ユーレイルパスユーレイルパスは、ヨーロッパの一定期間鉄道乗り放題の周遊券。域外からの観光客に対し発行される。 このパスを発行するユーレイル(Eurail)とは、オランダのユトレヒトを本拠地とし、ルクセンブルクに登記されている企業 Eurail Group G.I.E. のことで、ユーレイルパス(ユーレイルグローバルパス)をはじめとするヨーロッパ各国の鉄道パスを発行している。たとえばヨーロッパ居住者・6ヶ月以上の滞在者には同社からインターレイルパスが発行される。同社にはヨーロッパ各国の鉄道会社や船会社が出資している。スマートホンを提示することで利用できるモバイルグローバルパスもある。 パスの指定席料金
パスの利用可能期間旅客は決められた日数・等級・地域のパスを持っている間、ヨーロッパ内の定められた地域の鉄道や航路を何度でも利用できる。
パスの割引
ユーレイル グローバルパス2021年現在、ユーレイル グローバルパスは次の33ヶ国をカバーしている。 その他のユーレイルパス
ユーレイルグローバルパス加盟33ヶ国のうち、以下の国内のみで通用するパス。 スペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、オーストリア、フィンランド、アイルランド、ルーマニア、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア、スロベニア、クロアチア、セルビア、北マケドニア、ギリシャ、ギリシャの島々、トルコ
ドイツ国内のみで利用できるパスで、以下の2種類があるが費用を追加することで、オーストリア、スイス、ベルギー、イタリアへも移動することが可能となる。
利用できるのはヨーロッパ以外に居住している者。日本人の場合ヨーロッパに6ヶ月以上滞在できるビザを所有している場合は利用不可。
ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)の3ヶ国で利用可能。
スカンジナビア(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)の4ヶ国で利用可能。利用日数や料金設定は、ユーレイル 1か国パス(Eurail One Country Pass)に準じる。
ヨーロッパ諸国に6ヶ月以上滞在している外国人居住者向けのパス。 ユーレイル グローバルパス加盟の33ヶ国で利用できるグローバルパスや、ユーレイル 1か国パスと同様の2種類がある。 ユーレイル以外のパスユーレイル以外の主体が発行する数ヶ国又は1か国を利用できる鉄道パス(数ヶ国:バルカン フレキシーパス、ヨーロピアン イーストパス、1ヶ国:ブリット レイルパス、スイス トラベルパスなど)があるが、これらはユーレイルパスではなく、利用路線等の効力も当該国をカバーするユーレイルパスとは異なる場合がある。たとえば、マッターホルン・ゴッタルド鉄道はユーレイルパスでそのまま乗車できないが(パスの提示で乗車券を25%割引で購入できる)、スイス トラベルパスはそのまま乗車できる。ヨーロッパのほぼ全域をカバーするユーレイルグローバルパス(いわゆるユーレイルパス)や各国別のパス、2 - 5ヶ国の隣接した地域を周遊するパス、2 - 6人が同一旅程で乗車する時に割り引かれるセーバーパス、26歳未満の若者向けのユースパスなど、料金や設定日数など旅客のニーズを満たすためユーレイルは多様性に富んだパスを販売している。
スイス国内のみで利用できるパスで、以下の2種類がある。スイス国内90都市のポストバスなどの交通機関、山岳鉄道の割引、美術館や博物館の入場も可能。
利用できるのはスイス及びリヒテンシュタイン以外に居住している者。日本人の場合スイス及びリヒテンシュタインに6ヶ月以上滞在できるビザを所有している場合は利用不可。
イギリス国内(北アイルランドを除く)で利用できるパスで、以下の2種類がある。大人・セーバー・ユース・シニアの料金設定がある。
利用できるのはイギリス以外に居住している者。日本人の場合イギリスに6ヶ月以上滞在できるビザを所有している場合は利用不可。
オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリーの4ヶ国の国営鉄道のみ利用が可能で、ウエストバーン、レギオジェット、レオエクスプレス等の私鉄では利用できない。
ルーマニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、ブルガリア、北マケドニア、ギリシャ、トルコの8ヶ国で利用できる。
備考パス購入者は通常、追加料金無しで様々な列車を利用することが出来る(ユーロシティやインターシティなど)。しかし、TGVやトレニタリアの優等列車、ユーロナイト・シティナイトラインなどの個室寝台、クシェット(簡易寝台)、その他予約が義務付けられている夜行列車などの特別列車は若干の追加料金が必要である。タリスやユーロスターは、パス利用者用の割引運賃が設定されている。 スイスの主要私鉄は例外だが、多くの私鉄はユーレイルパスでは乗車できない(その場合でも、パスの提示により割引を受けられることは多い)。また、国鉄又はその民営化会社の線路を借りて別会社(オープンアクセス事業者と呼ばれ、日本でいう第二種鉄道事業者に該当する。)が独自の運賃で走らせている列車の一部、たとえばドイツのインターコネックスやハンブルク=ケルン=エクスプレス、イタリアのイタロ(.italo)、イタリア-フランス間の夜行列車テルオーにも乗車できない。 ヨーロッパの主要高速鉄道
参考出典
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