『おとなりに銀河』(おとなりにぎんが)は、雨隠ギドによる日本の漫画作品。『good!アフタヌーン』(講談社)にて、2020年5号から2023年6号まで連載[2][4]。「完結までのご愛読に感謝」という理由により、2023年7号に番外編が掲載された[5]。少女漫画家と正体が異種族の姫であるアシスタントが「婚姻関係の契り」を結んだところから展開が描かれるSFラブコメディ[1]。
2023年4月から、本作を原作とするテレビドラマおよびテレビアニメが放送された[6][7]。
あらすじ
少女漫画家・久我一郎(ペンネームは「ここねモモティ」[8])は、父親が亡くなったことをきっかけに、妹や弟を養うために日々懸命に働いていた[9]。彼はある日、アシスタントの五色しおりと出会い、彼女から「私は、流れ星の民の姫。あなたと婚姻関係の契りが結ばれた」と宣言された。
登場人物
声の項は、特筆がなければテレビアニメの声優(テレビドラマの俳優については、#キャストを参照)。
久我家
- 久我 一郎(くが いちろう)
- 声 - 八代拓[10]、村井美里(幼少期・小学生) / 豊永利行(PVでの担当[11])
- 本作の主人公。23歳の男性。高校卒業後に漫画家デビューするも父親が亡くなったため、原稿料と残されたアパートの賃貸料で妹と弟を大学に行かせるまでコツコツと働くことを決意している。漫画家のペンネームは「ここねモモティ」。最初は少年漫画を描いていたが、少女漫画を勧められて『月刊anko』という雑誌で連載している。
- 人に頼ることが苦手でついつい自分で何とかしようと無理をしがち。そのため、しおりには助けが必要なら言ってくださいと言われて、アシスタントの徹夜に付き合ってもらっている。
- アシスタントとして雇ったしおりの棘に触れてしまったことで契約が交わされてしまう。そのため、しおりの意思にかかわらずに支配下におかれるようになってしまい、しおりを傷つけたり逃れたりすると罰を受けることになってしまう。そのため、物理的にしおりと距離が離れるだけで一郎に熱が出てしまったりする。握手などの物理的接触をすれば負担がやわらぐ。また、彼がしおりの許可なく接触するだけで鼻血がでてしまったりする。
- 契約ということで当初はしおりと付き合うなどはダメだと思っていたが、しおりに告白されて自分なりに考えてしおりと付き合うことになる。
- 五色 しおり(ごしき しおり)
- 声 - 和久井優[10] / 小松未可子(PVでの担当[11])
- 本作のヒロイン。一郎の漫画アシスタントとしてやってきた女性。19歳。古い本で勉強したこともあって、アナログの漫画アシスタントとしての腕は高い。19歳まで漫画を読んだことはなかったが、本好きの祖母に見せてもらい、その中で一郎の漫画も読んでいる。
- 宇宙から流れ着いた流れ星の民の姫。祖母が隕石とともにきた微生物と同居することになって、彼女は三代目に当たる。しきたりで棘でつながれたものと婚姻関係が結ばれる。親の選んだ相手と結婚するはずだったが、自由な恋愛に憧れて島を出た。一郎のアシスタントとしてやってきた日、しおりの身体から出ていた棘を「ペンが刺さっている」と勘違いし、取ろうとした一郎が触れてしまって契約が交わされてしまう。契約によって物理的に離れるだけでも一郎に負担がかかることから、一郎のアパートに入居することにする。
- 一郎と一緒に過ごしていく中でこれは恋だと自覚。互いに告白したこともあり、一郎と両思いになって付き合うことになる。
- 島育ちなうえに姫として特別に扱われていたせいか、世間知らずなところがある。しかし、コミュ力は高く一郎よりアパートの住人と仲良くなっていたりしていた。
- まち
- 声 - 遠藤璃菜[10]
- 一郎の妹。非常にしっかりしているが、それだけに現実を見すぎたことや周囲を気にして気に病むこともある繊細な性格でもある。占いが大好きで占い師になりたいと思っている。
