ピエール=エメリク・オーバメヤン
ピエール=エメリク・フランソワ・オーバメヤン(Pierre-Emerick Emiliano François Aubameyang, 1989年6月18日 - )は、フランス・ラヴァル出身のサッカー選手。サウジ・プロフェッショナルリーグ・アル・カーディシーヤFC所属。ガボン代表。ポジションはFW。 クラブ経歴プロ入り初期2007年1月、ACミランのユースチームに参加、同年8月にマレーシアで開催されたユースの大会では6試合に出場して7ゴールを挙げ、得点王となった。2008-09シーズンは経験を積むためリーグ・ドゥのディジョンFCOでプレー。さらに2009-10シーズンはリール、2010-11シーズンはASモナコにそれぞれローン移籍している。2012年1月にリーグ・アンのASサンテティエンヌへ完全移籍し、2012-13シーズンではリーグ・アン37試合に出場し19ゴールを記録した。 ドルトムント2013年7月、ボルシア・ドルトムントへ移籍[2]。2013年8月10日、ブンデスリーガ開幕戦のFCアウクスブルク戦でブンデスリーガ史上6人目のデビュー戦ハットトリックを達成した[3]など存在感を発揮した。2014-15シーズンは33試合に出場し、16得点6アシストを記録。右ウイングが主戦場ながらCF起用に見事に応えた。 2015年7月31日、ボルシア・ドルトムントとの契約を2020年6月30日まで延長したことを発表した[4][5]。2017年3月8日、欧州CL決勝T・2ndレグのSLベンフィカ戦ではハットトリックをあげて準々決勝進出に貢献した[6]。香川真司、ヘンリク・ムヒタリアン、マルコ・ロイスとのカルテットは破壊力抜群でファンタスティック・フォーと名付けられた。またこの4人で大量のゴールを演出したほか、クラブ史上2番目に多い勝ち点の78を記録した[7]。 2016-17シーズン最終節を前に得点王争いで2位であったが、最終節ヴェルダー・ブレーメン戦で2ゴールを決め、シーズン通算31ゴール、逆転で得点王のタイトルを獲得した[8]。 アーセナル2017-18シーズン2018年1月31日、アーセナルFCと長期契約を締結し、移籍金はアーセナルのクラブ史上最高額と発表された[9]。背番号はセオ・ウォルコットが着用していた14番。アーセナルのレジェンドでもあるティエリ・アンリが着用していた番号でもある[10]。2月4日エヴァートンとの試合でデビュー、すぐにゴールを決めた。4月1日ストーク・シティとの試合では2ゴールの活躍、さらにPKを獲得したことでハットトリックのチャンスが有ったが、そのPKをアレクサンドル・ラカゼットに譲った[11][12]。 5月6日、アーセン・ベンゲル監督にとって最後のホームゲームとなったバーンリー戦で開幕ゴールを含む2得点を挙げつつアレックス・イウォビのゴールをアシストした[13]。さらに、アウェーで行われた最終節のハダースフィールド戦でこの試合唯一のゴールを決め、チームは1-0の勝利を収めた。これにより、オーバメヤンはリーグ戦13試合で10ゴール4アシストを記録し、アーセナルにおけるベンゲル体制最後の得点者となった[14]。 2018-19シーズン10月23日、第10節のレスター・シティ戦では逆転ゴールを決めて公式戦10連勝に貢献した[15]。同年10月、1ヶ月で5ゴールを決めて自身初となるプレミアリーグ月間最優秀選手を獲得した[16]。2019年5月10日、UEFAヨーロッパリーグ・準決勝2ndレグのバレンシア戦ではアーセナル移籍後初めてとなるハットトリックを達成して決勝進出に貢献した[17]。リーグ最終節では2ゴールを決め、22ゴールとし、ノーゴールに終わったリヴァプールのモハメド・サラーに追いつき、そのサラー、サディオ・マネと共にプレミアリーグ・ゴールデンブーツに輝いた[18]。 2019-20シーズン2019年9月1日、第3節のトッテナムとのノース・ロンドン・ダービーでは2-1とリードされたが、同点ゴールを決め引き分けに持ち込んだ[19]。続くワトフォード戦では2ゴール[20]、アストン・ヴィラ戦とマンチェスター・ユナイテッド戦でも1ゴールずつを挙げる活躍を披露し[21][22]、9月のプレミアリーグ月間最優秀選手に選出された[23]。11月5日、サポーターとの衝突から問題行動を起こしたグラニト・ジャカの代わりにキャプテンに就任した[24]。 2020年7月1日、プレミアリーグのノリッジ・シティ戦でプレミアリーグでの50得点目を決めた。プレミアリーグ79試合での50得点到達は、クラブのレジェンドであるアンリやイアン・ライトを抜いてアーセナル史上最速の記録である[25]。また、全チームを通じてもプレミアリーグ史上6番目の早さでの50得点到達である。リーグ戦では昨シーズンと同じ22ゴールを決めたが、僅か1点差でプレミアリーグ・ゴールデンブーツのタイトル獲得を逃した[26]。FAカップでは準決勝のマンチェスター・シティ戦で2ゴール、決勝のチェルシー戦でも1PKを含む2ゴールを決め、優勝に大きく寄与した[27][28]。同年8月8日、チーム内トップの公式戦29ゴールやFAカップにおいて準決勝、決勝と得点を決めてチームを優勝に導いたことなどからサポーターの投票よって決定する2019-20シーズンのアーセナル年間最優秀選手に74%という圧倒的得票数で選ばれた[29]。同年9月15日、アーセナルと3年の契約延長したことを発表した[30]。 