返ッて来てしまッた。これでは全く逆だ、作者ノ力及バズどころの話ではない。」(『シナリオ』1960年10月号、109頁。岡本喜八「軍旗ト云ウモノノ権威」より)
- ^ キネマ旬報社「日本映画作品全集」1973
参考
- 岡本喜八・森卓也著『シネアストは語る3 岡本喜八』(1991年11月29日、風琳堂)
- 岡本みね子インタビュー DVD『遊撃戦』(2005年4月、キングレコード)収録
外部リンク
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