小名浜地区(おなはまちく)は、いわき市南部の地域。旧・磐城市(いわきし)にあたる。
基本的には小名浜港を中心とした旧・小名浜町(小名浜、鹿島町)を指すこともあるが、現在「小名浜地区」と呼ばれる地域は旧・磐城市全域を指すため、旧・泉町など(例:小名浜臨海工業団地)も含む。また、旧・常磐市の地域でも、旧・小名浜町に所属した地域(常磐松久須根・常磐三沢・常磐上矢田)を「常磐地区」ではなく「小名浜地区」に含む場合がある。ここでは旧・小名浜町域に限定せず、「小名浜地区」全体(旧磐城市とその周辺部)について記述する。
なお、現在使われている、いわき市役所小名浜支所は、1953年に小名浜町役場として落成した建物で、磐城市役所を経て現在に至る。
概要
銚子市(犬吠埼)と金華山の中間に位置する。小名浜を含むいわき市の海岸部は、温暖な気候でサーフィンに適する海岸もある。大型の魚市場のほか、展望台のある臨海公園や美空ひばり所縁の灯台、近隣に温泉街と観光資源を抱えることから「東北の湘南」とも称され、「湘南台」「葉山」という地名が不動産会社のプロジェクト地域につけられている。
浜通り最南端(栃木県の那須岳より南)に位置する点から関東地方、特に茨城県との関係が大きく、関東地方から小名浜に来る観光客や小名浜から関東地方に行く旅客も多い。
水戸市をはじめとする茨城県との関係が大きいことから観光ガイドでは、南隣の北茨城市の観光地と並んで挙げられることもある。また、小名浜港一・二号埠頭(いわき小名浜みなとオアシス・アクアマリンパーク)の観光客数は年間約250万人と、福島県第一位の観光客数を誇っている。
天気予報では、小名浜にかつて測候所があった(現在は無人化されている)ために、浜通りの代表として小名浜が出されることが多い。いわき市は面積が広いため、風速・気温などが予報と大きく異なる地域が出る。
経済・産業
元々港町であった事から、今でも漁業は主力産業の一角である。小名浜港の周辺には臨海工業地帯が形成されており、その規模や流通網は、東北地方でも随一の規模となっている。
このために今でも、港町で工業の中枢たる小名浜は、いわき市南半分の中心地となっており、城下町で行政・文教の中枢たる平と二極をなしている(湯本、勿来・植田などは中心といえる規模に達していない)ただしこれは、泉駅方面や、郊外型店舗の進出が目覚ましい旧鹿島村域を含めてのことである。
(※ 小名浜(旧泉町地域を含む)に立地する工場については、いわき市#いわき市に工場・拠点を置く主な企業の項目を参照)
交通
鉄道
バス
- 新常磐交通いわき中央営業所担当。どの系統も概ね30分〜60分間隔と比較的本数も確保されている。
- 泉駅 - 小名浜車庫 - 江名 - 灯台入口 - いわき駅
- いわき駅 - 鹿島 - 小名浜 - 小名浜車庫
- いわき駅 - 湯本東口 - 玉川団地 - 小名浜車庫
- 小名浜車庫 - 江名 - 塩屋埼 - いわき駅
高速バス
- いわき号(小名浜線)[注釈 1]
- 東京駅 - 小名浜 - いわき小名浜(小名浜車庫停留所と同位置)(2008年3月31日まで運行)
- 東京駅 - 小名浜 - アクアマリンパーク
- ※現在工事中のイオンモールいわき小名浜そばに高速バスターミナルが竣工。これにより、2018年にも高速バスの乗り入れが復活する見込み。
道路
また、いわき湯本ICといわき勿来ICの間にいわき小名浜IC(仮称)、いわき小名浜ICに繋がる小名浜道路が2024年度に開業する予定である。
港湾
※小名浜港の南西側には火力発電所が立地し、関東と南東北への電力供給源ともなっている。
教育
高等学校
中学校
小学校
- いわき市立小名浜第一小学校
- いわき市立小名浜第二小学校
- いわき市立小名浜第三小学校
- いわき市立泉小学校
- いわき市立渡辺小学校
- いわき市立江名小学校
- いわき市立永崎小学校
- いわき市立鹿島小学校
- いわき市立小名浜東小学校
- いわき市立小名浜西小学校
- いわき市立泉北小学校
観光地・娯楽施設
その他塩屋埼灯台、(美空ひばりの歌「みだれ髪 」で知られる。旧平市域)、いわき湯本温泉・スパリゾートハワイアンズ(旧常磐市域)、勿来関(旧勿来市域)などがいわき市内の観光地として著名である。
その他
「まく」で終わる言葉を検索すると小名浜ク(おなばまく)という単語が出てくるが、小名浜と関係があるかは不明。
注釈
- ^ 東日本大震災の影響で運休中
勿来発電所では夜になると大きな塔がイルミネーションされる。
関連項目
外部リンク