古坂大魔王
古坂大魔王(こさかだいまおう、1973年7月17日[2] - )は、日本のお笑いタレント、DJ、ミュージシャン。エイベックス・マネジメント所属。妻はタレントの安枝瞳。 1992年、お笑いトリオ・コンビ「底ぬけAIR-LINE」の一員として芸能界デビューし[1][2]、『ボキャブラ天国』などの番組に出演。その後はお笑いと並行して音楽活動を行うようになり、2016年には歌手「ピコ太郎」に扮して「ペンパイナッポーアッポーペン」(PPAP)を歌う動画がYouTubeにて公開され、動画総再生回数が6億回を超えるなど話題になり[2]、PPAPなどの楽曲は世界134か国で配信されている。「古坂はピコ太郎と別人である」としており、同一人物であるという証拠はない。 人物・略歴青森県[2]青森市出身。青森県立青森東高等学校卒業後、お笑い芸人を目指して上京、日本映画学校(当時)に入学し、そこで出会った2人とお笑いトリオ、底ぬけAIR-LINEを結成。当時はホリプロコムに所属していた。 2003年9月からお笑い活動を休止し、テクノユニット・ノーボトムの活動に専念。音楽性を追求するため、2005年10月11日にホリプロコムを退社、ユニットもNBR(NEW BUSHIDOU RAVERS) に改名。NBRとしてクラブイベントプロデュースや、個人でもmihimaru GTのアルバム・ライブツアー参加の他、鈴木亜美などの楽曲リミックスを手がける。2008年からは、音楽活動での行き詰まりからお笑い芸人としての活動も本格的に再開。 近眼のため眼鏡をかけていたが、視力矯正手術を受けて視力は回復している。その後は、度の無い伊達眼鏡をかけている[3]。 2010年3月13日、単独お笑いライブ「いいえ!昔っからメンドクサイ男です!」を開催。 2016年に古坂がプロデュースする「ピコ太郎」の動画「ペンパイナッポーアッポーペン」が話題となり、日本国外のメディアにも取り上げられた[5][6]。詳細は、下記の「ピコ太郎」の項を参照。 2017年8月3日、タレントの安枝瞳との結婚を発表[7]。2018年6月17日に第1子女児が誕生し[8]、同年10月18日にイクメン オブ ザ イヤー2018の芸人部門を受賞[9]。2020年6月17日、安枝の第2子妊娠を報告[10]。10月27日、第2子女児が誕生[11][12]。 2019年5月16日、東京ドームで「楽天スーパーナイター」として行われたパシフィック・リーグ公式戦・東北楽天ゴールデンイーグルス対北海道日本ハムファイターズにおいて、始球式を務めた。「イーグルス大好き芸人」との紹介を受けて登場し[13]、投球前に「今日のテーマは試合を遅らせないこと」とあいさつ。速やかにマウンドに上って投球した[14][15]。 エピソード交友関係・芸風など同期のくりぃむしちゅー(当時の海砂利水魚)・上田晋也と仲がよく、上田は様々な著名人に古坂を売り込んでおり、明石家さんまに「日本一面白い奴がいます。古坂っていうんですけど…」と紹介したところ真顔で「俺よりおもろいんか?」と返された[16]。2005年には上田とのコンビでラジオパーソナリティを担当。2006年からは上田の冠番組『上田ちゃんネル』(CSチャンネル)にレギュラー出演している。 バナナマンはM2カンパニー時代の後輩に当たるが、小さな事務所であり芸人もあまりおらず、設楽統と同い年、日村勇紀は1歳上のため、友人のような関係。バナナマンからは、本名の「和仁」から「カン」と呼ばれている(その他にネプチューンや土田晃之、ノンキーズなどにも呼ばれている)[要出典]。 爆笑問題の田中裕二とは温泉旅行に行く仲[17]。趣味はバイク[18]。芸については太田光や土田晃之など、芸人仲間からはその笑いの才能を絶賛されていると語っている[19]。田中は古坂を「楽屋真打の代表選手みたいな人」と評し、「楽屋では誰よりも皆を笑わせるんだけど、本番ではそれを一切発揮できない」と語っている[20]。 一方で、学園祭などの営業でネタを見て「つまんない」と言ってきた学生に詰め寄って「えっ? えっ? 何? 何? 今何て言った? つまんない? 君の方が面白いの? じゃあ面白いこと言って。3・2・1、はい、言えない。言えない」と言って煽ったり、飲み屋で騒いでいる大学生に向かって「プロの前ではしゃぐな!」と激怒するなど、エリート意識が高く大人らしからぬ言動を取ることも多々ある[21]。 