ハワイアン航空 (ハワイアンこうくう、Hawaiian Airlines )は、アメリカ合衆国 ・ハワイ州 を拠点 とする航空会社 。
概要
ハワイ州 ホノルル にあるダニエル・K・イノウエ国際空港 (ホノルル国際空港)をハブ空港 とし、ハワイ州内のハワイ島 (エリソン・オニヅカ・コナ国際空港 、ヒロ国際空港 )、マウイ島 (カフルイ空港 )、カウアイ島 (リフエ空港 )を結ぶ島間路線(インターアイランド路線)、ホノルル・カフルイ とアメリカ本土 を結ぶ長距離国内線、ホノルルと太平洋地域を中心とした国際線を運航している。
1984年 からトンガなど国際線にも進出し、以降フィリピンなどにも就航し2010年 には日本路線に進出した。2018年 3月に日本航空 (JAL)と業務提携し、その後はコードシェアのみならず同社と共同事業を行う予定[ 2] 。更に2019年 10月からは同じJALグループ 傘下の日本トランスオーシャン航空 とコードシェアを開始した。
航空券 の座席予約システム(CRS )はSABRE を利用していたが、2023年4月からアマデウス Altéa を使用している[ 3] 。アメリカ合衆国運輸省 の調査によると、アメリカの航空会社として2003年より6年連続定時出発率1位となっている。2011年には、過去最高となる約867万人の旅客数を記録した[ 4] 。創業以来90年近くにわたって死亡事故を一度も起こしたことがない。
2023年12月、アラスカ航空 はハワイアン航空を19億ドルで買収することで同社と合意[ 5] 。2024年9月18日に買収が完了した[ 6] 。統合後の本拠地はシアトル 、ホノルルは重要ハブとし、アラスカ航空主導でワンワールド に加入することも発表[ 5] [ 7] 。ワンワールドはJALも既に加盟していることから、同社との提携が継続されることになる[ 7] 。
歴史
保有機材
エアバスA330-200
ボーイング717-200
エアバスA321neo
エアバスA330-200(新塗装) ボーイング社で振り分けられるハワイアン航空向けの顧客番記号(カスタマーコード)はCB で767-3CB ERとなっている。
全ての機体に名前がついていて、ボーイング717-200型機 にはハワイやポリネシアに生息する鳥の名前、エアバスA330-200型機 は星座や天体の名前、エアバスA321neo はハワイの樹木の名前が付けられている。[ 12]
2014年8月1日より、エアバスA330-200においてプレミアムエコノミークラス「エクストラ・コンフォート・シート」を導入予定[ 13] 。座席数は従来のエコノミークラス内に40席配置[ 14] 。2016年4-6月期(第2四半期)からは従来のプレミアムエコノミークラス「エクストラ・コンフォート・シート」を更に拡大し、ビジネスクラスにフルフラットを配備する機内へ変更を始め、新仕様機は全体席数が16席減の278席で、ビジネス18席、プレミアムエコノミー68席、エコノミー192席とプレミアムエコノミーの席数が28席増える配置になる[ 15] 。
2008年にはエアバスA350-800 を発注し2017年の導入予定していたが、エアバスA330-200 とのサイズ競合からエアバス要請でA330-800neoに変更した[ 16] 。しかし、A330-800neoの発注は少なく、2018年ボーイングから機種移行支援プログラムを活用した、競争入札プロセスの一環として787-9の提案を受け、A330-800neo6機の発注は取り消され、787-9を10機発注乗り替えをした[ 17] 。
2017年5月1日に新塗装を発表[ 18] 。先行してボーイング717 の1機(機体番号:N488HA)を皮切りに、今後エアバスA321neo の導入を含めた新造機は新しい塗装で納入される。
運用機材
退役機材
コンベア640(1971年)
L-1011 トライスター(1991年)
マクドネル・ダグラス DC-10(2001年)
ボーイング767-300ER(2009年)
現在はエアバスを中心に新造機の導入を進めているが、以前はダグラス DC-8 、DC-9 、DC-10 、L-1011の中古機材を導入することが多かった。L-1011退役後、アメリカン航空 からDC-10-30を導入するが、アメリカン航空のベアメタルをベースに帯色はハワイアンのものに変えただけであった。
1960年代 には、新造機の日本航空機製造 YS-11 を購入し島間輸送に就航させていた。その後島間輸送に就役してきたDC-9-51は殆ど欧米からの中古機材で、代替したボーイング717は半数は新造機だが、生産を中止したためオーストラリア から中古機材を調達している[ 23] [ 24] 。
就航都市
国内線
島間路線
