『キャッスルヴァニア』(北米: Castlevania: Lament of Innocence、欧州: Castlevania)は、コナミから2003年11月27日に発売されたPlayStation 2用ソフトのアクションゲーム。
概要
PlayStation 2での悪魔城ドラキュラシリーズ1作目。『悪魔城ドラキュラ黙示録』『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝 LEGEND OF CORNELL』に続くシリーズ3作目の3Dアクション。サブタイトルは日本版にはなかったが、北米版では「Lament of Innocence」であり、後に日本の携帯電話アプリで配信された本作のコミカライズ版でも「ラメントオブイノセンス」というサブタイトルが付いた。ゲームシステムは全7ステージで、はじめ5つのステージを自由な順番でクリアし、その後に最終ステージに進む構成(過去に行ったエリアにもまた行ける。なお残りの1ステージはごく短い)。同じ3Dアクションでも前作黙示録とはタイプが違っていて、3D地形やジャンプのアクションは少なくなり、敵との戦闘がメインで進行する。アイテム取得による成長要素もあり、アクションRPGの要素も含む。「ムチゲー」という新たなジャンルになり、悪魔城の世界が生まれ変わっている[1]。舞台は11世紀で発売当時最古であり(シリーズ最古の時代の作品は「キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ」)、主人公はレオン・ベルモンドとなり、ヴァンパイアキラー誕生とヴァンパイアとの戦いの因縁が始まる[2]。
ストーリーシナリオ・プロデュースは五十嵐孝司、ディレクターは武田長、BGM作曲は山根ミチル、キャラクターイラストは小島文美。キャラクターイメージとしてタレント(芸能人)のソニンが起用され、プロモーションビデオやテレビCM、ゲームの限定版特典などで主人公レオンに扮して出演した。本作のキャッチコピーは「怒涛のムチ攻め」。鞭による多彩な攻撃アクションというのが本作の売りであった。通常版以外に限定版も同時発売され、限定版には複製原画、カレンダー、ゲーム中の楽曲を数曲収録したCDが付属。一部のゲーム販売店では購入特典として本作の絵柄のテレホンカードやバンダナがもらえた。
システム
3人称視点の3Dアクションで、カメラ位置はマップが切り替わる度に変わる。パワーアップ方法はHPmaxアップやMPmaxアップといったアイテムでのステータス強化、魔道器や新しい鞭の取得で強化されるほか、敵を倒すうちに鞭を使ったコンボや飛び蹴りなどの戦闘アクションも習得していく。基本武器は鞭だけであるが、攻撃方法は鞭のほかにサブウェポンとオーブというアイテム、一部攻撃用の魔導器がある。ハートを消費してサブウェポン、MPを消費して魔導器を使用できる。サブウェポンにオーブを組み合わせる事で属性が付与され、攻撃方法と威力、消費コストが変化する。属性は炎・氷・雷・聖で、相性はサブウェポンの数だけある。
ガードというシステムもあり敵の攻撃をある程度ガードで防げる。攻撃直前の瞬間にガードするとパーフェクトガードとなり、攻撃を防いだうえMPが一定量回復する。一部の特殊攻撃をガードしてもMPが回復し、魔導器を使用できるようになる。アイテムの使用や変更などはアクションプレイ中に実行できる「リアルタイムウィンドウ」で行える(メニューからは使用できない)。オーブや魔導器の選択などを円滑に行うためのディスク状のカーソル「サークルウィンドウ」もある。
冒頭チュートリアルステージの後に、任意の攻略順な5つのステージの選択制となり、5つのステージのボスを全て倒しクリアすると、最終ステージに進む。ステージ内の途中で他のステージにつながっていることはなく、各ステージはそれぞれ独立しているが、最初の基点に戻れば過去に行った他のステージに再び行くことも可能。各ステージ内はフロア(部屋)構成になっており、ある程度の広さのフロア同士が扉や通路で連続してつながっている。各フロアには、出入り口が防がれフロア内の全ての敵を倒さなければ進めない所や、スイッチを作動させたり特定のアイテムを入手するなどの条件を満たさないと進めない場所もある。ステージの目的はボスを倒すことで、ボスのいるフロアはステージ最深部のドクロマークの赤い扉になっている。
ゲーム中に特定の条件を満たすと、レオンは新たなアクションを習得する。または、解説のメッセージによって既に身に付けていたアクションの存在が明かされる。新しいアイテムを取ったり、特定の敵を倒したり、初めての場所に移動したりすることで、画面に解説メッセージが表示されることがある。その時には解説されたアクションを実際に試せるシチュエーションが用意されている。[3]
武器
- メインウェポン
- 錬金術の鞭
- 炎の鞭
- 氷の鞭
- 雷の鞭
- ヴァンパイアキラー
- サブウェポン
※オーブを組合せる事で攻撃が変化する
- オーブ
- レッドオーブ
- ブルーオーブ
- イエローオーブ
- パープルオーブ
- グリーンオーブ
- ホワイトオーブ
- ブラックオーブ
隠し要素・クリア後の追加要素
本編をゲームクリアするとプレイできるおまけモード
- ボス敵のヨアヒムを主人公として操作できるおまけモード。身の周りに浮かぶ5本の剣とそれを用いた特殊攻撃を行う。本編で特殊な移動をしていた場所には普通の足場が置かれており、一部の敵の名称も変化する。
- ヨアヒムモードクリア後にプレイできるおまけモードで、少々コミカルな謎のかぼちゃ型モンスターを主人公として操作できる。このモンスターの名称はパンプキンまたはかぼちゃくんで[4]、パンプキンモードのみのオリジナルキャラでありゲーム本編には登場しない。プレイ動作は基本的にはレオンと同じだが、メインウェポンはヴァンパイアキラーで、サブウェポンは専用のかぼちゃ。
- 高難易度となったモード。
キャラクター
- レオン・ベルモンド(声:神奈延年) - 本作の主人公。騎士団最強とされ爵位をもった貴族の騎士だった。サラを救うためヴァルターのヴァンパイアの城へ向かう。
- サラ・トラントゥール(声:冬馬由美) - ヴァルターに捕えられた本作のヒロイン。
