ザ・ビーチ
『ザ・ビーチ』(原題:The Beach)は、アレックス・ガーランドの小説、またはそれを元にした2000年のアメリカ映画。 『タイタニック』で一世を風靡したレオナルド・ディカプリオが、次に何に出るか、100本以上のオファーを蹴ってまで、出演を決めた異色作である。 あらすじ何かを求めるように、一人旅でタイにやってきたリチャード(レオナルド・ディカプリオ)だが、新しい事をしようとしても、結局、同じ事の繰り返し。そんな時、カオサン通りの安宿でダフィという奇妙な男と知り合う。ダフィは伝説のビーチについて、とり憑かれたように語る。そこは、美しすぎるほどに美しく、日常の全てから解放される夢の楽園。だが、その翌日、ビーチの場所を記した地図を残し、ダフィは変死していた。ビーチの存在に半信半疑なリチャードだったが、ダフィの死をきっかけに、隣室にいたフランス人のカップル、フランソワーズとエティエンヌと共に、楽園を探す旅へ出かける事になる。 その島へ近づくため、とりあえず観光ルートをたどる事になるが、さらに、その道中で知り合ったサミーとゼフからも、今、タイで密かに流行っている伝説のビーチの噂を聞かされる。そのビーチは、外界からは完全に遮断された場所にあり、真っ白な砂浜に、どこまでも透き通った綺麗な海、しかも、大麻が大量に茂っていて、朝から晩まで吸い放題だという。冗談めかして話す二人だったが、地図を持つリチャードは、彼らと別れる前に、こっそり、楽園への行き方を記した地図を書き映して置いていく。その事が、後に思ったよりも恐ろしい事態を招く事に気づくよしもなかった。
キャスト
原作小説との違いリーダーのサルやフランソワーズの人物描写がかなりの部分で違う。また、ジェドという人物と、その活躍が全て削られている。 ライスランでは、キーティが電池を買ってきてもらって喜んでいたが、原作では、電池がタイ製であった事に文句を言っていた。 原作の日本語訳
撮影時のトラブルロケーション撮影が行われたタイのピーピー諸島は、撮影以前から進んでいた観光開発により環境破壊が危惧されていた地域であった。そこに、映画の撮影で砂浜の造成やヤシを植える予定が発表されたことから、タイ政府による抗議を受けることになった。結果的に、撮影条件として原状回復措置を図ることが盛り込まれることで折り合い、実際に撮影終了後には砂浜の撤去などが莫大な費用を掛けて実行された。外界から遮断された設定なので、コンピュータグラフィックス(CG)を用いて閉じたような風景であるが、実際のピピ島は、映画のように遮断されていない。 その後映画公開後、一時は1日6000人もの観光客が撮影地を訪れるようになった[3]。2018年、タイ国立公園局はサンゴ礁保護を目的に、6月-9月の観光シーズンにかけてマヤ湾を閉鎖するなどの措置を講じた[4]。観光客受け入れは2022年に再開されたが、人数が制限されている[3]。 タイの最高裁判所は2022年9月13日、タイ政府に原状回復の計画提出を命じた[3]。 サウンドトラックこの映画で使用されサントラは評価が高く、モービー(Moby) 「ポルセリン(Porcelain)」、オール・セインツ(All Saints)「ピュア・ショアーズ(Pure Shores)」やニュー・オーダー(New Order)の「ブルータル(Brutal)」、ダリオG(dario G)の「ヴォイセス(voices)」などが収録されている。特にオール・セインツの「ピュア・ショアーズ」は2000年2月20日から2週連続で全英シングルチャート第1位に輝き、ポルセリン(Porcelain)が収録されたモービーの1999年のアルバム『Play』は1000万枚を超えるヒットとなった。映画の映像美の評価も相まって、本編をPV扱いにした、などと評されるほどだった。
脚注
外部リンク |