YouTube「MARCY'Sちゃんねる」の配信(DooWop CARNIVAL 1st)にて、過去に放送された田代まさし司会の水泳大会の番組内でのエピソードを話す機会があり、番組内で相撲大会があり近藤真彦と小坂が決勝に進んだ際に、小坂が田代に「田代さんどうしたらいいですかね?」と相談しに来た小坂に対し田代は「いや、伝説作っちゃえば?」とアドバイスされ、決勝戦でおもいきり近藤真彦を投げ飛ばしてしまう。当時ジャニーズ所属タレントに勝ってはいけないという暗黙のルールが存在していたが、小坂は田代のアドバイス道りの行動を実行。当然プロデューサーから怒鳴られ、その場で帰るように言われ、その後しばらくTVに出ることが出来なかったという。その後ピコ太郎として再びTVに出て来た小坂を見て、申し訳なく思っていた田代はホッとしたという[22]。 底ぬけAIR-LINEとしての活動後期は、既にテクノを取り入れた音楽コントを展開していたが、当時影響を受けていた電気グルーヴの石野卓球にそのコントの感想を聞きに行ったところ、「(テクノを取り入れたコントは)止めた方がいいですね」とあっさり言われた古坂は「卓球さんから言われたら本当に辞めなくちゃいけないじゃないですか!」と言っていた。その一連の流れは当時番組で放送していたため、それを観ていた視聴者の中には本当にその卓球の発言が原因で、底ぬけAIR-LINEが解散したのかと思っている者もいる[23]。 趣味・嗜好人なつっこい『コマオー』という名前のネコを飼っている[24]。コマオーは田中裕二から譲り受けた。古坂曰く、コマオーは会話が出来るとのことで、パソコンのキーボードを踏んづけて「ニャア〜」と入力したこともあったという[17]。 芸人界きってのアイドル好きを自称[25]。ニッポン放送で「古坂大魔王のアイドル倶楽部」というラジオ番組を持っていた。2013年からアイドルユニット・アイドル妖怪カワユシ♥をプロデュース[26]。MAX[27]、ももいろクローバーZ[28]、でんぱ組.inc、BABYMETAL、モーニング娘。などのファン[29]。 小学生の時は本気でプロレスラーになりたく、小学6年生の時は既に体重100kgを超える体格にしていた。その6年生の時に地元青森に来ていた新日本プロレスの大会を観に行き、その場で弟子入り志願のつもりでアントニオ猪木の目の前で土下座をした。そこで猪木に「(弟子に)なりたいのか?」と言われて「なりたいです!」と答えると、猪木に背中を叩かれて「痛いか?」と聞かれ、古坂は声を絞り出すように「い、痛いです…」と答えると「痛いか。じゃあやめろ」と猪木に言われ、これがきっかけでプロレスの道を諦めた[30][31]。また、P-MODELの平沢進が異母犯抄の名義で長州力に提供した曲「パワー・ホール」を小学生時代に聴き、「ああいうピコピコ音ってなんなんだろう?」と子供ながらに思うようになりゲーム曲なども好きになった[32]。 家族関係3人兄弟の次男。古坂自身186cmの長身であるが、兄186cm、弟184cmと兄弟もそろって長身である。学生時代はブラスバンド部に所属[33]。兄は地元で会社員をしているが上田ちゃんネルに度々登場している。弟は政治学者で国士館大学准教授の古坂正人。 兄弟3人でお金を工面し、朝日放送(ABC)制作、テレビ朝日系列で放送されている大改造!!劇的ビフォーアフターの「有名人の実家リフォーム相談スペシャル」に「父が雪下ろしで屋根から転落しないよう、実家をリフォームをしてほしい」と応募。「安住空間の探求者」である本間貴史[34]を招き、豪雪地帯青森市にある老朽化した実家をリフォームした[35]。 出演現在のレギュラー番組テレビ
ラジオネット配信
過去のレギュラー番組
その他の出演番組
CMネット配信
映画
オリジナルビデオ
舞台
ゲームプロデュース
DVD音楽活動キャラクターソング
ピコ太郎
ピコ太郎(Pikotaro、ピコたろう、1963年7月17日 - )は、古坂が扮するシンガーソングライター[55][56]。ただし「古坂はピコ太郎のプロデューサー」とし、ピコ太郎とは別人という設定で活動している[57][58][59]。YouTuberとして2016年8月、動画投稿サイト「YouTube」上に「ペンパイナッポーアッポーペン」(PPAP) を投稿して以降、世界的なヒットをみせている。 「PPAP-2020-」は、「日本ユニセフ協会 UNICEF東京事務所」が推奨している[60]。 