オール・シュック・アップ
『オール・シュック・アップ』(All Shook Up)は、チープ・トリックが1980年に発表した5作目のスタジオ・アルバム。 背景『蒼ざめたハイウェイ』(1977年)以降のスタジオ・アルバムをプロデュースしてきたトム・ワーマンが外されて、ビートルズとの仕事で知られるジョージ・マーティン(プロデューサー)及びジェフ・エメリック(レコーディング・エンジニア)が起用された[1]。ただし、バン・E・カルロスによれば、レコード会社の方はプロデューサーの変更に対し否定的だったという[1]。「ストップ・ディス・ゲーム」は、当初は「Can't Stop the Music」というタイトルだったが、ヴィレッジ・ピープルを題材とした映画『ミュージック・ミュージック』(原題: Can't Stop the Music)との混同を避けるために改題された[1]。 本作リリース前の1980年8月25日、トム・ピーターソンがバンドを脱退した[5]。 反響バンドの母国アメリカでは、Billboard 200で24位に達し、バンドにとって4作目の全米トップ40アルバム(EPを含む)となった[4]。また、シングル「ストップ・ディス・ゲーム」はBillboard Hot 100で48位を記録した[4]。日本盤LPは1980年11月1日に発売され、オリコンLPチャートでは6週トップ100入りし、最高21位を記録した[3]。 評価スチュワート・メイソンはオールミュージックにおいて5点満点中2点を付け「チープ・トリック史上初の、全く面白くないアルバム」「T・レックスの一連のヒット曲を想起させるであろう"Baby Loves to Rock"は歓迎すべき曲だが、このアルバムを救うには至っていない」と批判している[6]。一方、David Frickeは1981年3月19日付の『ローリング・ストーン』誌のレビューで5点満点中4点を付け「サウンド及び激情は、バンドが1977年に発表したデビュー・アルバムの、無骨なヘヴィメタルがゴリゴリする様に近い」「チープ・トリックは単に新たなビートルズというだけでなく、ザ・ムーブやエレクトリック・ライト・オーケストラが引き継いできたビートルズ的な英国ポップの伝統と、ザ・フーやヤードバーズに通じるハードロックを、長きにわたり魂を込めて継承してきた一連の流れの最新版である」と評している[7]。また、渋谷陽一は本作の日本盤LPのライナーノーツにおいて「先祖帰りともいえる内容になっている。一枚目の音に近いのだ」と評している[8]。 収録曲特記なき楽曲はリック・ニールセン作。
2006年リマスターCDボーナス・トラック
参加ミュージシャン脚注・出典
Information related to オール・シュック・アップ |