ハワイ州 の島々を結ぶインターアイランド路線を運航。ホノルル及びカフルイから、コナ・リフエ・ヒロへの定期便が運航されている[ 28] 。また、子会社オハナ ('Ohana by Hawaiian )がエンパイア航空 との間によって設立され[ 29] 、ホノルルとモロカイ島・ラナイ島とを結ぶインターアイランド路線を運航。
ホノルル - カフルイ、コナ、リフエ、ヒロ
カフルイ - コナ、リフエ、ヒロ
オハナ運航路線
ホノルル - モロカイ、ラナイ
カフルイ - モロカイ、コナ、ヒロ
アメリカ本土路線
アメリカ 西海岸 の主要都市及びニューヨーク・ボストンからホノルルへ、一部はカフルイとも結ばれている[ 28] 。2014年より、コナ・リフエとオークランド・ロサンゼルスを結ぶ路線を夏期季節便として運航予定。
ホノルル - ニューヨーク/ジョン・F・ケネディ、シアトル、ポートランド(オレゴン州)、サクラメント、サンフランシスコ、オークランド(カリフォルニア州)、サンノゼ、ロサンゼルス、サンディエゴ、ラスベガス、フェニックス、ボストン
カフルイ - シアトル、オークランド、サンノゼ、ロサンゼルス、ラスベガス
コナ - オークランド(季節便)、ロサンゼルス(季節便)
リフエ - オークランド(季節便)、ロサンゼルス(季節便)
国際線
ホノルルからアジア ・オセアニア を中心に運航[ 28] 。とりわけ、日本路線が多いのが特徴である。
ホノルル - 東京/羽田、東京/成田、大阪/関西、福岡、ソウル/仁川、シドニー、ブリスベン、オークランド(ニュージーランド)、タヒチ、サモア
コナ - 東京/羽田
提携
2023年現在
ハワイアン航空および提携航空会社のマイレージ会員が相互にマイレージの獲得およびマイレージ利用航空券予約可能な航空会社[ 30]
日本航空、ジェットブルー航空 、大韓航空 、ヴァージン・アトランティック航空 、ヴァージン・オーストラリア
提携先航空会社のマイレージ会員のみマイレージの獲得およびマイレージ利用航空券予約可能な航空会社[ 31]
チャイナエアライン
アメリカン航空 (USエアウェイズ )、デルタ航空 [ 注 3] 、ユナイテッド航空 、 アイランドエアー 、全日本空輸 [ 32] 、エミレーツ航空 、中国国際航空 、ヴァージン・アメリカ
その他
1941年 12月7日、ハワイアン航空9便が、飛行中に真珠湾 にて日本軍 の攻撃を受け出火した。銃弾の1つがコックピット内の消火器に命中し、鎮火。乗客乗員に怪我はなかった[ 33] 。
1985年 2月に、日本航空 の「ハワイアンキャンペーン」の一環として、18名のハワイアン航空の客室乗務員 が、日本航空の東京/羽田 - ホノルル線と大阪/伊丹 - ホノルル線に乗務した[ 34] 。
2014年 7月24日、東日本大震災 によってオアフ島 に漂着した岩手県 下閉伊郡 田野畑村 の村営住宅の看板の返却を、ハワイアン航空441便仙台 行を利用して無償輸送[ 35] 。30日、田野畑村へ届けられた[ 36] 。
2016年 7月18日午前1時半ごろ、羽田空港 発ホノルル空港 行き458便(乗員13名乗客280名、A330-243 :N395HA:2013年11月受領)が太平洋上空を飛行中、計器表示に油圧低下を示す異常が出たため羽田空港に引き返し、C滑走路(RWY34R)に緊急着陸、着陸の際に主脚のタイヤ8本中4本がパンク、ほか4本も一部損傷して滑走路上で停止したため、乗客降機後、C滑走路はタイヤ交換(6本)や機体から漏れたオイルの洗浄などを行うために閉鎖され、同日午前10時45分に再開した[ 37] 。乗客280名はハワイアン航空による代替機(1458便、A330-243:N380HA)によって18日20時過ぎに再度出発した[ 38] 。
2018年 9月7日午後10時半頃、成田空港 発ホノルル 行き822便(乗員乗客277名、エアバスA330 )が油圧系統のトラブルにより、羽田空港のC滑走路に緊急着陸した。オイル漏れが見られたため、誘導路上でエンジンを停止し、1時間半後に牽引車によって駐機スポットへ向かった。C滑走路は、オイル除去のため一時的に閉鎖された[ 39] 。
2023年 9月8日午後9時前羽田空港発ホノルル行き864便(乗員乗客264名A330)が乱気流に巻き込まれ緊急事態を宣言し午後10時すぎに羽田空港に緊急着陸した。乗員乗客6名が怪我をした。
脚注
注釈
^ インターアイランド航空として。
^ インターアイランド航空として。
^ 2013年9月15日以前は相互に可能
出典
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
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