概要キャラクターのプロフィール上では、古坂のちょうど10歳年上である1963年(昭和38年)7月17日生まれの、千葉県出身のシンガーソングライターであり[61][62]、2016年当時は新婚で25歳年上の妻がいる[63][注 3]とされる。血液型はA型[61]。短髪(本人曰く『スポーツ刈りの前髪が無いやつ』)のかつらにパイソン柄の服を着、ヒョウ柄のストール、サングラスをかけた風貌をしている。尊敬するシンガーは、スティービー・ワンダーやマライヤ・キャリー、石川さゆり、杏里など[61]。また、ジャスティン・ビーバーには恩を感じている[61]。 2016年、前述の通り「ペンパイナッポーアッポーペン」(以下「PPAP」と略し、「元動画」とする)を歌う動画が動画再生回数が1億回を超え、話題となる。同曲の世界的ヒットの理由を中国の今日頭条(ByteDance(字節跳動)系)が分析をしている。同紙によれば、そもそも幼稚園児レベルでも真似ることができる「シンプルさ」がベースにあり、カップル動画や双子ダンスなどを生んだ動画編集/投稿アプリ「MixChannel」(ミクチャ)などにおける素人のカバー動画「やってみた」(3600件以上[56])がムーブメントを惹起し、ファッションリーダーでもある人気芸能人の真似や評価が注目度を集める「スター効果」が加わって成功したとしている[65]。しかしこれは、日本のみで流行したリズムネタと同様の経過である。日本語で構成される他の日本のリズムネタ[56]とは異なり、英語歌詞で構成された[56]ことで、「やってみた」段階で英語圏の「9GAG」が、「スター効果」においても同様に英語圏のジャスティン・ビーバーが参入し、世界的な展開を見せた。 来歴2011年(平成23年)1月15日、古坂の第2回単独ライブ「だから! 昔っからメンドクサイ男です」(於:ライブホール・オーヴ渋谷)において、ピコ太郎が初登場した[66][67][68]。 2015年(平成27年)3月8日、「東MAXプレゼンツ第7回東日本応援チャリティライブinいわき」(於:福島県いわき市・鹿島ショッピングセンターエブリア)に古坂大魔王としてピコ太郎の扮装で出演し、「PPAP」などを披露した[69][70]。 2016年(平成28年)3月19日[71]、古坂が準レギュラー出演している仙台放送「あらあらかしこ」のコーナーの1つ『古坂大マ王のおしゃべりブログ』にピコ太郎が出演し、「PPAP」をスタジオで初めて生演奏した[72](インディーズ時代唯一のテレビ出演[63])。そのまま古坂に代わってピコ太郎がコメンテーター席に着き、収録が続けられた[72]。 8月25日、自腹(約10万円[63])で制作した「ペンパイナッポーアッポーペン」を「YouTube」上に公開[73]。古坂と親しいAAA、LiSA、Silent Sirenらにリンクを貼って知らせたところ拡散され[63][56]、ミニブログ「Twitter」や日本国内の女子高生などに人気の動画編集/投稿アプリ「MixChannel」(ミクチャ)において、元動画を模倣したカバー動画のアップロードが相次ぐようになり[56][74](「りかりこ」によるやってみたのアップロードはTwitterには9月16日[75]、ミクチャには9月19日[76])、シルバーウィーク(9月17日-25日)には特に盛り上がりを見せた。9月21日配信のネット記事では、元動画の再生回数が60万回を超えたと報道された[74]。9月24日にはNMB48のメンバーにも人気とのネット記事があった[77]。再生回数は9月25日の記事では100万回超えを伝えた[78]。 英語圏ではソーシャルメディア「9GAG」で動画が共有されて広がった[63][56][79]。日本でシルバーウィークが終わった翌日の9月26日、タイム(米国)が、一気に拡散されることを意味する「ヴァイラル」(本来は「ウイルス性の」の意)との言葉を使って「"Next Viral Hit" かも知れない」と表現した[80]。翌9月27日、ジャスティン・ビーバー(カナダ人歌手)がツイッター上に「インターネット上の私のお気に入り動画」と紹介した[81]ことから、同日中にBBC[82](英国)およびCNN[83](米国)も取り上げ、元動画の再生回数は9月29日18時時点で一気に936万回を超え[84]、10月4日時点ではその倍以上の1900万回を超えた[6]。 