クルーズ (Cruze) は、アメリカ合衆国のゼネラルモーターズ(GM)がかつてシボレーブランドで販売していた乗用車である。
初代 HR51S/HR52S/HR81S/HR82S型(2001年 - 2008年)
初代スイフトをベースに開発された。車体デザインはゼネラルモーターズが担当、15インチの大径タイヤや高めの最低地上高などSUV風に仕上げており、テールランプはコルベットがモチーフとされている。フロントデザインの一部(ヘッドランプ、フェンダー等)は後に欧州向け初代イグニス(スイフトの国外仕様車)や、その兄弟車であるスバル・ジャスティに用いられた。スズキの湖西工場(静岡県湖西市)で生産され、日本国内のほか、オーストラリアでもホールデン・クルーズとして販売された。
エンジンは直列4気筒DOHCの1.3 Lのほか、3型まで同1.5 Lも存在した。駆動方式は前輪駆動か、電子制御カップリング(Electro-Magnetic Control Device, EMCD)[1]によるトルクスプリット式4WD。モード切替スイッチにより、2WD(FF)/4WD AUTO/4WD HARD(直結)を選択できる。
取り扱いディーラーはスズキアリーナ店およびGMシボレー店(設立初期はGMオートワールド)。販売開始当初はスズキ店でも取り扱っていた。
- 歴史
- 1999年 - 第33回東京モーターショーでコンセプトカーとなる「YGM-1」を発表。
- 2001年10月22日 - 発売。当初は1.3Lの「1.3E」、「1.3X」をスズキの販売網で、1.5Lの「1.5LS」、「1.5LT」をGMシボレーの販売網でそれぞれ販売されていた。
- 2002年5月10日 - オーストラリア向け(ホールデン・リミテッド社)の輸出を開始。
- 2002年12月16日 - 1.3L車の仕様変更を受ける(アルミホイールの装着など。グレード名も「1.3LS」、「1.3 LT」に変更)。また、スズキ・GM相互で1.3L車と1.5L車を両方扱えるようになる。
- 2003年6月3日 - 仕様変更(オーディオの標準装備化[2]と車両本体価格の値下げ)。また、99万円からとしたお買い得グレード「1.3LS Eエディション」を追加。なお、「1.5LS」は廃止された。
- 2003年11月13日 - 一部改良(2型)。エンジン性能の向上により、2WD車は全グレード「超-低排出ガス車(☆☆☆)」認定を取得。1.3L・2WD車は燃費性能も向上。内装の改良や外装部品の追加・変更を行った。
- 2003年12月12日 - 「1.3LT」をベースにスポーティな外装と上級仕様の内装を施した特別仕様車「1.3Sリミテッド」を発売。
- 2004年5月12日 - 「1.3LT」をベースにした特別仕様車「1.3SリミテッドII」を発売。
- 2004年12月14日 - 青色を効果的に配色した内装とスポーティな外装を持つ特別仕様車「1.3S-セレクション」を発売。
- 2005年4月11日 - 一部改良(3型)。1.3L・2WD車の排ガス性能を向上し、「平成17年排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定と「平成22年度燃費基準」を達成。快適装備もプラスされた。なお、「1.3LT」は廃止し、特別仕様車の「1.3S-セレクション」に継承される。
- 2006年5月25日 - 一部改良(4型)。1.5 Lを廃止し、「1.3LS」と「1.3LT」の2グレードに集約される。また、シートを赤と黒のデザインに統一する。
- 2008年8月[3] - 生産終了に伴いWEBカタログによる案内が終了。9月[4]に販売終了となった。新車登録台数の累計は4万7144台[5]。
2代目(2008年 - 2016年)
GMグループの日本を除く世界戦略車種に位置付けられるCセグメントファミリーカーで、オプトラ及びコバルトの後継車種となる。したがって、初代とは車名以外の共通点はない。ボディタイプはセダンと5ドアハッチバックと5ドアステーションワゴンが用意される。
韓国では当初「ラセッティプレミア」 (Lacetti Premiere) の車名でGM大宇ブランド車として販売されていたが、2011年3月にGM大宇が韓国GMに社名変更し、同ブランドに代わってシボレーブランドが導入されたことに伴って「シボレー・クルーズ」に変更された。また、オーストラリアおよびニュージーランドでは「ホールデン・クルーズ」として販売されている。
エンジニアリングはドイツ・リュッセルスハイムにあるGMヨーロッパの研究開発センターにて行われ、スタイリングは韓国・仁川にあるGM大宇のデザインスタジオが手がけた[6]。車台はGMデルタプラットフォームの第2世代で、オペル・アストラJやビュイック・ベラーノなどと共有する。エンジンのラインアップは仕向け地によって異なるが、直列4気筒1.6L、1.8L、1.4Lターボ、1.7Lディーゼル、2.0Lディーゼルが用意される。トランスミッションは6速MTおよび6速ATを搭載。
生産はGMの韓国・群山、中国・瀋陽、インド・グジャラート、アメリカ合衆国・オハイオ、ロシア・サンクトペテルブルク、タイ・ラヨーン、オーストラリア・エリザベスの各工場で行われる。
