オービタル (Orbital)は、イギリス のテクノ ユニットである。フィル・ハートノル、ポール・ハートノルのハートノル兄弟によって結成された。アンダーワールド 、ケミカル・ブラザーズ 、プロディジー らと並び、1990年代のテクノシーンを代表するアーティストのひとつである。ライヴではライト付きの電飾メガネを付けてプレイするのが大きな特徴。
経歴
ユニットのロゴ
1989年 にイギリス で結成。1990年 にリリースしたシングルChime で一躍シーンにその名が知られ、また同曲は数多くのアーティストにリサンプリング されるなどデビュー初期からシーンに大きな影響を与えるアーティストとなる。1991年 に初のアルバムOrbital をリリース。1993年 にも同名のアルバムがリリースされる。この2つのアルバムはジャケットの色から1991年リリースのものをグリーンアルバム、1993年リリースのものをブラウンアルバムと呼びわけたり、またはリリースされた順にOrbital 、Orbital 2 などと呼ばれている。本人達は来日時、ドミューンでの出演で2枚目のアルバム名はオービタルプラス だと言っている。ブラウンアルバムにはLush、Impact、「ハルシオン 」(Halcyon+on+on)など、バンドを代表する曲が多数収録されており、単なるダンスツールとしてだけではなく、アナログシンセサイザーによる重厚かつメロディアスに重なり合う旋律の構成は、極めて音楽性が高く、これによりシーンにおけるバンドの評価が確立することとなる。
彼らはローランド TB-303 の優れた使い手でもあり、1993年 前後のアシッドハウス リバイバルの立役者としても重要なポジションにある。本人達は結成当初の第一次アシッドハウスムーブメントの頃に始まり、初期のブームが沈静化したあともTB-303を好んで使い続けており、時折友人らから「アシッドは終わったんだ。303の音を控えてみてはどうだろうか」と意見されても、そのスタンスは崩さなかったと語っている。
1994年 のアルバムSnivilisation 以降、1995年にHalcyon+on+on が映画ハッカーのサウンドトラック に使われてからは映画への曲提供も増えるようになり、1996年 のアルバムIn Sides 収録のThe Box や、ヴァル・キルマー主演の同名映画のテーマThe Saint 、2000年 にはレオナルド・ディカプリオ 主演のザ・ビーチ への曲提供、2003年 には映画Octane のサントラアルバムを担当するなどした。ゲームへの曲提供も行われ、1995年にはP. E. T. R. O. L をワイプアウト のゲーム中の曲として提供している。
2002年 にベスト・アルバム Work 1989-2002 をリリース。そして前述のOctaneサントラリリース後の2004年 6月に、最後のアルバムとなるBlue Album をリリース。全て新曲であるが、それまでのバンドの活動を辿るかのように、各時期ごとの特徴を持った曲で構成されていた。そして同年のWIRE 出演を最後に活動を終了した。
なお、2007年 にはフィル・ハートノルはNick Smithと共に新ユニットLong Rangeを、ポール・ハートノルはソロ活動をそれぞれ開始している。
2009年 に活動を再開し、同年開かれる多くのフェスでヘッドライナーを務めることが決まっている。
2014年 に再解散したことをオフィシャルサイト で発表。
2017年 2月再結成を発表。
ディスコグラフィー
アルバム
シングル / EP
外部リンク