『運命峠』(うんめいとうげ)は、東映と関西テレビが制作し、1974年(昭和49年)10月2日から1975年2月26日にかけて毎週水曜日22時から放映された連続テレビ時代劇。田村正和主演、全21回[1]。
概要
柴田錬三郎の小説『運命峠』を原作に映像化した作品[2]。主演の田村は原作を読み、映像化の際には自分がやりたいと熱望、柴田にその事を伝えていた[3]。映像化にあたり田村は秋月六郎太について、「まだまだ未熟な剣士だが、血筋の良さを隠せない人物として演じたい。」と話していた[3]。
徳川家康の死後、その遺志を受け継いで柳生但馬守は朝比奈源右衛門に、豊臣秀頼の遺児・秀也とその母・桂宮蓮子の捜索を命じた。徳川の家に生まれながら、3代将軍・家光と双生児であったため、秋月六郎太は一人さすらいの旅を続けているが、ある日偶然秀也と蓮子を助け、彼らと行動を共にする[4]。
なお、秋月六郎太は小説では「徳川家康の五男・松平忠輝の双生児という出生から、一人修行の旅を続けていた」という設定であったが、このテレビドラマでは設定を変えて「家光の双生児」とされている。
KTV制作水曜22:00ドラマ最後の作品で、この後フジ水曜22:00ドラマは1991年10月16日開始の『なんだら まんだら』まで16年7か月中断する。
キャスト
- 主人公。将軍家光の双子の弟だが無用な後継者争いが起こるのを避けるという理由で里子に出され、流浪の旅を続ける無頼の浪人。年齢は二十代半ばくらい。無敵の剣技「夕陽剣」を振う超一流の剣客であり、無益な殺生は好まないが、あくどい手段に出る者たちには容赦しない。クールでニヒルな態度を取っているが、本質的には曲がった事の嫌いな熱い正義感の持ち主である。その出生ゆえに徳川将軍家や幕府に対しては批判的で、実父徳川秀忠の事も「秀忠」と呼び捨てにしている。蓮子母子を偶然助けた事から刺客たちとの戦いに巻き込まれていく。
- 豊臣秀頼の側室。皇室ゆかりの高貴な生まれでささ香からは「姫宮様」と呼ばれる。寵愛を受けて一子秀也を産み秀頼の計らいで大坂落城の難を逃れ京都で隠棲していたが、徳川家康の意を受けた追手たちに追われる身となる。六郎太に命を助けられ、いつしか彼を慕うようになる。
- 朝比奈配下の忍者で、蓮子母子の命を奪うように指令を受ける。しかしささ香に惚れこみ、また六郎太の毅然とした振る舞いに感じ入って徳川を裏切り、蓮子母子を守るために働くようになる。忍者としての腕前は高い。
- 朝比奈配下の甲賀忍者で、運天と共に蓮子母子の命を奪うように指令を受ける。運天とは違い冷徹に使命を果たそうとする。運天とは長年のライバル関係である。
- 蓮子に仕える侍女。気丈で健気な美女。運天と恋仲となる。
- 家康によって滅ぼされた織田信次の遺児で後に六郎太の恋人となる女性。刺客に追われて負傷した蓮子母子を偶然助けたことから六郎太との縁ができる。六郎太を一途に慕い続け、一時は幸せな日々を過ごしたがやがて過酷な運命に巻き込まれていく。
- 千早の弟。父の仇である徳川家を憎んでいる。
- 豊臣秀頼の遺児。その血筋ゆえに母の蓮子と共に徳川の追手たちから追われる。
- 家康の側近の高僧、大僧正。病の床にある家康が蓮子母子の事を憂いていると柳生但馬守に告げる。
- 但馬守の長男。隻眼の精悍な風貌を持つ凄腕の剣客であり六郎太の宿敵。
- 柳生の家臣。逃亡した蓮子母子の探索を忍者たちに指令する。
- 将軍家兵法指南役。天海から伝えられた家康の密命を受け、気が進まぬながらも配下の朝比奈に蓮子母子の捕縛を命じる。
- 運天の舎弟分の忍者。太郎と常に二人一組で行動する。本作におけるコメディリリーフ的存在。フクロウの鳴き真似が得意。
- 運天の舎弟分の忍者。影郎次と常に二人一組で行動する。本作におけるコメディリリーフ的存在。
- 三代将軍、六郎太の双子の兄。
ゲスト
[6]
- 第1話
- 第2話
- 第3話
- 第4話
- 第5話
- 第6話
- 第7話
- 第8話
- 第9話
- 第10話
- 第11話
- 第12話
- 第13話
- 第14話
- 第15話
- 第16話
- 第17話
- 第18話
- 第19話
- 第20話
- 第21話
スタッフ
放映リスト(サブタイトルリスト)
[7]
話数 |
放送日 |
サブタイトル |
脚本 |
監督
|
1 |
1974年10月2日 |
天を斬る剣 |
結束信二 |
河野寿一
|
2 |
10月9日 |
月明地獄嶽
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3 |
10月16日 |
血染ケ原の夕陽剣 |
石森史郎 |
井沢雅彦
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4 |
10月23日 |
殺風西に奔る |
高岩肇
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5 |
10月30日 |
華麗なる非情剣 |
斎藤武市
|
6 |
11月6日 |
みだれ雲、愛と剣 |
河野寿一
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7 |
11月13日 |
仇討ち兄妹 |
石森史郎
|
8 |
11月20日 |
暁の決闘 |
高橋稔 |
斎藤武市
|
9 |
11月27日 |
南海の怒涛剣 |
鳥居元宏
|
10 |
12月4日 |
一殺多生剣
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11 |
12月11日 |
武蔵野非情 |
結束信二 |
河野寿一
|
12 |
12月18日 |
夜霧の江戸
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13 |
12月25日 |
百万両の遺産 |
高橋稔 |
井上昭
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14 |
1975年1月8日 |
春待つ大奥 |
高岩肇 |
井沢雅彦
|
15 |
1月15日 |
母恋い無心剣 |
井上昭
|
16 |
1月22日 |
姫宮の最期 |
高橋稔 |
河野寿一
|
17 |
1月29日 |
地獄むみょうの剣 |
結束信二 |
井沢雅彦
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18 |
2月5日 |
斬風・闇を裂く |
高岩肇 |
河野寿一
|
19 |
2月12日 |
千姫御殿を斬る |
高橋稔
|
20 |
2月19日 |
さらば忍者 |
井上昭
|
21 |
2月26日 |
葵の血の色 |
結束信二 |
河野寿一
|
- 1975年1月1日は『新春東西対抗お笑いルーレット』のため休止。なお、この番組は本作終了後に『東西対抗お笑いルーレット』として放送された。
脚注
- ^ “運命峠”. ちばテレビ. 2020年12月20日閲覧。
- ^ “田村正和のおすすめドラマ9選”. Mcura. 2022年7月3日閲覧。
- ^ a b グラフ8チャンネル 1974年10月号 p.11 恋剣涙 運命峠
- ^ “運命峠”. 時代劇チャンネル. 2018年9月24日閲覧。
- ^ 第11話にて、前話から3年が経過したということになり交替。
- ^ “運命峠”. tvdrama. 2020年12月20日閲覧。
- ^ “運命峠”. WEBザテレビジョン. 2022年7月3日閲覧。
関連項目