宝達志水町(ほうだつしみずちょう)は、石川県の中部にある町。能登半島の付け根にあり、羽咋郡に属する。町内には能登地方の最高峰である宝達山(標高637メートル)を有する。
旧能登国最南部に近く、能登地方では最も加賀地方寄りの「口能登」(くちのと)に位置する[1]。県庁所在地である金沢市への通勤率は15.3%(平成17年国勢調査)。
石川県の町は、平成の大合併より以前までは総て「まち」と読んでいたが、新設された当町と能登町は「ちょう」と読む。
地理
自然地理
隣接する自治体
町域は日本海側から富山県との県境まで広がっている。
歴史
石川県内で最初の旧石器が発掘された。縄文時代や弥生時代の遺跡も町内各地で発掘されている。
天正12年(1584年)には前田利家と佐々成政の間で末森城を巡る攻防戦が行なわれた(末森城の戦い)。
江戸時代には、加賀藩の農政の末端を担う十村役として喜多家と岡部家が置かれた。
宝達山には金山があり1903年(明治36年)の『加賀藩貨幣録』によると、1584年(天正12年)に開山し、坑道12箇所の崩落により閉山した1628年(寛永5年)まで採掘された[2]。宝達山での金の採掘が衰えたため、鉱夫は加能越三国(加賀国、能登国、越中国)の堤防や用水路の工事に従事するようになり、宝達(宝達者)と呼ばれ、辰巳用水(金沢市)の掘削や宝達川の堤防工事などにも加わったといわれるが資料が少なく詳しいことはわかっていない[2]。
旧押水町の紺屋町地区には、押水町の名前の由来となった「押しの泉」と呼ばれる湧水がある。昔、弘法大師がこの地を通った時に水を求めたところ、老婆が一杯の水を恵んでくれた。その礼として大師が杖で岩を押したところに清水が湧き出たという弘法水伝説が残されている。
2013年(平成25年)、国際連合食糧農業機関(FAO)が推進する世界重要農業遺産システムに認定されていた「能登の里山里海」に追加認定された。
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度5強を観測[3]。断水などの甚大な被害が出た。
沿革
- 町の名称を決める際に「宝達町(宝達山から命名)」を推す押水町と「志水町(志雄の「志」と押水の「水」)」を推す志雄町が互いに最後まで譲らなかった[4]ため、二つをつなげて町名とした。
人口
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宝達志水町と全国の年齢別人口分布(2005年)
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宝達志水町の年齢・男女別人口分布(2005年)
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■紫色 ― 宝達志水町 ■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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宝達志水町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
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17,107人
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1975年(昭和50年)
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17,091人
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1980年(昭和55年)
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17,115人
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1985年(昭和60年)
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17,306人
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1990年(平成2年)
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16,897人
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1995年(平成7年)
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16,409人
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2000年(平成12年)
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15,891人
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2005年(平成17年)
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15,236人
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2010年(平成22年)
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14,277人
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2015年(平成27年)
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13,174人
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2020年(令和2年)
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12,121人
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総務省統計局 国勢調査より
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行政
町長
町役場庁舎
2005年(平成17年)3月1日から2010年(平成22年)3月31日まで分庁方式をとっていたが、2010年(平成22年)4月1日からは志雄庁舎に統合された(2010年(平成22年)3月31日をもって押水庁舎は行財政改革と庁舎の老朽化の為に閉鎖された)
- 本庁舎(旧志雄庁舎)
- 石川県羽咋郡宝達志水町子浦そ18番地1(〒929-1492)
- 町民センターアステラス
- 石川県羽咋郡宝達志水町門前サ11番地(〒929-1311)
- 押水庁舎(2010年(平成22年)3月末で閉鎖)
- 石川県羽咋郡宝達志水町小川ハ250番地(〒929-1392)
姉妹都市・提携都市
経済
産業
工業
農協
金融機関
郵便局
地域
学校教育
高等学校
中学校
- 宝達志水町立(1校)
- 宝達中学校
- 押水中学校(平成27年3月統合に伴い閉校)
- 志雄中学校(平成27年3月統合に伴い閉校)
上記2中学校を統合した宝達中学校が、平成27年4月に開校。
小学校
- 宝達志水町立(5校)
- 相見小学校
- 押水第一小学校
- 志雄小学校
- 樋川小学校
- 宝達小学校
社会教育
図書館
- 宝達志水町立
- 押水図書館(平成27年3月31日閉鎖)
- 図書館(平成27年4月1日押水図書館閉鎖に伴い、志雄図書館から町立図書館に名称変更)
交通
鉄道路線
公共交通
道路
観光
祭礼
- 子浦の獅子舞:久保町青年団(勇壮な越中獅子)
- 菅原の獅子舞(幻想的な能登獅子)
- 蓮華山大相撲(500年余りの伝統を誇り、加賀・能登・越中から各郷土自慢の力士たちが、夜遅くまで熱戦を繰り広げる)
名所・旧跡
保養・休憩施設
特産品
- 宝達葛(葛粉)
- イチジク
- おだまき(餅菓子)
- オムライス(起源とされる店の一つとして、宝達志水町出身のシェフ・北橋茂男が、大阪市にある洋食店「北極星」の前身の店でオムライスを考案したことに因み、オムライスを通じて町おこしを行っている[8]。「おむてなし隊」に参加する飲食店7軒が独自に工夫した料理を提供している[9]。)
出身有名人
脚注
参考文献
- 中村伸浩、青木保(編)、1999、「新宗教と日本イメージ」、梶原景昭(編)『情報社会の文化1 情報化とアジア・イメージ』、東京大学出版社〈情報社会の文化〉 pp. 73-196
関連項目
外部リンク
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