- 歴史
- 2008年9月、モンディアル・ド・ロトモビルでセダンが世界初公開。
- 2008年10月、前身のラセッティに引き続いて世界ツーリングカー選手権(WTCC)向けのレースカーが発表された[7]。
- 2008年11月8日、クルーズの韓国版「ラセッティプレミア」を販売開始。エンジンは当初1.6L・DOHCのみの3グレード構成となっていたが、2009年2月に2.0Lディーゼル仕様が、10月に1.8L・DOHCの「ID(アイデンティティ)」がそれぞれ追加されている。
- 2009年3月、オーストラリアでホールデン・クルーズ(JG型)として発表。
- 2009年4月18日、中国で販売開始。
- 2009年5月、ヨーロッパで順次販売開始。
- 2009年10月12日、インドで販売開始。2.0Lディーゼルのみの2グレード構成となっており、従来のオプトラ・マグナムも継続販売される。
- 2009年11月、名古屋モーターショーで右ハンドル仕様が参考出品され、日本初公開(日本での発売は現時点では未定)。
- 2009年12月、ロサンゼルスオートショーにて北米仕様車が2011年モデルとして発表される。エンジンは1.8Lと1.4Lターボの2種類が用意される。
- 2010年10月、モンディアル・ド・ロトモビルにて5ドアハッチバックのコンセプトが発表される。スタイリングはオーストラリア・ポートメルボルンにあるホールデンのデザインスタジオが担当した[8]。
- 2011年2月28日、オーストラリア向けホールデン・クルーズがフェイスリフトされる(シリーズII、JH型)。それまでは韓国から輸入していたが、エリザベス工場での現地生産に切り替えられた。ラジエターグリルやフロントバンパーなどの意匠が変更されたほか、新たに2.0Lディーゼルと1.4Lターボが導入された[9]。
- 2011年3月、韓国仕様車がGM大宇ブランドからシボレーブランドに変更される。5ドアハッチバックの市販モデルがジュネーヴモーターショーにて世界初公開となり[10]、やや遅れて豪ホールデン版も発表され[11]、その後ソウルモーターショー2011でも発表された。
- 2011年5月22日、韓国市場にてハッチバックが「クルーズ5」として発表・発売開始された。
- 2012年2月9日、3月の第82回ジュネーヴモーターショーにてクルーズのワゴンが世界初公開されることが発表された[12]。ヨーロッパで同年夏の発売を予定している。エンジンのラインナップはガソリンが1.6L、1.8L、1.4Lターボの3種類、ディーゼルは2.0Lと新たに1.7Lが加わる。
- 2012年4月10日、ブラジルにてハッチバックが「クルーズ・スポーツ6」として発売開始された[13]。
- 2012年4月17日、イギリスにて1.7Lディーゼル搭載車がラインナップに追加された。5ドアハッチバックが翌5月に発売され、ステーションワゴンは2012年後半に投入される予定である[14]。
- 2012年5月24日、釜山モーターショーにてフェイスリフトされた2013年モデルを発表[15][16]。先に発表されたステーションワゴンと同様のフロントマスクに改められた他、クロームをあしらうなどして高級感を高めると同時にアルミホイールのデザインを刷新。機能面についてもスマートフォンと連携して、音楽や映像のみならず車両情報や空調設定など様々な情報を入手・再生できる次世代インフォテインメントシステム「シボレー・マイリンク」 (Chevrolet MyLink) が導入された。
- 2012年6月4日、韓国で2013年モデルを発売。新グレード「パーフェクトブラック」を設定(1.8Lガソリン、2.0Lディーゼルともに設定)。
- 2013年10月18日、韓国で2014年モデルを発売。トラックスに搭載済みの1.4Lガソリンターボ(130PS)を設定。
- 2015年1月22日、韓国で2016年モデルを発表。リアコンビレンズをデュアルスクエアタイプへ、リアのナンバープレートもバンパーレベルへ移動するなど大幅に変更された。
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2代目シボレー・クルーズセダン(欧州仕様)
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2代目シボレー・クルーズハッチバック(欧州仕様)
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2代目シボレー・クルーズWTCC仕様車
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韓国仕様 中期
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ホールデン・クルーズ(JG型)
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韓国仕様 後期 リヤ
3代目(2016年 - 2020年)