- ふみお
- 声 - 長縄まりあ[10]
- 一郎・まちの弟。内気で人見知りが激しいが、親しくなった相手には素直。
久我家の関係者
- 護国 正弘(もりくに まさひろ)
- 声 - 杉田智和[10]
- 漫画編集者。一郎の漫画を担当している。
- 指宿 ちひろ(いぶすき ちひろ)
- 声 - 高橋李依[10]
- 一郎のアパートの住人の一人。一郎のいとこ。16歳。一郎のことが何となく気になっているようで、しおりが彼女だと聞いて少しショックを受け、一郎はお兄ちゃんのようなものだし、と誤魔化していた。
- 護国 桃香(もりくに ももか)
- 声 - 日笠陽子[10]
- 一郎のアパートに以前住んでいた女性。正弘の妻。一郎たちには「もか姉」と呼ばれている。漫画「獅子の拳士(ししのけんし)」の作者で、しおりの憧れの人。ペンネームは「塊肉(かたまりにく)」。旧姓は「爰地(ここち)桃香」。
- 佐野 優大(さの ゆうた)
- 声 - 福山潤
- しおりがアシスタントとしてヘルプに入った漫画家。魔法少女ものの漫画を描いている。一郎一家とは顔見知りでふみおも懐いている。
- 一郎たちの母
- 声 - 水口まつり
- 一郎・まち・ふみおの母親。父親とは離婚しており、すでに新しい家庭を持っている。その関係で一郎たちとは絶縁している状態。
五色家
- 五色 都(ごしき みやこ)
- 声 - きそひろこ
- しおりの母。厳格な性格。娘への愛情はあるが、一族の後継ぎとするべく厳しく育ててしまい仲は良くない。
- 五色 健
- 声 - 長野伸二
- しおりの父。都とは対照的に温和な性格の人物。
- 馬門紅葉
- 声 - 松井恵理子
- 五色家の従者。冷静沈着だが、しおりに対して理解があり味方。五色家に傾倒する傾向にある島の中の人間にしてはかなり客観的に物事を見ている。
- 古牧京吾(こまき けいご)
- 声 - 花井美春
- 五色家の従者。しおりの花婿候補の一人になれるらしく、しおりの花婿になりたいという願望を持っている。それ故に恋敵である一郎のことを快く思っていない。
用語一覧
- 喚姫島(よびじま)
- しおりの故郷の島。
書誌情報
テレビドラマ
2023年4月3日から5月25日まで、NHK総合の「夜ドラ」枠にて放送された[6]。主演は佐野勇斗[6]。本作から定時での再放送が毎週金曜深夜、原則として23:45-24:45(土曜日0:45)に行われるようになった。
あらすじ(テレビドラマ)
キャスト
主要人物
- 久我一郎
- 演 - 佐野勇斗
- 売れない漫画家。幼い妹と弟の面倒をみる。
- 五色しおり
- 演 - 八木莉可子[18]
- 流れ星の民の姫。一郎の漫画に憧れ、彼のアシスタントとしてやってきた。
一郎の関係者
- 久我まち
- 演 - 小山紗愛[19]
- 一郎の妹。
- 久我ふみお
- 演 - 石塚陸翔[19]
- 一郎の弟。
- 護国桃香
- 演 - 北香那[19]
- 売れっ子漫画家。一郎の幼なじみ。第5話から登場。
- 護国正弘
- 演 - 本多力[19]
- 一郎の担当編集者で、桃香の夫。
しおりの関係者
- 五色都
- 演 - 河井青葉[19]
- しおりの母親。
- 五色健
- 演 - 前川泰之[19]
- しおりの父親。
- 馬門紅葉
- 演 - 坂田梨香子[19]
- 流れ星の民。五色家に仕える使者。
- 古牧京吾
- 演 - 藤原大祐[20]
- 五色家に仕える使者。
アパート
- 穂波茉莉花
- 演 - 中田クルミ[19]
- 住人。
- 栗津明
- 演 - 大津尋葵[19]
- 住人。
スタッフ(テレビドラマ)
放送日程
週
|
放送日
|
話
|
サブタイトル[23]
|
脚本
|
演出
|
第1週
|
4月03日
|
一
|
恋愛初心者のふたりが結んだ関係って?
