国頭村(くにがみそん)は、沖縄県の沖縄本島北端に位置する村[1]。国頭郡に属している。
地理
村の面積は19,480haで、沖縄県の市町村面積では竹富町、石垣市、名護市、宮古島市に次いで5番目に広い面積を有し、沖縄県全体面積の約8.5%を占める[1]。
村の南側は伊湯岳(標高446m)を源流として、西に流れる屋嘉比川や東に流れる高江川が、大宜味村や東村との境界になっている[1]。また村の中央部には、沖縄本島最高峰の与那覇岳(標高503m)をはじめ、西銘岳(標高420m)、伊部岳(標高353m)などが連なる[1]。
村域の土地利用をみると、約84.3%が森林で、農地は約1.7%にすぎない[1]。森林域はいわゆる「やんばるの森」で、ヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネなどの多種多様な固有種や希少種が生息している[1]。
沖縄本島の最北端に位置する辺戸岬と、鹿児島県に属する与論島は28kmしか離れていない為、晴れている時には与論島が望める。ただし、与論島は総じて平坦なため、与論島から辺戸岬を見た場合程には明瞭ではない。なお、村の面積の23%を、米国海兵隊の訓練場が占めている。森林セラピー基地認定。
気候
沖縄気象台のアメダスが村内の奥と比地の2ヶ所に設置されている(後者は降水量のみ)。過去には、与那覇岳にも設置されていた。
奥にあるアメダスは、沖縄本島では最も北に位置する観測点である。標高が232mと高いため、さらに北に位置する伊是名島や与論島等の気温よりも低くなる傾向があり、県内ニュースなどにおいて「国頭村奥で●°C、今季一番の冷え込み」等、冬場の最低気温の話題になることが多い。沖縄県ではめったにない1桁台の気温を毎年記録している。年の最低気温はほとんど1月から3月にかけて観測される。
国頭村奥(奥地域気象観測所)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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25.3 (77.5)
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26.2 (79.2)
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28.5 (83.3)
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28.9 (84)
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31.0 (87.8)
|
33.2 (91.8)
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34.2 (93.6)
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33.8 (92.8)
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33.6 (92.5)
|
32.1 (89.8)
|
28.4 (83.1)
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26.6 (79.9)
|
34.2 (93.6)
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平均最高気温 °C (°F)
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17.4 (63.3)
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17.9 (64.2)
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19.8 (67.6)
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22.3 (72.1)
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25.1 (77.2)
|
28.3 (82.9)
|
30.5 (86.9)
|
30.1 (86.2)
|
28.8 (83.8)
|
25.8 (78.4)
|
22.6 (72.7)
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19.1 (66.4)
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24.0 (75.2)
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日平均気温 °C (°F)
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14.7 (58.5)
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14.9 (58.8)
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16.5 (61.7)
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19.0 (66.2)
|
21.8 (71.2)
|
25.0 (77)
|
26.9 (80.4)
|
26.7 (80.1)
|
25.6 (78.1)
|
23.1 (73.6)
|
20.1 (68.2)
|
16.5 (61.7)
|
20.9 (69.6)
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平均最低気温 °C (°F)
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12.7 (54.9)
|
12.7 (54.9)
|
14.1 (57.4)
|
16.5 (61.7)
|
19.5 (67.1)
|
22.9 (73.2)
|
24.7 (76.5)
|
24.7 (76.5)
|
23.6 (74.5)
|
21.3 (70.3)
|
18.2 (64.8)
|
14.6 (58.3)
|
18.8 (65.8)
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最低気温記録 °C (°F)
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3.1 (37.6)
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4.8 (40.6)
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5.2 (41.4)
|
10.8 (51.4)
|
12.6 (54.7)
|
15.7 (60.3)
|
19.8 (67.6)
|
20.3 (68.5)
|
17.7 (63.9)
|
15.1 (59.2)
|
11.1 (52)
|
7.2 (45)
|
3.1 (37.6)
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降水量 mm (inch)
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143.9 (5.665)
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159.7 (6.287)
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194.6 (7.661)
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199.4 (7.85)
|
281.8 (11.094)
|
342.8 (13.496)
|
199.6 (7.858)
|
230.3 (9.067)
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271.5 (10.689)
|
225.9 (8.894)
|
189.5 (7.461)
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155.2 (6.11)
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2,594.1 (102.13)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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13.4
|
12.9
|
13.6
|
12.6
|
13.8
|
14.9
|
10.1
|
12.9
|
13.7
|
11.8
|
10.8
|
12.5
|
152.9
|
平均月間日照時間
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77.6
|
82.8
|
