山形大学医学部附属病院
山形大学医学部附属病院(やまがただいがくいがくぶふぞくびょういん)は、山形県山形市に位置する国立大学法人山形大学の附属大学病院。世界水準の高度先進医療の提供に向けた病院再整備が進行している[1]。 沿革1973年に当時の国の一県一医科大学構想に基づき山形大学医学部が設置され、その3年後の1976年5月10日、山形県の医療の中核病院として開院。当初は15診療科体制、320床でのスタートであった。「人間性豊かな信頼の医療」を基本理念とする。 1999年には、急性期の高度先進医療を担う附属病院の目的を達成するために、新たに救急部を設置。初代救急部長に嘉山孝正が就き、年間受入患者数が1998年段階の約220名から、2004年にはその約10倍に増加することとなった[2]。2001年には黒字経営に転換。2005年度の国立大学での収益力ランキングで日本一となった[3]。 他方で、2002年度には、日本医療機能評価機構の行う病院機能評価で、最高レベルの「バージョン4」の認定を受けた。同レベルの認定は、全国の大学病院で、京都大学医学部附属病院に次いで2番目である。さらに、2003年度にはISO9001も取得し、全国で初めて両方の評価認証を取得した病院となった。なお、2008年には、病院機能評価の認定期間満了に伴う更新審査で、やはり最高レベルの「バージョン5」の認定を受けている。 2005年には、各診療科に臓器別の診療科名を付与。また同年度から、
の五点が整備計画の目標とされ、2007年度には病院再整備計画が文科省に認められ、HCU・臓器別疾患センターの設置、新病棟の建築、既存病棟の大改修など、再整備に向けた工事がスタート。2008年7月に新南病棟が完成。手術部はそれまでの約2倍、救急部は約5倍、ICU・HCUは約2.5倍の規模となった。また、多床室も6床から4床になり従来の1.5倍のスペースになったほか、看護師や医学生が実習や勉強をする部屋を1フロアで複数用意、看護控室も拡充された[4]。その後、既存病棟の改修などに移った。 以上の整備計画とともに、「世界水準の高度先進医療を実践提供すること、とくに急性期を中心に推進すること」[1] を基本コンセプトとして、2020年3月から整備した重粒子線がん治療施設を用いて治療開始を予定していた。しかし、医学部は2019年3月に設置中の装置の不具合により、固定された角度から腫瘍に照射する治療は予定の2020年3月から同年8月にずれ込み、どの角度からも正確に照射できる回転ガントリーでの治療は同年9月から2021年2月に変更となると発表し[5][6]。さらに、2019年12月17日、治療装置の冷却設備の能力が足りず、主要機器で改修が必要になったとして、治療の開始時期が遅れる可能性があると発表した。どの程度遅れるかは調査中だが、増強する機器の製作には最大4.5カ月かかるとされた[7][8]。2021年2月25日、固定照射室で前立腺がんの重粒子線治療が開始され、8月からは回転ガントリー照射室での治療が始まる予定[9]。 病床数2008年現在で604床。内訳は以下の通り。
診療科目第一内科
第二内科第三内科
小児科精神科皮膚科放射線診断科
放射線治療科
第一外科
第二外科
脳神経外科
整形外科
産婦人科
眼科
耳鼻咽喉科
泌尿器科
麻酔科
歯科口腔外科
救急科
高次脳機能障害科
腫瘍内科
保険指定施設・公費負担医療機関等
認定専門医数2008年10月現在の専門医数は以下の通りである。
診療態勢・病院運営上の特徴時間外診療特別料金の導入2008年6月より、国立大学病院の先陣を切って時間外診療特別料金(8,400円)の徴収を実施している。市中の病院の中でも大学病院は高度な3次救急を担う病院として位置づけられているが(特定機能病院)、2007年度実績では、軽症患者が救急患者全体に占める割合が約8割を占めており、救急医療スタッフの負担を重くするとともに、診療に支障が生じていたため、「重症患者が適切な救急医療を受ける権利を守る姿勢を示す」[10] ために特別料金が導入された。この結果、2008年6~12月までの軽傷患者数は3,156名となり、前年同月比で26%の減少、徴収率は3.9%となり一定の効果をあげている[11]。 なお、徴収除外の判断基準は以下のように定められている。
産科医への「分娩リスク手当」深刻化している産科医不足を背景として、産科医の勤務意欲を高めることを狙いとして、2008年6月12日、分娩に従事する医師に対して一律に特別手当を支払う「分娩リスク手当」を創設した。現在、一件の分娩業務につき2万円が支給されている(2名の医師が携わる場合は各1万円、3名の場合は各7,000円)。勤務時間の内外を問わず分娩業務に手当を支給するのは大学病院としては東北で初、全国でも3番目のケースとなった[12]。 交通アクセス
不祥事・医療ミス・医療事故
関連病院山形大学関連病院会 に加入している病院は以下の通りである(2008年現在)。 山形県内山形県外脚注
関連項目
外部リンクInformation related to 山形大学医学部附属病院 |