ギル (ストリートファイター)ギル プロフィール ギル (Gill) は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIII』シリーズなどに登場する架空の人物。 キャラクター設定紀元前のはるか昔から世界を支配している、謎の秘密結社の総統(後に「天帝」となる)。西暦2200年の地球上に理想の世界を作り上げようとしている。自らを、神の如き尊い存在であると自負し、勝利時のメッセージでは相手を諭すように理知的な話し方をする。なお初代『ストIII』と『2nd』以降では口調が異なり、主に初代『ストリートファイターIII』(以下『ストIII』と表記)の時は高慢な話し方であった(例:二人称を「貴様」と呼ぶ)が、『2nd IMPACT』以降は先述のように穏やかな話し方(例:二人称を「君」と呼ぶ)である。プロフィールによれば、名前以外は全て「不明」である[2]。 ギルの国籍は不明だが、初代『ストIII』では地中海をホームステージにしている。『2nd IMPACT』以降のホームステージでは、顔全体を覆う頭巾をかぶった部下たちが背景に登場する。また『ストリートファイターV』(以下『ストV』と表記)のホームステージは「Sun chase moon」で、中央のバベルの塔を境に日月が照らす構成である。 対戦後の勝利メッセージは日本語だが、対戦中に発する言語は英語である。 『ストIII』シリーズの前日談にあたる『ストV』にも登場し、ゼネラルストーリーのエンディングではユリアンの配下であったヘレン[3]の正体がコーリン[4]であることが判明する。コーリンのストーリーモードでは、ギルは戦争で故郷を無くした彼女を雇い入れている。のちに第4期の追加プレイアブルキャラクターとして、2019年12月16日に配信された。 身体の特徴普段はローブを着用しているが、闘いの際には褌のような着衣のみの姿となる。中平正彦の『RYU FINAL』では普段は長身の白人だが、闘いの際に体が変色する描写がある。 体の色は正中線を境に左右で異なり、右半身は赤色、左半身は青色(この配色はゲーム中で向きが変わっても入れ替わることはない)。そして右半身と左半身で使用できる能力がそれぞれ異なる。右半身は炎の力、左半身は氷の力を自由自在に操り、通常技の強攻撃を当てると、(左から当てれば)相手の体を燃やし、(右から当てれば)凍らせることができる。また、戦闘中にレバーニュートラルにしておくと、ギルの体から炎や氷が現れては消える。 『3rd STRIKE』では、リザレクション発動中や敗北時を除き、身体が常に点滅している。 ボスキャラクターとして『ストリートファイターIII』シリーズにおいてボスキャラクターを務める。初代では全キャラクター共通の最終ボスであったが、『2nd IMPACT』ではキャラクターごとに最終ボスが個別に設定されており、最終ボスとは限らなくなった。その場合、その1つ前で対戦することになるため、どのキャラクターを使っていてもエンディングへ進む過程で必ずギルと戦うことになる。『3rd』で再び全キャラクター共通の最終ボスとなったが、対ギル戦の直前に会話を交わすキャラクターがいる(ユリアン、ユン)。 家庭用の対CPU戦でギルを使用して進むと、最終ボスは初代『ストIII』では自身との同キャラ対戦、『2nd』ではユリアン、『3rd』ではアレックスとなっている。 『2nd IMPACT』にて、特定の条件を満たすと真・豪鬼が現われる。この真・豪鬼を倒すと、キャラクター別のエンディングは流れず、スタッフロールが流れる。その背景にはギルが倒れており、それが終わると起き上がってポーズをとりながら身体を発光させる。 『ストV』では、アーケードモードの『III』コースの最終ボスとして登場。プレイヤーが使用できるものより性能が大幅に強化されており、2つのVトリガーが常時解放状態で全てのVトリガー専用技が使用可能。CPU専用技として『ストIII』仕様の「メテオストライク」と「リザレクション」も使用する。また、『3rd』の時と同様に身体が常に点滅している。 他キャラクターとの関係コーリンは彼の秘書であり、時系列が『ストIII』シリーズの前である『ストV』ではロシア風の防寒服を着た「ヘレン」という女性の姿でユリアンの秘書として登場する。書物の予言の通りに「組織の技術を与えて復活させた戦士にシャドルーを壊滅させる」使命を受けており、ナッシュ、ハン・ジュリ、ラシードを利用するが、ベガを倒したのは復活させたナッシュではなくリュウであった。ギルは「多少の誤差は仕方のないこと」と言い、ヘレンをコーリンの姿に戻した。 かつてアレックスの同居人にして恩人でもあるトムをストリートファイトで倒したことがあり、アレックスが世界を廻るきっかけを作った。 初代『ストIII』と『2nd』では、かつてダッドリーの父の所有物であったジャガーを所有していたために対戦を挑まれた。ギルは敗北後にダッドリーにジャガーを返還している。ギルはこの車を「良い車」と評価している。 いぶきはギルが所有している「Gファイル」の獲得を目指しており、ギルに戦いを挑む。彼女のエンディングでは、ギルは彼女に「Gファイル」を渡しているが、「これを見たところで、誰にも何もできない」「よく読んで宿題の手本にでもしてくれ」と言い放つ。また「Gファイル」は彼女に渡したもの以外にも続きがあり、『3rd』での勝利台詞によれば「あと2万冊はある」と明かしている。 