|
三浦有為子
|
岡下慶仁
|
4月04日
|
二
|
流れ星の民の姫だった、彼女。
|
4月05日
|
三
|
ふたりの間の、困った法則。
|
4月06日
|
四
|
協力したい。あなたを知りたい。
|
第2週
|
4月10日
|
五
|
彼女は一郎の幼なじみ。そして…
|
4月11日
|
六
|
ふたりの実験。そして、ついに。
|
4月12日
|
七
|
思いを告げた、そのあとに。
|
4月13日
|
八
|
今夜は、わが家が動物園。
|
第3週
|
4月17日
|
九
|
私たち、お付き合いしてます。
|
三浦有為子 冨山亜里紗
|
熊坂出
|
4月18日
|
十
|
ぼくが彼女にできること。
|
4月19日
|
十一
|
今日は一緒にお墓参り。
|
木原梨花
|
4月20日
|
十二
|
ドラマの中では、クリスマス。
|
第4週
|
4月24日
|
十三
|
ふたり、一緒の朝。
|
三浦有為子
|
|
4月25日
|
十四
|
商店街の奇跡。
|
|
4月26日
|
十五
|
みんなで温泉旅行!
|
|
4月27日
|
十六
|
楽しい時間のあとに。
|
|
第5週
|
5月01日
|
十七
|
だけど、わかってほしくて!
|
木原梨花
|
|
5月02日
|
十八
|
婚姻解除して大丈夫?
|
三浦有為子
|
|
5月03日
|
十九
|
儀式の日です。
|
|
5月04日
|
二十
|
スケートリンクで、ふたりは。
|
|
第6週
|
5月08日
|
二十一
|
悪い知らせが…。
|
木原梨花
|
|
5月09日
|
二十二
|
仕事へ、そしてお互いへの思い。
|
富山亜里紗
|
|
5月10日
|
二十三
|
二人だけのバレンタイン。
|
木原梨花
|
|
5月11日
|
二十四
|
楽しいこと、悲しいこと。
|
三浦有為子
|
|
第7週
|
5月15日
|
二十五
|
入院騒ぎでわかったこと。
|
|
5月16日
|
二十六
|
誕生日がやってくる。
|
木原梨花
|
|
5月17日
|
二十七
|
新人はたいへんです、けど…。
|
三浦有為子
|
|
5月18日
|
二十八
|
その人を思う心。
|
|
第8週
|
5月22日
|
二十九
|
帰ることにしました。
|
|
5月23日
|
三十
|
いよいよ最終週、みんなの着地は?
|
|
5月24日
|
三十一
|
告げたい決意。
|
|
5月25日
|
三十二
|
ありがとう。
|
|
NHK総合 夜ドラ |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
|
おとなりに銀河 (2023年4月3日 - 5月25日)
|
|
テレビアニメ
2023年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送された[7]。
スタッフ(テレビアニメ)
主題歌
- 「となりあわせ」[26]
- 松本千夏によるオープニングテーマ。作詞・作曲は松本千夏、編曲は奈須野新平。
- 「Near Stella」[26]
- 五色しおり(和久井優)によるエンディングテーマ。作詞は工藤寛顕、作曲・編曲はTO-me。
各話リスト
放送局
日本国内 インターネット / 配信期間および配信時間[27]
配信開始日 |
配信時間 |
配信サイト |
2023年4月9日 |
日曜 0:00(土曜深夜) 更新 |
|
2023年4月14日 |
金曜 0:00(木曜深夜) 更新 |
|
2023年4月15日 |
土曜 0:00(金曜深夜) 更新 |
|
2023年4月20日 |
木曜 12:00 更新 |
|
2023年7月1日 |
土曜 0:00(金曜深夜) 更新 |
|
BD
巻 |
発売日[30] |
収録話 |
規格品番
|
BOX |
2023年7月26日 |
第1話 - 第12話 |
KIXA-90966/7
|
脚注
出典
外部リンク