それでも僕は君が好き
『それでも僕は君が好き』(それでもぼくはきみがすき)は、原作:徐誉庭[注釈 1]、漫画:絵本奈央による日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)に、2014年2・3合併号[1]から同年27号まで連載された後、『別冊少年マガジン』の同年8月号[2]から2016年4月号[3]まで連載された。台湾の脚本家・小説家である徐譽庭(スー・ユーティン、英語名Mag Hsu)が著し、2011年12月に出版された小説『馬子們!』(マーズーメン、「彼女たち」)を改編した恋愛オムニバス。 あらすじ法律事務所で働く芹澤は、バイクで帰宅途中に見覚えのある女性とすれ違うが、脇見運転が原因で交通事故に遭う。女性の通報で芹澤は病院に搬送されるが、その日以来携帯電話に女性からの着信が来るようになる。芹澤は、その女性は誰かを突き止めるため、過去の自身の恋愛を振り返る。 中学生時代
中学生の芹澤は、同級生の友人達との罰ゲームで「図書室に入り浸っているぼっち」と噂され、「野ブタ」と呼ばれている女子にメールアドレスを聞くことになる。その時彼女に勧められた本を読んだ事をきっかけに、次第に彼女と仲良くなるが、そのことで友人たちと対立。更に芹澤を心配する野ブタに対しても乱暴な言動を取る。結果、芹澤は野ブタとも友人とも距離を置くこととなる。中学を卒業し、これで中学での出来事はなかったことにできたと思っていた芹澤だったが、以前野ブタから渡されたものの中に、彼女が「一生絶対誰にも見せられない」と言っていた自作の小説が入っているのを見つける。その内容から『ふとした瞬間に「人を傷つけた」記憶は現れ、なかったことにできない』のだと芹澤は深く思い知る。 高校生時代
高校生の芹澤は他校で外国人の女の子と出会う。もう会うこともないだろうと思っていた芹澤は、ひょんなことから彼女と再会する。日本語が理解出来ず孤立する彼女が気がかりな芹澤は、必死に英語を勉強して交流をはかり、彼女の誕生日をきっかけに付き合う事となる。しかし、同級生の古屋の妬みによる悪戯をきっかけに、芹澤は彼女が心を開いてくれていない思いに駆られ爆発し、喧嘩別れの形で交際は解消する。数年後、事故を心配して連絡をくれた古屋により、彼女のそれまでの態度や別れの真相を知る事となる。
高校三年生になり予備校に通い始めた芹澤は数学講師をする大学生「エルメス」に恋をする。彼女と同じ大学に通うことを目標にするものの次第に追い詰められていく芹澤は、予備校で出会った友人にカラオケに誘われることで、焦りを解消する。 大学の合格確率の判定も上がり、エルメスに個別指導してもらう約束も取り付け順調に見えた芹澤だったが、約束に現れたのはエルメスとその彼氏だった。 沈んだ芹澤を励ましてくれたのは、以前もカラオケに誘ってくれた友人。彼から芹澤と同じく片思い中だと打ち明けられる。 友人のおかげで前向きにはなれたものの、大学の合格確率の判定を一つ落とす。そんな中、エルメスと偶然公園で出会った芹澤は、彼女に想いを告白。芹澤を慰めようとエルメスは彼の背中を抱きしめ、無意識ながらも思わせぶりな言葉を発するが、そんな彼女の言動が更に芹澤を傷つける。二人の様子を見かけた生徒により予備校内で噂が広まる。エルメスに懇願された芹澤は彼氏に潔白を証明するが、芹澤を見下し体裁を気にするゆえに彼女を叱責する彼氏に対して、エルメスを幸せにするよう説教をする。予備校の黒板に真相を番書きし、第一志望より更に上のレベルの学校を目指すことを決意した芹澤は、先述の友人から同性愛者であることを打ち明けられたうえで愛の告白をされる。芹澤は気持ちに応えられないことを謝罪し友人関係は継続することを約束する。 大学時代
芹澤は一年間の浪人生活後に第一志望の大学へ入学。苦学生「牧野つくし」と出会い、アルバイトへ向かう牧野をバイクで送ったことをきっかけに仲良くなっていく。一方牧野の後押しもあり、芹澤は友人に誘われた合コンに参加。かねてより芹澤に恋をする山口さんと出会い、クリスマスデートをするなど接近していく。芹澤に対する気持ちを確かめ合ったことをきっかけに牧野と山口さんは友人となり、芹澤を交えた三人行動が増える。ある日、飲み会でその事をからかわれるとともに牧野をいやしめる噂を耳にした芹澤は喧嘩騒ぎを起こす。現場に居合わせた山口さんに対し芹澤は付き合えないと告げるものの、山口さんが泥酔した芹澤を朝まで介抱したことを機に交際と同棲を始める。交際は順調に見えていたが、やがて芹澤の心に潜む牧野への思いを察した山口さんは、肉体関係を結んだ翌朝に告げられた芹澤からの別れを受け入れる。交際解消の情報は周囲に広まり、人間関係のいざこざを経て牧野と交際を始めた芹澤であるが、彼女を守り支えようと奔走するうちに疲れ果て、更に忙しい彼女とのすれ違いが増え孤独を感じるようになっていく。ようやく彼女と会えることになったものの、芹澤の部屋に訪れたのは妹たちを連れた牧野。牧野が借金取りと話し合う間妹たちを預かって欲しいと依頼され、承諾した芹澤であるが、これを機に彼女との関係に限界を悟る。
