みやざきフェニックス・リーグ
みやざきフェニックス・リーグは、毎年10月に宮崎県で開催される日本のプロ野球の教育リーグのひとつ。 概要年2回開催される教育リーグのうち10月のファーム日本選手権終了直後から2-3週間にわたって開催されるいわゆる「秋季リーグ」。過ぎたシーズンを反省して、チーム及び個人の課題を明らかにし、翌シーズンに向けてその克服を目指すのと併せて、公式戦で出番が少なかった若手選手を積極的に起用し、試合を通じて若い選手を育てることを大きな目的としている(リーグパンフレットより)。そのため、各球団は概ね二軍の監督・コーチ陣が指揮を執り、帯同するのはおもに若手選手のみだが、2004年以降、プレーオフ・クライマックスシリーズが導入されたことから、一軍がクライマックスシリーズに進出したチームは、リーグ前半は調整のために一軍の監督・コーチが指揮を執り、主力クラスの選手を出場させるチームも多い[1]。また、2012年に日本代表チーム(侍ジャパン)が常設されて以降は、シーズン終了後に開催される国際大会に出場する日本代表選手が調整のためフェニックス・リーグに参加することも増えている。2017年には、自身の監督初采配となる「2017 アジア プロ野球チャンピオンシップ」を控えた侍ジャパン監督の稲葉篤紀が監督経験を積むため、現役時代に所属した日本ハムの10月25日、26日の試合で指揮を執った[2]。 勝敗はあまり重視されないが、毎年優勝チームを決定しており、優勝チームには賞品として宮崎牛などが贈呈される[3]。特にオリックスは2008年 - 2010年(2008年は前身のサーパス)に三連覇している。フェニックス・リーグに出場した翌年に一軍に定着する選手は多く、いきなりタイトルを獲得する者も少なくない(中村剛也、T-岡田、山田哲人など)。 2016年からはスポナビライブ(終了)やイージースポーツ(旧イレブンスポーツ)、阪神の球団公式動画配信サービス「虎テレ」、パ・リーグのライブ配信サイト「パ・リーグTV」などで一部試合のインターネット配信が行われており、2019年以降はBSスカパーなどで一部試合がテレビ中継されている。 基本的にフェニックス・リーグ期間内はイースタン・リーグ同士、ウエスタン・リーグ同士のカードは組まれていなかったが、2020年以降NPB12球団のみの参加となったことで、ウエスタンのチームと対戦しないイースタンのチームが2チーム出るため、イースタン同士のカードが1日1試合組まれている。また、宮崎県内でキャンプを行っている球団は自身がキャンプを行う球場で多くの試合が組まれる。全試合入場無料。開催期間中は地元ファンとの交流イベントや野球教室に力を入れている。なお、新型コロナウイルスの感染が拡大し、一軍レギュラーシーズンの試合も観客数を制限した2020年、2021年は無観客試合で開催された。また、試合予定のない日には練習試合が組まれることもあり、2019年には「2019 WBSCプレミア12」に向けて宮崎で一次合宿中の侍ジャパンが、フェニックス・リーグ出場中の日本ハム、オリックスと練習試合を行った[4]。主催は一般社団法人日本野球機構、イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグ、みやざきフェニックス・リーグ支援実行委員会。 沿革1990年から「秋季教育リーグ」や「ハイサイ・沖縄リーグ」、高知県での「黒潮リーグ」「よさこいリーグ」、関東近郊での「コスモス・リーグ」など開催地や名称、参加球団などさまざまな枠組みで続いてきた教育リーグが、2004年から「フェニックス・リーグ」として当時のイースタン・リーグ6球団によりスタート[5]。名称は全国公募案の約300から選考を行い、「フェニックス・リーグ」に決定した。「フェニックス」は宮崎県の県木で県内至る所に植樹されており、「フェニックス」の「不死鳥」という意味も、当該リーグで明日のプロ野球界を担う若手選手が厳しい練習に耐えて大きく羽ばたくという願いが込められている[6]。 2005年からはウエスタン・リーグの球団も参加し、10年ぶりに12球団での秋季教育リーグ開催となった。2006年からは韓国プロ野球の球団、2007年から四国アイランドリーグの選抜チーム[5]、2009年はNPB混成チーム・フューチャーズが参加し、16球団まで拡大した[5]。 2020年と2021年は韓国プロ野球の球団は不参加となり、NPB12球団のみでの開催に戻るが、2022年には四国アイランドリーグplus選抜が3年ぶりに復帰したのに加えて日本独立リーグ野球機構選抜(対象は四国IL以外のリーグ)が初参加[7][8]。2023年は韓国プロ野球も選抜チームを2チーム送り込む形で復帰し、24年は単一球団が参加する形に戻った。 また、2024年にはファームリーグ拡大により両リーグ1球団ずつが新規参入したが、ウエスタン・リーグに新規参入したくふうハヤテベンチャーズ静岡がこの年からフェニックスリーグにも初参加した[9]。一方、イースタン・リーグに参入したオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブは、四国アイランドリーグplus選抜チームに選手およびコーチが加わる形で参加した[10]。 2009年にリーグを全国へ発信するため「みやざきフェニックス・リーグ」に名称を変更した[6]。2016年まで開催年が名称に付与されていたが、2017年より2004年を第1回として開催回数が付与されている(2017年は「第14回みやざきフェニックス・リーグ」)。
各年度本塁打王2009年以降、2012年と2015年を除き宮崎市観光協会のフェニックス・リーグ公式ホームページより本塁打王も発表されている(NPBの公式な表彰ではない)。
試合会場現在の試合会場過去に使用されたことのある会場
特別ルール
その他の特例はメンバー表交換前に対戦チーム間、審判員との協議が必要である。また、この特例については場内アナウンスでも告知する。 2004年には以下の指名代走制度があった。
2024年、ソフトボールで導入されている一塁のダブルベースが試験導入された[17] 開催期間中の一日の流れ
出場選手の資格10月1日時点(2020年のみ11月1日)で支配下選手(育成選手)として登録されている選手。
監督・コーチの資格所属球団から監督、コーチとしてリーグに登録承認済みの者(フェニックス・リーグから帯同する新監督・新コーチ等は、その都度リーグに届出なければならない)。 審判員NPB審判員、KBO審判員、四国アイランドリーグplus審判員、BCリーグ審判員 脚注注釈
出典
外部リンク
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