113.0
|
126.9
|
145.0
|
170.7
|
245.1
|
218.6
|
167.5
|
130.2
|
94.0
|
79.8
|
1,651.1
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出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1977年-現在)[3][4]
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地域
元は村制前の16村を引き継いだ16字を置いていたが、のちに4字新設され、現在は20字を数える。
- 安田(あだ) - 集落の東方約500mに安田ヶ島がある。
- 安波(あは)
- 伊地(いじ)
- 宇嘉(うか)
- 宇良(うら)
- 奥(おく)
- 奥間(おくま)
- 我地(がじ)
- 佐手(さて)
- 謝敷(じゃしき)
- 楚洲(そす)
- 浜(はま)
- 比地 (ひじ)
- 辺戸(へど)
- 辺野喜(べのき)
- 辺土名(へんとな)
- 与那(よな)
以下は1951年に新設された字。
- 鏡地(かがんじ):奥間の一部が独立。
- 宜名真(ぎなま):辺戸の一部が独立。
- 桃原(とうばる):奥間の一部が独立。
- 半地(はんじ):奥間の一部が独立。
また、伊地地区の北(赤崎付近)に昭和期まで田名(だな)、楚洲地区の西方・西銘岳 (420.1m) 中腹に大正期まで横芭(よこば)という集落があったが、いずれも廃村となった。
隣接している自治体
人口
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国頭村と全国の年齢別人口分布(2005年)
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国頭村の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 国頭村 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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国頭村(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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7,324人
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1975年(昭和50年)
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6,568人
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1980年(昭和55年)
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6,873人
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1985年(昭和60年)
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6,510人
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1990年(平成2年)
|
6,114人
|
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1995年(平成7年)
|
6,015人
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2000年(平成12年)
|
5,825人
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2005年(平成17年)
|
5,546人
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2010年(平成22年)
|
5,188人
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2015年(平成27年)
|
4,908人
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2020年(令和2年)
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4,517人
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総務省統計局 国勢調査より
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歴史
行政
歴代村長
特記なき場合『村勢要覧』による[7]。
代 |
氏名 |
就任 |
退任 |
備考
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国頭間切長
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不詳 |
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国頭村長(官選)
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初 |
金城永元 |
明治41年 |
大正3年 |
|
2-4 |
宮城永期 |
大正3年 |
大正13年 |
|
5 |
知花高直 |
大正13年 |
昭和3年 |
|
6 |
宮城親吉 |
昭和3年 |
昭和4年 |
|
7-11 |
知花高直 |
昭和4年 |
昭和19年 |
|
12 |
平良吉盛 |
昭和19年 |
昭和20年 |
|
国頭村長(米軍統治下)
|
13 |
平良吉盛 |
昭和21年 |
昭和23年 |
|
14-16 |
新里善福 |
昭和23年 |
昭和31年 |
|
17-20 |
山川武夫 |
昭和31年 |
昭和47年 |
|
国頭村長(公選)
|
21-23 |
饒波正一郎 |
昭和47年 |
昭和59年 |
|
24 |
宮城勇 |
昭和59年 |
昭和63年 |
|
25-26 |
仲原弘 |
昭和63年 |
平成8年 |
|
27 |
大城久利 |
平成8年 |
平成12年 |
|
28-29 |
上原康作 |
平成12年 |
平成20年 |
|
30 |
宮城馨 |
平成20年 |
平成24年 |
|
31-32 |
宮城久和 |
平成24年 |
令和2年 |
|
33 |
知花靖 |
令和2年4月7日 |
現職 |
|
姉妹都市・提携都市
産業
産業別人口は、第一次21.0%、第二次18.7%、第三次60.3%である。公務員や建設業従事者、奥間にあるオクマ プライベートビーチ&リゾートの観光業などが特徴的。農業では、豚・肉牛・パイナップル・マンゴー・キクが上位を占める。豚・肉牛は、奥地区や楚洲地区・伊部地区に立地する畜産基地によるもの。また、北部の奥地区は、茶(おくみどり)の産地となっている。共同店がある集落が多い。
金融機関
郵便
- 国頭郵便局
- 国頭村、大宜味村の集配を担当。郵便番号は「905-14xx」(奥、安波、楚洲、安田を除く地域)、「905-15xx」(奥、安波、楚洲、安田の東部地域)、「905-13xx」(大宜味村)。
- 奥簡易郵便局
- 安田簡易郵便局
教育
- 幼稚園
- 小学校
- 国頭村立奥間小学校
- 国頭村立辺土名小学校
- 国頭村立佐手小学校
- 国頭村立北国小学校
- 国頭村立奥小学校
- 国頭村立安田小学校
- 国頭村立安波小学校
- 中学校
交通
路線バス
- 67番(辺土名線) - 琉球バス交通・沖縄バスが共同運行。主に国道58号を通り、名護市・大宜味村と国頭村中心部の辺土名バスターミナルを結ぶ。
- 名護バスターミナル - 伊差川 - 真喜屋 - 源河 - 塩屋入口 - 大宜味 - 辺土名高校前 - 奥間ビーチ入口 - 辺土名 - 辺土名バスターミナル ※この字体は国頭村内
- 国頭村営バス - 村内の辺土名以北の地域を運行する村営バス。村役場前の辺土名バス停を起点、国道58号・県道70号の起点(国道58号の沖縄県内起点)にある奥バス停を終点とする2路線。
- 東線 - 県道2・70号経由(辺土名 - 安波 - 安田 - 楚洲[ - 奥])
- 奥線 - 国道58号・辺戸岬経由(辺土名 - 辺野喜 - 宜名真 - 辺戸岬 - 辺戸 - 奥)
村東部の安波・安田・楚洲を経由する東線と、村北部の与那・宜名真・辺戸岬・奥を経由する奥線がある。一部本数はデマンドバスとなっており、東線の定期運行は楚洲終点。
道路
- 宜名真漁港 - 第4種漁港
- 奥港 - 地方港湾
- 辺土名漁港 - 第1種漁港
- 安田漁港 - 第4種漁港
- 国頭浜漁港 - 第1種漁港
医療
観光・スポーツ
名所・旧跡・文化財
スポーツと施設
出身者
脚注
注釈
- ^ 沖縄県内の最低気温では、1963年1月20日の久米島の最低気温2.9°Cに次いで観測史上2番目に低い記録であり、本土復帰後の記録では最も低い。
出典
参考文献
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
国頭村に関連するカテゴリがあります。