初代『ストIII』と『2nd』では実験体1号だったネクロと、同じく実験体でネクロの恋人・エフィーに組織から脱走されている。彼らの情報の漏洩はギルの組織にとっては都合が悪いため、彼らの捕獲・抹殺を試みている。なお、前述のダッドリーといぶきについては対戦前の約束を守っていたが、ネクロについては約束を守らず、彼らを抹殺しようとしている。 弟のユリアンは、ギルとともに幼少の頃から総統候補として英才教育を受けてきた。しかし、「情緒不安定」「弟である」という理由から、兄のギルが総統に選抜される。これにより、ユリアンは副総統の座に甘んじることになり、その屈辱ゆえギルは弟から激しい憎悪と殺意を向けられている。 『2nd IMPACT』でヒューゴーの最終ボスとして登場した場合のエンディングでは、「束の間の戯れ」としてヒューゴーと組んでCWAのタッグトーナメントに出場している。タッグ名は「ラグナロクウィナーズ」で、ギルは「再生と破壊の帝王」と紹介されている(ヒューゴーは「世紀の大巨人」)。『3rd STRIKE』のヒューゴーのエンディングではヒューゴーが打ち負かした他のキャラクターと同じようにH.W.A.(ヒュージ・レスリング・アーミー)に参加している様子が描かれている。その際、観客に対して笑顔で応えている。 ゲーム上の特徴全作品を通じてアーケード版では使用不可能(『3rd STRIKE』でトゥエルヴを使用した場合、ギル戦でスーパーアーツ(以下『SA』と表記)の「X.C.O.P.Y.」を使用することにより、ギルのSAを除いた技を使用可能。家庭用では、特定の条件を満たすことで使用できる。家庭用オリジナルの要素として、対同キャラ対戦時の勝利台詞とエンディングも追加されている。 格闘スタイルは弟のユリアンとほぼ同じで、通常技のモーションもユリアンと同じものが多いが、全体的にユリアンよりも隙が小さく、攻撃力も高い。とりわけ通常技の強攻撃は、威力の高さもさることながら、ガードされても相手の体力を削る能力を持つ。必殺技も高性能なものが揃っており、ボスキャラクターに相応しい圧倒的な強さを誇る。 カプコンのスタッフは『3rd』のギルについて、「ギルは今回えげつないスーパーアーツを備えました。脅威の全方位攻撃を出されないように上手く倒して下さい。健闘を期待します」「ギルは今回、『天帝』として現れました。『人を超越した者』として。その名にふさわしく今回はかなり手強いです。全画面攻撃までします。演出面でも『神々しさ』にこだわった作りをしました」と述べている[5]。 『ストV』では、キャラクターの向きによって攻撃効果が変わることが無くなり、1P側と2P側のどちら側からでも炎と氷の技の使い分けができるようになった。また、「反属性」と呼ばれる固有のシステムが追加。特定の攻撃をヒットさせると「炎やられ」および「氷やられ」という特殊な効果が付与され、付与させた属性と反対の属性の技(「炎やられ」なら氷属性)で攻撃すると通常とは異なるヒット効果が発生する。 技の解説通常技『ストIII』シリーズでの技名称を掲載。立ち状態の遠近およびジャンプ状態の垂斜の区別はない。強属性技は右向き(=1P時)・左向き(=2P時)で名称がそれぞれ変わる。括弧内は左向き時の名称。
パーソナルアクションその場で高笑いをする。終わった直後に打撃技か投げ技を決めると威力が上がる。たとえ空振りしても、相手に技が決まるまでは効果が持続する。笑い終えるまでに一定の時間がかかり、そのあいだのギル本体は無防備。 Vシステム
Vスキル
Vトリガー
投げ技※初代『ストIII』においてはギルの投げは「ブロッキング」(上段・下段ともに)が可能。この現象はプレイヤー側が何の前触れもなく先にブロッキングの動作をした後で、ギル側が中か強の通常技を出すという流れでそれらを確認できる。なお初代『ストIII』および『2nd』では投げが不成立であった場合はその時押したボタンの技が出るという仕様で、『3rd』では投げ失敗モーションが出る。また初代『ストIII』においてはこれ以外にファジィブロッキングが存在するため、ギル側からは相手を切り崩す手段がほぼ皆無に等しいいわゆる詰み状態となる。
特殊技
ターゲットコンボ
必殺技
スーパーアーツ / クリティカルアーツ※他のキャラクターでは選択制だが、ギルのみこれに該当しない(SAの番号は登場順に表記される)。家庭用でプレイヤーとして選んだ場合、初代『ストIII』では番号が存在せず、セレクト枠3つとも全て「リザレクション」となっている。『2nd』ではI - IIIの番号どれもが「メテオストライク」となっている。家庭用版『3rd』ではセレクト枠が出ないうえ、対2P戦時のVS画面にはそれぞれ使用するSAが表示されるが、ギルにはSAの表示が一切出ない。『2nd』ではCPUとして登場する際SA表示は常に番号は「II」でコマンド表記も無いが、プレイヤーが使用する際にはコマンドが表示される。 シリーズ全作共通で、SAゲージのストック数は1、長さは128ドットに設定されている。なお、家庭用でゲージストック数を変更した場合でも全てのSAはゲージストックがMAX時でしか発動できない(リザレクション発動は1ラウンドに1回のみという点は変わらない)ため、ギルでゲージストック数を増やした場合、ギルにとってはかえって不利になる。
その他の登場作品
担当声優
参考
関連項目Information related to ギル (ストリートファイター) |