シボレー・クルーズ(3代目) |
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中国仕様 |
前期型 |
後期型 |
概要 |
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製造国 |
アメリカ合衆国 中国 |
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販売期間 |
2016年 - 2020年 |
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デザイン |
スチュアート・クーパー |
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ボディ |
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ボディタイプ |
4ドアセダン 5ドアハッチバック |
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エンジン位置 |
フロント[17] |
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駆動方式 |
前輪駆動[17] |
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プラットフォーム |
GM・D2XXプラットフォーム |
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パワートレイン |
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エンジン |
1.4L 直列4気筒ターボ[17] 1.5L 直列4気筒[17] |
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最高出力 |
1.4L I4ターボ: 114 kW (155 PS) / 5,600 rpm[17] 1.5L I4: 83 kW (113 PS) / 6,300 rpm[17] |
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最大トルク |
1.4L I4ターボ: 239 N・m / 2,000 - 4,000 rpm[17] 1.5L I4: 141 N・m / 4,000 rpm[17] |
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変速機 |
6速MT(M32) 4速AT[17] 6速AT(6T35) 7速DCT(DCG) |
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車両寸法 |
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ホイールベース |
2,700mm |
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全長 |
セダン:4,666mm ハッチバック:4,453mm |
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全幅 |
1,795mm |
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全高 |
セダン:1,458mm ハッチバック:1,465mm |
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車両重量 |
セダン:1,195-1,300kg ハッチバック:1,323-1,351kg |
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テンプレートを表示 |
2015年6月24日、アメリカで発表。2016年から販売予定とアナウンスされた。先代より車体を大型化させつつも100㎏以上軽量化すると同時に、剛性も引き上げている。また、サイドブラインドゾーン警告など安全装備を充実させ、「シボレー・マイリンク」などの車載コネクティビティも充実させている。エンジンは新開発の1.4Lガソリンターボを搭載。なお、この代より欧州ならびにオセアニア向けは消滅し、これらの市場ではオペル/ホールデン・アストラセダンが後継となる。
生産はオハイオ州の工場の専用ラインで生産されてきたが、販売不振のため工場の稼働率が低下[18]し、2018年には工場従業員の一時解雇のきっかけとなった[19]。
- 歴史
- 2016年1月、北米市場で販売を開始。
- 2017年1月、韓国で販売を開始。
- 2018年、北米・韓国での販売を終了。
- 2020年、中国での販売を終了。
脚注
注釈
出典
関連項目
- シボレー
- 特に初代に関して
- 特に2/3代目に関して
外部リンク