小倉大賞典(こくらだいしょうてん)は、日本中央競馬会(JRA)が小倉競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GIII)である。
正賞は福岡県知事賞[1][2]。
概要
1967年に4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走として創設[3]。マイル - 中距離路線での飛躍を狙う馬にとって重要な競走とされている[4]。
施行場・距離・施行時期・競走条件は幾度かの変遷を経て、2000年以降は2月の小倉開催で定着している[3]。
外国産馬は1999年と2000年、および2005年以降出走可能となり[5]、2009年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[3]。また、2020年からは地方競馬所属馬も出走可能になった。
本競走はフェブラリーステークスと同日に施行される。
競走条件
以下の内容は、2023年現在[1][2][6]のもの。
出走資格:サラ系4歳以上
- JRA所属馬
- 地方競馬所属馬(認定馬のみ、2頭まで)
- 外国調教馬(優先出走)
負担重量:ハンデキャップ
賞金
2023年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[1][2]。
歴史
- 1967年 - 4歳以上の馬によるハンデキャップの重賞競走として創設、小倉競馬場の芝1800mで施行[3]。
- 1969年 - この年のみ、名称を「セントウルステークス」に変更して施行[5]。
- 1984年 - グレード制施行によりGIII[注 1]に格付け。
- 1999年 - 混合競走に指定され、外国産馬が出走可能になる(2000年まで)[5]。
- 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「4歳以上」に変更。
- 2005年 - 混合競走に再指定[5][7]。
- 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[8]。
- 2009年
- 国際競走に変更され、外国調教馬は8頭まで出走可能となる[9]。
- 格付表記をGIII(国際格付)に変更[9]。
- 2020年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能になる。
- 2021年 - 新型コロナウイルス感染拡大防止のため「無観客競馬」として実施[10]。
歴代優勝馬
距離はすべて芝コース。
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。
競走名は第3回のみ「セントウルステークス」[5]。
競走条件は第1回・第3回・第6回・第16回が「4歳(現3歳)以上」[5]。
回数 |
施行日 |
競馬場 |
距離 |
優勝馬 |
性齢 |
タイム |
優勝騎手 |
管理調教師 |
馬主
|
第1回 |
1967年8月20日 |
小倉 |
1800m |
クリバツク |
牡3 |
1:50.6 |
田島良保 |
谷八郎 |
有馬静雄
|
第2回 |
1968年4月21日 |
小倉 |
1800m |
アトラス |
牡4 |
1:50.9 |
武邦彦 |
戸山為夫 |
松岡重雄
|
第3回 |
1969年9月7日 |
阪神 |
1900m |
ダイイチオー |
牡4 |
1:57.7 |
武邦彦 |
高橋直三 |
上田正次
|
第4回 |
1970年2月22日 |
小倉 |
1800m |
ウチュウオー |
牡4 |
1:50.2 |
大根田裕也 |
梅内慶蔵 |
工藤玄治
|
第5回 |
1971年4月11日 |
小倉 |
1800m |
ビーティーエイト |
牡4 |
1:51.6 |
四位満教 |
柳田次男 |
梶原重雄
|
第6回 |
1972年7月23日 |
小倉 |
1800m |
フェロースピード |
牡3 |
1:50.2 |
武邦彦 |
服部正利 |
堀内正男
|
第7回 |
1973年4月15日 |
小倉 |
1800m |
シバタケ |
牡4 |
1:54.0 |
高崎詠三郎 |
橋本正晴 |
内芝伝一
|
第8回 |
1974年4月14日 |
小倉 |
1800m |
ノボルトウコウ |
牡5 |
1:50.9 |
安田富男 |
加藤朝治郎 |
渡辺喜八郎
|
第9回 |
1975年4月13日 |
小倉 |
1800m |
ロッコーイチ |
牡5 |
1:52.4 |
河内洋 |
服部正利 |
水上力夫
|
第10回 |
1976年4月4日 |
小倉 |
1800m |
グレイトファイター |
牡4 |
1:49.8 |
久保一秋 |
吉永猛 |
小山伸彦
|
第11回 |
1977年4月17日 |
小倉 |
1800m |
アランフェス |
牝4 |
1:54.5 |
伊藤清章 |
伊藤修司 |
(有)荻伏牧場
|
第12回 |
1978年4月9日 |
小倉 |
1800m |
ミヤジマレンゴ |
牡5 |
1:49.9 |
武田悟 |
夏村辰男 |
曽我薫
|
第13回 |
1979年4月8日 |
小倉 |
1800m |
アグネスプレス |
牡4 |
1:51.8 |
須崎昇 |
久保道雄 |
渡辺孝男
|
第14回 |
1980年4月6日 |
小倉 |
1800m |
グリーンダッシュ |
牡4 |
1:54.3 |
牧野三雄 |
荻野光男 |
田上竹弘
|
第15回 |
1981年4月5日 |
小倉 |
1800m |
ローベルギフト |
牡4 |
1:54.4 |
安田隆行 |
松元省一 |
細川栄市
|
第16回 |
1982年7月25日 |
阪神 |
2000m |
ニシノチェニル |
牝4 |
2:03.1 |
岩元市三 |
長浜彦三郎 |
西山正行
|
第17回 |
1983年4月3日 |
小倉 |
1800m |
スナークアロー |
牡4 |
1:50.0 |
西浦勝一 |
柳田次男 |
杉本仙次郎
|
第18回 |
1984年4月1日 |
小倉 |
1800m |
ヤマノシラギク |
牝5 |
1:49.8 |
清水英次 |
大久保正陽 |
奥村啓二
|
第19回 |
1985年3月31日 |
小倉 |
1800m |
グローバルダイナ |
牝5 |
1:49.2 |
南井克巳 |
宇田明彦 |
