『音楽に寄せて』(おんがくによせて、An die Musik)作品88-4、D547は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトが1817年3月に作曲した歌曲。友人のフランツ・フォン・ショーバーの詩に作曲した。かつては『楽に寄す』と訳されていた。
概要
音楽に対する愛と感謝の念を率直に表現した作品で、シューベルトの傑作の一つに数えられ、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの言葉を借りれば、この曲で二人の共作は「不滅のものとなった」。また、二人の友情の永遠の記念碑といわれることもままある。
曲はニ長調、2分の2拍子で、極めて簡素な音楽ながら、冒頭から歌声部とピアノのバス声部の対話が豊かであり、忘れ難い印象を残す。全体を2節に分けたシュトローフェンリート(有節歌曲)である。
原詩全文
An die Musik
- Franz von Schober
- Du holde Kunst, in wieviel grauen Stunden,
- wo mich des Lebens wilder Kreis umstrickt,
- hast du mein Herz zu warmer Lieb' entzunden!
- Hast mich in eine beß're Welt entrückt!
- Oft hat ein Seufzer, deiner Harf' entflossen,
- ein süßer, heiliger Akkord von dir
- den Himmel beß'rer Zeiten mir erschlossen,
- du holde Kunst, ich danke dir dafür!
外部リンク