山内 一典(やまうち かずのり、1967年8月5日 - )は、日本のゲームクリエイター。ゲーム制作会社ポリフォニー・デジタルの設立者で代表。
人物
全世界で累計8000万本以上の売上を記録しているゲームソフト「グランツーリスモシリーズ」の発案者兼プロデューサー。現在はポリフォニー・デジタルの代表取締役プレジデント。2001年より日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員も務める。代表作は他に「モータートゥーン・グランプリシリーズ」「オメガブースト」「ツーリスト・トロフィー」など。PS3で2006年12月24日に無料配信されたグランツーリスモHDでは、ランキング1位に名を連ねた。
「(やり残したことを悔いるあまり)新作を出すたびにストレスがたまる」等と発言するなど、完璧主義者として知られる[1]。
2011年現在までの愛車は、ホンダ・S2000、日産・フェアレディZ、ポルシェ・911 GT3、メルセデス・ベンツ・SL55 AMG、フォード・GT、日産・GT-Rなど。この内、S2000はグランツーリスモ2、フォードGTはグランツーリスモ4、GT-Rはグランツーリスモ5プロローグのパッケージやオープニングにそれぞれ登場している。現在はグランツーリスモTVの取材で新型のフェラーリに試乗したり、GTアカデミー等の企画、モーターショーなどに出向いてのアピールやコラボレーション企画を展開している。
略歴
幼少時代はかなりの病弱だったとのことで、当時は体育の授業は全て見学で、周囲からは「病弱大魔王」とあだ名されていたほど。当時からスーパーカー消しゴムを集めるなど車への関心は高かったという[2]。
中学時代から映画制作に没頭し、その流れでソニー・ミュージックエンタテインメントに就職するが、ソニーグループがPlayStationで家庭用ゲーム機市場に参入することになりソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が設立されると同社への出向を命じられ、以後「モータートゥーン・グランプリ」を皮切りにゲームプロデュース業を手がける。「グランツーリスモ」は元々、山内がSCEIに移って最初に出した企画だったが、当初は「なぜこのゲームを作らせてくれないのか」と事あるごとにSCEIの社内で喧伝していたため、当時のSCEIの社内では「不遜くん」と陰口を叩かれていたという[2]。
2009年1月より、オンラインゲーム運営会社であるゲームオンの非常勤顧問に就任した[3]。
2023年公開の『グランツーリスモ』実写版においては平岳大が山内役を演じているほか、山内本人も寿司職人役でカメオ出演している。
モータースポーツ歴
モータースポーツ経験は少ないものの、近年には国外の耐久レースに参戦している。2010年以来、毎年のニュルブルクリンク24時間レースに必ず参戦する。
- 2009年:VLN(ニュルブルクリンクで開催された4時間耐久レース)第8戦に出場、モータージャーナリストのピーター・ライオン、レーシングドライバーの松田秀士と共に、SP8クラス(市販車無改造クラス)のレクサス・IS Fを駆り、クラス優勝した。(同クラスのエントリー4台)[4][5]。
- 2010年:『ワールド・カー・アワード』の一員として、ニュル24時間に初参戦、昨年と同じくSP8クラスにIS Fで出走し、総合59位、クラス4位で完走した[6]
- 2011年:シュルツモータースポーツの一員として、SP8Tクラスの日産・GT-Rでニュル24時間に参戦、ニュル24時間初めてのクラス優勝を飾った(同クラスのエントリー2台中完走1台、総合36位)。[7]
- 2012年:日産本社のGT-R開発チーム(チームGTアカデミー名義)として、引き続き日産・GT-Rでニュル24時間に参戦し、ニュル24時間クラス2勝目を飾った(総合30位)。
- 2013年:シュルツモータースポーツの一員として、日産・GT-R NISMO GT3でSP9クラスに初参戦クラス22位、総合148位で完走した。
- 2014年:前年と同じくシュルツモータースポーツの一員として、日産・GT-R NISMO GT3で最上位クラスであるSP9-GT3クラスでクラス11位、総合14位。
- 2016年:Walkenhorstモータースポーツに加入し、BMW・M6 GT3で最上位クラスのSP9-GT3クラスに参戦、クラス18位、総合22位。
ニュルブルクリンク24時間レース
年
|
チーム
|
コ・ドライバー
|
使用車両
|
クラス
|
周回
|
総合順位
|
クラス順位
|
2010年
|
ワールド・カー・アワード
|
松田秀士 ピーター・ライオン オーエン・ミルデンホール
|
レクサス・IS F
|
SP8
|
127
|
59位
|
4位
|
2011年
|
シュルツ・モータースポーツ
|
トビアス・シュルツ ミハエル・シュルツ 山本泰吉
|
日産・GT-R
|
SP8T
|
136
|
36位
|
1位
|
2012年
|
チームGTアカデミー
|
トビアス・シュルツ ルーカス・オルドネス 山本泰吉
|
SP8T
|
136
|
30位
|
1位
|
2013年
|
シュルツ・モータースポーツ
|
ミハエル・シュルツ トビアス・シュルツ ミハエル・クルム
|
日産・GT-R NISMO GT3
|
SP9
|
48
|
136位
|
22位
|
2014年
|
ミハエル・シュルツ トビアス・シュルツ ジョルダン・トレッソン
|
SP9
|
147
|
14位
|
11位
|
2016年
|
Walkenhorst Motorsport
|
マティアス・ヘンコラ トニー・リチャードソン マックス・サンドリッター
|
BMW・M6 GT3
|
SP9
|
121
|
22位
|
18位
|
作品一覧
- マルチファンクションディスプレイの開発に参加
脚注
- ^ Gran Turismo’s creator takes a fifth stab at a perfect racing game
- ^ a b 「おごってジャンケン隊」(現代洋子、小学館)第5巻・pp.17 - 22
- ^ *顧問就任のお知らせ(PDFファイル)
- ^ *山内一典がニュル4時間耐久レースでクラス優勝 Archived 2009年9月25日, at the Wayback Machine.
- ^ *VLNシリーズ第8戦の公式リザルト(英語サイト)
- ^ *山内一典がニュル24時間レースに初参戦・クラス4位でフィニッシュ
- ^ ニュル24時間:マンタイが2年ぶり優勝を果たす - オートスポーツWEB・2011年6月27日
関連項目
外部リンク