(有)社台レースホース
|
第20回 |
1986年3月30日 |
小倉 |
1800m |
マチカネイシン |
牡4 |
1:50.7 |
河内洋 |
武田作十郎 |
細川益男
|
第21回 |
1987年2月22日 |
小倉 |
1800m |
トウショウレオ |
牡5 |
1:48.1 |
田島良保 |
鶴留明雄 |
トウショウ産業(株)
|
第22回 |
1988年2月21日 |
小倉 |
1800m |
トウショウレオ |
牡6 |
1:50.2 |
田島良保 |
鶴留明雄 |
トウショウ産業(株)
|
第23回 |
1989年2月19日 |
小倉 |
1800m |
ダイカツケンザン |
牡5 |
1:52.0 |
西浦勝一 |
福島勝 |
志賀泰吉
|
第24回 |
1990年2月18日 |
小倉 |
1800m |
ミスターヤマノ |
牡5 |
1:50.2 |
樋口弘 |
福永甲 |
山口久夫
|
第25回 |
1991年2月17日 |
小倉 |
1800m |
レッツゴーターキン |
牡4 |
1:49.6 |
小島貞博 |
橋口弘次郎 |
(株)日本ダイナースクラブ
|
第26回 |
1992年2月23日 |
小倉 |
1800m |
ワイドバトル |
騸5 |
1:49.7 |
土肥幸広 |
吉永猛 |
杉山弘
|
第27回 |
1993年2月21日 |
小倉 |
1800m |
ワンモアラブウエイ |
牝4 |
1:49.6 |
角田晃一 |
渡辺栄 |
松井一三
|
第28回 |
1994年2月20日 |
小倉 |
1800m |
メイショウマリーン |
牝6 |
1:50.2 |
田島信行 |
高橋直 |
松本好雄
|
第29回 |
1995年2月19日 |
小倉 |
1800m |
メイショウレグナム |
牡7 |
1:48.6 |
武豊 |
武邦彦 |
松本好雄
|
第30回 |
1996年2月18日 |
小倉 |
1800m |
アラタマワンダー |
牡7 |
1:47.8 |
安田康彦 |
新川恵 |
荒木みち
|
第31回 |
1997年2月16日 |
小倉 |
1800m |
オースミマックス |
牡6 |
1:48.4 |
菊沢隆徳 |
白井寿昭 |
山路秀則
|
第32回 |
1998年4月18日 |
中京 |
1800m |
サイレンススズカ |
牡4 |
1:46.5 |
武豊 |
橋田満 |
永井啓弍
|
第33回 |
1999年4月17日 |
中京 |
1800m |
スエヒロコマンダー |
牡4 |
1:46.4 |
藤田伸二 |
松元茂樹 |
(株)みどり住宅
|
第34回 |
2000年2月6日 |
小倉 |
1800m |
ジョービッグバン |
牡5 |
1:48.0 |
山田和広 |
坪正直 |
上田けい子
|
第35回 |
2001年2月4日 |
小倉 |
1800m |
ミスズシャルダン |
牡6 |
1:49.5 |
M.デムーロ |
加藤敬二 |
永井啓弍
|
第36回 |
2002年2月3日 |
小倉 |
1800m |
タマモヒビキ |
牡6 |
1:48.0 |
小原義之 |
小原伊佐美 |
タマモ(株)
|
第37回 |
2003年2月9日 |
小倉 |
1800m |
マイネルブラウ |
牡6 |
1:49.1 |
川島信二 |
安藤正敏 |
(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
|
第38回 |
2004年2月8日 |
小倉 |
1800m |
メイショウバトラー |
牝4 |
1:49.1 |
藤田伸二 |
高橋成忠 |
松本好雄
|
第39回 |
2005年2月6日 |
小倉 |
1800m |
メイショウカイドウ |
牡6 |
1:46.4 |
武豊 |
坂口正大 |
松本好雄
|
第40回 |
2006年2月4日 |
小倉 |
1800m |
メジロマイヤー |
牡7 |
1:47.2 |
川田将雅 |
田島良保 |
(有)メジロ牧場
|
第41回 |
2007年2月3日 |
小倉 |
1800m |
アサカディフィート |
騸9 |
1:46.8 |
小牧太 |
鶴留明雄 |
林順子
|
第42回 |
2008年2月9日 |
小倉 |
1800m |
アサカディフィート |
騸10 |
1:47.7 |
中舘英二 |
鶴留明雄 |
林順子
|
第43回 |
2009年2月7日 |
小倉 |
1800m |
サンライズマックス |
牡5 |
1:44.9 |
横山典弘 |
増本豊 |
松岡隆雄
|
第44回 |
2010年2月6日 |
中京 |
1800m |
オースミスパーク |
牡5 |
1:47.2 |
藤岡康太 |
南井克巳 |
(株)オースミ
|
第45回 |
2011年2月5日 |
小倉 |
1800m |
サンライズベガ |
牡7 |
1:45.3 |
秋山真一郎 |
音無秀孝 |
松岡隆雄
|
第46回 |
2012年2月4日 |
小倉 |
1800m |
エーシンジーライン |
牡7 |
1:46.3 |
川須栄彦 |
坂口正則 |
(株)栄進堂
|
第47回 |
2013年2月17日 |
小倉 |
1800m |
ヒットザターゲット |
牡5 |
1:46.4 |
大野拓弥 |
加藤敬二 |
前田晋二
|
第48回 |
2014年2月23日 |
小倉 |
1800m |
ラストインパクト |
牡4 |
1:45.3 |
川田将雅 |
松田博資 |
(有)シルク
|
第49回 |
2015年2月22日 |
小倉 |
1800m |
カレンブラックヒル |
牡6 |
1:48.3 |
秋山真一郎 |
平田修 |
鈴木隆司
|
第50回 |
2016年2月21日 |
小倉 |
1800m |
アルバートドック |
牡4 |
1:46.7 |
川田将雅 |
松田博資 |
(株)G1レーシング
|
第51回 |
2017年2月19日 |
小倉 |
1800m |
マルターズアポジー |
牡5 |
1:45.8 |
武士沢友治 |
堀井雅広 |
藤田在子
|
第52回 |
2018年2月18日 |
小倉 |
1800m |
トリオンフ |
騸4 |
1:46.1 |
川田将雅 |
須貝尚介 |
(株)KTレーシング
|
第53回 |
2019年2月17日 |
小倉 |
1800m |
スティッフェリオ |
牡5 |
1:46.7 |
丸山元気 |
音無秀孝 |