- マティアス・クロンクビスト(声:風間信彦) - 主人公の親友、レオンと同じ騎士団に所属する、レオンにサラがヴァンパイアにさらわれたと告げる。
- リナルド・ガンドルフィー(声:柴田秀勝) - 錬金術を用いた道具を生成する職人。ゲーム中でのアイテム屋。
- ヴァルター・ベルンハルト(声:岸野幸正) - 戯れにサラを誘拐したヴァンパイア。永遠の夜の城の主。
- ヨアヒム・アルムスター(声:神谷浩史) - ヴァルターにヴァンパイアにされた元人間。
- サキュバス(声:北浜晴子) - ヴァルターの配下の夢魔。
- メデューサ(声:北浜晴子) - 永遠の夜の城に棲む蛇頭の魔物。
- 死神(声:佐藤正治) - 死を司る魔物。
ステージ
全7ステージで構成。「城入り口」は最初のチュートリアルで、その後5つのステージを順番は自由に選択して全てクリアすると、最終ステージ「魔天朧月宮」(下記表の選択制5ステージの順番は攻略本・サントラCDと同じ順で表記)。なお「永久拷問牢獄」は強大なボスのみの短い自由攻略ステージでゲームクリアに必須ではない。
Stage |
BGM |
中ボス |
ボス
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城入り口
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黒き深淵への序章 |
- |
-
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反魂秘術研究棟
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反魂秘術研究棟 |
フレイムエレメンタル |
ゴーレム
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刻忘れし庭園
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刻忘れし庭園 |
サンダーエレメンタル |
メディウサ
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霧の夜景画
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聖骸共鳴院
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聖骸共鳴院 |
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アンデッドパラサイト
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闇に魅せられし彫像
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地下瀑布迷宮
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地下瀑布迷宮 |
ドッペルゲンガー[5] |
ヨアヒム[6]
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フロストエレメンタル
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喝采なき奏楽堂
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喝采なき奏楽堂 |
- |
サキュバス
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夢魔のアリア
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魔天朧月宮
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魔天朧月宮 |
ドッペルゲンガー[5] |
ヴァルター
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真実の嘆き |
死神
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永久拷問牢獄
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忘れ去られし者
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関連商品
- CD「キャッスルヴァニア オリジナルサウンドトラック」
- 攻略本「キャッスルヴァニア 公式攻略ガイド」
- 攻略本「キャッスルヴァニア 公式ガイドブック」
- 攻略本「キャッスルヴァニア コナミ公式パーフェクトガイド」
コミック
本作のデジタルコミックが携帯電話にて『悪魔城ドラキュラ ラメント オブ イノセンス』というタイトルで、コナミの携帯電話コンテンツ配信ウェブサイトのコナミネットのデジタルコミックス内で配信された。毎週金曜日配信、2007年2月2日 - 6月29日第1部21話、11月9日 - 2008年4月11日第2部42話。原作:秋月弓、漫画:榊田紅尾。ゲーム版のストーリーを補完する内容であり、リーザというオリジナルキャラなども登場する。
出典・脚注
- ^ コナミ悪魔城ドラキュラポータルサイト「Castlevania」(PS2)より[1]
- ^ ゲームアーカイブス「キャッスルヴァニア」(PS2)内容紹介より[2]
- ^ a b 『電撃PlayStation Vol.252』メディアワークス、2003年10月31日、84,85,86,87,頁。
- ^ 本作のサウンドトラックには「かぼちゃくんの休日」という曲もある
- ^ a b ヨアヒム、パンプキンモードでの名称はレオンフェイク。
- ^ ヨアヒムモードでの名称はドッペルゲンガー。
外部リンク
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