旅の宿 (よしだたくろうの曲)
「旅の宿」(たびのやど)は、よしだたくろう(現・吉田拓郎)の4枚目のシングル。1972年7月1日発売。発売元はOdyssey/CBSソニー。 解説前作「結婚しようよ」がオリコンシングルチャートで3位を記録、メディア露出の少ない中着実に人気を延ばしていた最中に発表されたシングルである。 拓郎のシングルとしては唯一オリコンチャート1位を記録したシングルで[注釈 1]、代表曲であると共に、自身最大のシングル・セールスを記録した楽曲である。売上げ70万枚は1978年10月時点のオリコン調べでフォークソングのシングルとして歴代10位[1]。 フォークソングの王道の曲調であり、歌詞の内容はタイトル通り旅先の宿での恋人同士の出来事が描かれており、岡本おさみが夫人との新婚旅行で青森県十和田市の蔦温泉に宿泊した際に曲想を得たと言われている[3][4]。 1997年10月25日に放送された「LOVE LOVE あいしてる」に上岡龍太郎がゲスト出演した際、「自分は作詞家を目指していたが、シンガーソングライターがこんな素晴らしい詩を書けるならば自分は作詞家にはなれない」と、この曲を聴いて作詞家を挫折した旨の発言をしている[5]が、先述のとおり「旅の宿」の作詞は拓郎ではなく岡本おさみによるもの。 アルバム『元気です。』にも収録されシングルとともに大ヒットとなったが、こちらに収録されたものはほぼ全編アコースティックギターとハーモニカのみで構成されたアルバムバージョンである。ブルボンから発売された食玩CD『J'sポップスの巨人たち フォーク/ニューミュージック黄金時代編』にも吉田拓郎の代表曲として「結婚しようよ」と共に収録されている。 評価拓郎の友人でもあったなかにし礼は、拓郎がプロデュースした「時には娼婦のように」で、拓郎から「これは演歌じゃないの」と言われた恨みから[6]、「吉田拓郎がニューミュージックを代表するシンガーソングライターであることは間違いないが、『旅の宿』こそわれわれの曲よりよほど演歌スタイルではないかと思う。拓郎の歌は、詩も音もとくに新しいとは言えないし、現代を鋭くえぐるというものでもない。彼の個性は若者らしからぬ人生肯定的な"あたたかさ"にあり、それが歌謡曲の歴史の中に極めて自然に収まる作品を生んだということだろう」などと論じている[6]。 収録曲
Side:A
Side:B
カバー
脚注注釈
出典
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