2020-21シーズン2021年1月23日、FAカップのサウサンプトン戦直前に理由が不明のまま急遽チームを離脱。1月28日に自身のSNS上で母親の健康に問題があったため看病のために母親の元にいたこと及び快方に向かったことを明かした[31]。同年2月15日、プレミアリーグのリーズ戦でプレミアリーグでは自身初となるハットトリックを決め勝利に貢献した[32]。同年3月14日、プレミアリーグのノース・ロンドン・ダービーという大事な試合において規律違反(報道によると遅刻)によりスタメン落ちし不出場となった[33]。同年4月15日、自身のSNSにおいて3月の代表戦招集時にマラリアに感染し、入院していたことを公表。幸いにも早期発見であったことから数日間の入院治療で快方に向かっていると明かした[34]。 2021-22シーズン2021年8月14日、2021-22シーズン開幕戦であるブレントフォードとの試合を欠場した。後に新型コロナウィルス検査で陽性であったことが欠場理由であると公式発表された[35]。同年12月14日、規律違反によりキャプテンの役割を剥奪されたことが公式発表された[36]。その後はチームから除外されベンチ外が続いた。2022年1月末、アーセナルは代表ウィークを利用し恒例となったドバイでのキャンプへ旅立ったが、新型コロナ陽性後に心臓に問題があったとして代表からチームに復帰していたオーバメヤンは詳細な検査で異常なしとなったにもかかわらずキャンプに帯同せず1人居残りとなった[37]。2022年2月1日、アーセナルと双方合意の下で契約を解消したことが発表された[38][39]。結局、12月の規律違反によるチーム除外から一度もベンチ入りすら無く退団となった。 バルセロナ2022年2月2日、FCバルセロナへ2025年6月30日までの3年半契約で移籍することを発表した[40]。2月20日、バレンシアCF戦で移籍後初先発し、ハットトリックの活躍を見せた[41]。リーグ戦17試合で11得点を決めて、低迷していたバルセロナの救世主となる活躍を見せた[42]。 チェルシー2022年9月1日、ドルトムント時代の恩師トーマス・トゥヘルが率いるチェルシーFCに2年契約で加入[43]。背番号は9番。CLグループステージ第1節、ディナモ・ザグレブ戦でチェルシーデビューした。2022-23シーズン第9節、クリスタル・パレス戦でプレミアリーグ復帰、ボレーシュートを決め移籍後初ゴールを決めた。リーグ戦に続き、CLグループステージ第3節、古巣ミラン戦でリース・ジェームズのクロスにダイレクトで合わせ公式戦2試合連続ゴールを決めた[44]。その後の4節ミラン戦でもゴールを決めグループステージ2試合連続でゴールを決め決勝トーナメント進出の可能性を引き寄せたが、オーバメヤンをチェルシーに呼び寄せたトゥヘルが監督を解任されると、後任のグレアム・ポッター監督は決勝トーナメントに挑む25人のメンバーにミハイロ・ムドリク、ジョアン・フェリックス、エンソ・フェルナンデスら冬の移籍で獲得したメンバーを登録する代わりにオーバメヤンを外した[45]。怪我と不調が重なり1年での退団[46]、昨季在籍したバルセロナやアトレティコ・マドリードへの移籍が噂された[47][48]。 マルセイユ2023年7月21日、リーグ・アンのオリンピック・マルセイユに3年契約で加入した。背番号は10番となる[49]。 アル・カーディシーヤ2024年7月18日、サウジ・プロフェッショナルリーグ・アル・カーディシーヤFCへの加入が発表された[50]。 代表経歴フランス、ガボン、スペイン人である母親を通じてスペインの代表でのプレーが可能で、かつてミランでプレーしていた2009年にはイタリアのU-19代表から招集されるも、これを拒否した[51]。 2009年にU-21フランス代表のパリ合宿に招集された後U-23チュニジア代表との親善試合に出場した。ガボン代表監督のアラン・ジレスから2010 FIFAワールドカップ予選のモロッコ代表戦のメンバーとして招集されると、初出場初得点を記録した。 自国開催となったアフリカネイションズカップ2012では初戦のニジェール戦、グループリーグ第2戦のモロッコ戦、第3戦のチュニジア戦と3試合連続で先制点を挙げ、ガボンの全勝でのグループリーグ突破に貢献。しかし準々決勝のマリ戦のPK戦で第4キッカーとしてPKを外してしまい、ガボンも敗退した。2度目の自国開催となったアフリカネイションズカップ2017ではグループリーグで2得点を記録したが、ガボンはグループリーグで敗退した。 アフリカネイションズカップ2021に向けた招集メンバーに選出された[52]。代表合流直後、新型コロナの検査で8月に続き自身2度目の陽性判定となった[53]。その後の検査で心臓に問題が見つかったため詳細な検査をするために代表を離脱しクラブに戻った[54]。その後の検査では問題が見つからなかったもののオーバメヤンが同大会に一度も出場しないままガボン代表はベスト16で敗退した[55]。 2022年5月19日、ガボン代表のFacebookを通じて代表からの引退を発表[56]。しかし代表引退から1年後、ガボンのアリー・ボンゴ・オンディンバ大統領に説得されて代表に復帰することを表明した[57]。 エピソード
個人成績クラブ※2022年2月現在(太字は得点王)[67]
代表
代表での得点
タイトルクラブ
個人
脚注出典
関連項目外部リンク
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