ツール・ド・フランス1981は、ツール・ド・フランスとしては68回目の大会。1981年6月25日から7月19日まで、全22ステージで行われた。
みどころ
昨年、無念のリタイアを余儀なくされたベルナール・イノーだが、その後、地元フランスで行われた世界自転車選手権を制し、当年に入っても、フランス人として25年ぶりにパリ〜ルーベを制するなど、ワンデーレースでの活躍ぶりが目立っていた。当年の目標はもちろんマイヨ・ジョーヌ奪回。
対して、前年悲願のツール総合優勝を果たしたヨープ・ズートメルク、ルシアン・バンインプのベテラン勢が挑むが、若手勢の活躍も期待された。
今大会の概要
プロローグを制し、一旦マイヨ・ジョーヌから離れるも、第6ステージの個人タイムトライアルを制したイノーがマイヨを奪回。しかし23歳のフィル・アンダーソンが頑張って、第13ステージまでイノーに57秒差で続く総合2位。そして今大会は第14ステージまでは平坦区間ということもあってか、フレディ・マルテンスがことごとく区間優勝をさらい、ここまで5勝する。
しかしピレネーステージを翌日に控えた第14ステージの個人タイムトライアルで、イノーはアンダーソンに2分1秒の差をつけ区間制覇。総合でもアンダーソンに2分58秒の差をつける。
第16ステージからはアルプスステージに入る。ここから4連続山岳ステージとなり、今大会の最大のヤマ場を迎えた。第16ステージ。イノーは苦しみながらも、ズートメルクやバンインプらとともに4位集団でゴールしたのに対し、アンダーソンはこの区間だけでイノーに4分41秒の差をつけられ、総合2位はキープするも、イノーに7分39秒差をつけられる。そして、バンインプが9分38秒差の総合3位、ズートメルクが10分43秒差の同5位に浮上してきた。
第17ステージのラルプ・デュエズ。イノーは区間優勝のペーター・ウィネンに8秒差の区間2位、イノーにほぼ並んでバンインプが区間3位に入るが、ズートメルクはイノーに遅れること1分53秒差をつけられ、総合でもイノーに12分36秒差となったことから、連覇は厳しくなった。また、アンダーソンはこの区間でイノーに遅れること16分58秒。区間44位と惨敗し、完全に圏外へと去った。
そして第18ステージ。イノーはバンインプに対して2分33秒の差をつけ堂々の区間制覇。総合でもバンインプに12分12秒差をつけ、今大会はほぼここで決着がついた形となった。
イノーは第20ステージの個人タイムトライアルも制し、今大会はなんと個人タイムトライアル全勝。3度目の総合優勝に華を添えた。また最終ステージはマルテンスが制し、今大会6勝を挙げた。
総合成績
マイヨ・ジョーヌ保持者
外部リンク