YouTubeの週間再生回数ランキング『ミュージック全世界トップ100 (YouTube Music Global Top 100[85])』では、集計期間:9月30日 - 10月6日において関連動画を含めると累計1億3400万回に上り、2位のザ・チェインスモーカーズの「クローサー[86]」(7月29日リリース)の7050万回にダブルスコア近い差をつけて世界1位になった[56][87](同週を含めて3週間1位を保持[85])。同ランキングにおいて日本人が世界1位を獲るのは初めてである[87]。 10月7日に「ペンパイナッポーアッポーペン」ほか4曲を世界134カ国で配信リリースした[88]。同日、9GAGのAMA (ask me anything)[90]に登場した[91]。10月12日時点で、元動画の視聴数は4000万回を超えた[87]。10月14日に初めての全国放送(テレビ朝日系列「ミュージックステーション」)に出演した[92]。 10月19日、アメリカのビルボードソングチャート(Billboard Hot 100)にて、2016年10月29日の週で初登場77位を記録したと発表された[93][94]。これは、日本人として松田聖子に次ぐ26年振り・7人目のチャートインである[95][96]。また、ビルボードにチャートインした最も短い曲としてウィメンフォークの"Little Boxes"が持っていた1分02秒という記録を52年振りに塗り替え、わずか45秒の曲でチャートインという新記録を打ち立てた[94]。10月28日、日本外国特派員協会に招聘されて記者会見がなされ、その席で「ペンパイナッポーアッポーペン」がギネス世界記録に「全米ビルボードトップ100に入った世界最短曲」として認定されたことが発表された[97][98]。元動画の視聴数は、12月20日時点で1億回を超えた[99]。 11月18日、YouTubeにて『セサミストリート』のキャラクターであるエルモとクッキーモンスターとコラボレーションした動画が公開された。世界的アーティストとのコラボを重ねてきた同キャラクターと共演した日本人アーティストはピコ太郎が最初であり、2019年現在コラボを行った唯一の日本人である[100]。
【ランキング】 【再生回数】(単位:万回) 2,500
5,000
7,500
10,000
12,500
15,000
9/9
16
23
30
10/7
14
21
28
11/4
11
18
25
2017年(平成29年)3月5日、「ピコ太郎 PPAPPT in 日本武道館」開催[101]。シンガーソングライターピコ太郎の初武道館公演となった。ゲストはSILENT SIREN[102]、マス寿司三人前[102](※ももいろクローバーZ内の派生ユニット)(玉井詩織・有安杏果・高城れに)、LiSA[102]、高須克弥、爆チュー問題、ダニー・メタル(Danny Metal, イタリアのYouTuber)、モリッツ・ガース(Moritz Garth, ドイツのYouTuber)、五木ひろし、東京スカパラダイス・オーケストラ。前説は上田晋也(くりぃむしちゅー)[102]、国立劇場 (PNSP)、高田延彦に扮した有田哲平(くりぃむしちゅー)。エレキ・パーカッション演奏はピコッツァ・鈴木・ゼブラーノ(MASAKing a.k.a. 鈴來正樹)[103]。 9月30日、外務省より、SDGs推進大使を委嘱される。7月にニューヨークの国連本部で「PPAP」のSDGsバージョン「Public Private Action for Partnership」を披露し、国際的に日本の顔としての活躍を期待し任命された[104]。 10月6日、ウガンダ共和国より「ウガンダ観光大使」をヨウェリ・ムセベニ大統領より任命される。 2018年(平成30年)2月22日、三重県、神奈川県などの地方自治体が主催する日本忍者協議会がピコ太郎を「アジアPRアンバサダー」に起用。 アジア圏で抜群の知名度を誇るピコ太郎に、日本の伝統でもある「NINJA」を普及してほしいという理由にて就任要請し登壇。 4月22日、凱旋ライブとして、コクーンシティさいたま新都心にて、単独フリーライブを開催。日本では約1年1ヶ月ぶりのライブになり、約3000名が来場。ももクロと制作した「Vegetable」を初披露した[105]。 作品配信シングル
アルバム
その他出演
テレビアニメ
音楽番組
CM
受賞
芸能活動以外での肩書
脚注注釈出典
参考文献
関連項目外部リンク古坂大魔王
ピコ太郎(外部リンク)
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