(有)社台レースホース
|
第54回 |
2020年2月23日 |
小倉 |
1800m |
カデナ |
牡6 |
1:48.3 |
鮫島克駿 |
中竹和也 |
前田幸治
|
第55回 |
2021年2月21日 |
小倉 |
1800m |
テリトーリアル |
牡7 |
1:45.5 |
石川裕紀人 |
西浦勝一 |
ゴドルフィン
|
第56回 |
2022年2月20日 |
小倉 |
1800m |
アリーヴォ |
牡4 |
1:49.2 |
横山和生 |
杉山晴紀 |
(有)シルクレーシング
|
第57回 |
2023年2月19日 |
小倉 |
1800m |
ヒンドゥタイムズ |
騸7 |
1:49.7 |
B.ムルザバエフ |
斉藤崇史 |
(有)シルクレーシング
|
第58回 |
2024年2月18日 |
小倉 |
1800m |
エピファニー |
牡5 |
1:45.1 |
杉原誠人 |
宮田敬介 |
(有)シルクレーシング
|
脚注・出典
参考文献
- 「小倉大賞典(GIII)」『中央競馬全重賞競走成績集 【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、241-297頁。
注釈
出典
各回競走結果の出典
- 中央競馬全重賞競走成績集 第1回~第39回
- JRA年度別全成績
- (2024年)“第2回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2024年4月29日閲覧。(索引番号:05047)
- (2023年)“第2回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2023年9月10日閲覧。(索引番号:05047)
- (2022年)“第2回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2023年9月10日閲覧。(索引番号:05047)
- (2021年)“第2回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2021年2月22日閲覧。(索引番号:05047)
- (2020年)“第1回 小倉競馬 第12日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年2月24日閲覧。(索引番号:02143)
- (2019年)“第1回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年2月24日閲覧。(索引番号:05047)
- (2018年)“第1回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2018年2月19日閲覧。(索引番号:05047)
- (2017年)“第1回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2017年2月20日閲覧。(索引番号:05047)
- (2016年)“第1回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:05047)
- (2015年)“第1回 小倉競馬 第6日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:05071)
- (2014年)“第1回 小倉競馬 第6日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:05071)
- (2013年)“第1回 小倉競馬 第4日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:05047)
- (2012年)“第1回 小倉競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02083)
- (2011年)“第1回 小倉競馬 第5日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02059)
- (2010年)“第1回 中京競馬 第5日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02059)
- (2009年)“第1回 小倉競馬 第1日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:05011)
- (2008年)“第1回 小倉競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02083)
- (2007年)“第1回 小倉競馬 第5日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02059)
- (2006年)“第1回 小倉競馬 第5日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02059)
- (2005年)“第1回 小倉競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 300-301. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02071)
- (2004年)“第1回 小倉競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 329-330. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02095)
- (2003年)“第1回 小倉競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 328-329. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02095)
- (2002年)“第1回 小倉競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 288-289. 2016年2月15日閲覧。(索引番号:02071)
- netkeiba.comより(最終閲覧日:2015年2月28日)
関連項目
外部リンク