牧野との破局による傷心で引きこもる芹澤は、古屋に連れ出されラーメン店に行き、そこでアルバイトをする野ブタと再会。更に店長と野ブタがキスをする場面を目撃する。自身が犯したことが今の野ブタの恋愛に影響していると思い込んだ芹澤は過去の出来事を謝罪し、自身についてや本音を語らない彼女に食い下がり、力になろうと連絡先のメモを強引に渡そうとする。しかし野ブタは芹澤を殴り、彼の言動を批判し激怒する。その後も芹澤は野ブタを待ち伏せ謝罪するが、無視を続けられる。やがて野ブタは店長とともに出勤するようになり、芹澤が近づく隙が無くなる。野ブタから嫌味まじりに詫びられた芹澤は、自身の行動についてキザで何の役にも立たなかったと痛感する。
芹澤は、古屋の遊び仲間に加わろうとクラブに行き、同じく失恋したばかりの亜美をナンパする。しかし一夜を共にした亜美から仲間に性癖を言いふらされた芹澤は、遊び仲間と縁を切り勉強に集中する。一方で弁護士を目指して法律事務所にインターンで働く中、28歳の独身OL「サムスン」と知り合う。芹沢はサムスンに惹かれていき格好つけながら彼女にアタックするが、彼女は芹澤を子供扱いし、都合の良い遊び相手と考える。そんな気持ちのすれ違いから、一時は彼女に距離を置くも、偶然再会して本音をぶつけ合ったことを機に交際を始める。司法試験受験の厳しい現実やサムスンに釣り合う男になりたいと考えた芹澤は、弁護士を諦め企業への就職活動を始め、やがて彼女との結婚を意識するようになる。しかしサムスンは、就職活動に悪戦苦闘する芹澤を見守りながら、彼との結婚について先が読めず不安に駆られていた。ようやく芹澤が内定を得た時、サムスンは芹澤に一方的に別れを告げ、連絡手段を一切断ち姿を消す。 社会人時代
大学卒業後、芹澤は就職先の社長の娘「奈々」に呼び出され、友人が作った曲を盗作したレコード会社を訴えたいと相談される。そして彼女の友人でアマチュアシンガーソングライター「ナナ」を紹介される。 ナナは当初、訴訟に乗り気でなかったが、奈々が自身のブログに書き込み、レコード会社から名誉毀損での訴訟を通告されたことを機に協力する。しかし、盗作の証拠を集める中で芹澤とナナは喧嘩となり、ナナは再び協力を拒むようになる。その後、レコード会社側から理由を告げずに訴訟を取り下げられ騒動は収束する。 この件で奈々との接触が増え、彼女に好意を持たれた芹澤は、社長に命じられ奈々と交際を始める。ある日、奈々とのデートに向かう途中に芹澤は虚ろな様子のナナと出会う。奈々を訴訟に巻き込みたくないナナは、レコード会社が曲の版権を買う代わりに7年間のリリース権を貰う条件で和解したものの、他者が作った曲を歌うことを強要されて上手くいかず、更にファンからも苦言され、心が折れ荒んでいた。ナナは芹澤を誘惑するも、芹澤は彼女を振り切り奈々の元に向かう。以来、気まずい芹澤の態度にやきもきした奈々は結婚を急かす。奈々との明るい結婚生活や未来が見えながらも、お姫様育ちの彼女の性質を目の当たりにし戸惑いながら芹澤は、体調不良で助けを求めるナナの元に駆けつける。しかし、芹澤を尾行した奈々に、ナナにキスされ迫られている現場を目撃される。拒もうとしたとはいえ少なくともナナへの下心があったと自覚した芹澤は、後日会社へ退職届を提出する。 主な登場人物
芹澤を取り巻く女性たち
芹澤の友人
芹澤の家族
書誌情報
テレビドラマ2015年9月29日から10月2日まで、各日とも0時25分 - 0時55分(9月28日から10月1日の深夜。JST、以下略。10月1日のみ0時50分 - 1時20分)に4夜連続でフジテレビ系の深夜ドラマで、小出恵介主演で放送された[12]。[13] キャスト
スタッフ
ネット局
脚注注釈出典
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