智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜
『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜』(ともよアフター - イッツ ア ワンダフル ライフ)は、ゲームブランド・Keyが制作した5作目の恋愛アドベンチャーゲーム、およびそれを原作としてメディアミックス展開された作品群である。 概要オリジナルのものはWindows向けに作られた18禁の恋愛アドベンチャーゲームで、2005年11月25日に発売された。Key作品としては初めて延期することなく発売された作品であり、また主人公を除くフルボイスの作品でもある。 同社の前作品『CLANNAD』の外伝的な位置づけの作品であり、同作品に登場するヒロインの1人である坂上智代を主役とした作品である。元は企画・シナリオの麻枝准が『CLANNAD』発売後に与えられた自由時間において私的に作っていたものであるため麻枝の個人色が強く、麻枝自身も最もストレートに書きたいものをぶつけたと語っており、魂を削って苦しみ抜いて、自分の納得のゆくエンディングを追い求めた作品と述べている。 外伝的な作品ゆえにシナリオは短めだが、麻枝の私的作品として開発されたため、非常に実験的かつ衝撃的な結末であり、極端な賛否両論となっている。麻枝は発売直後のインタビューにて、批判は覚悟の上であるという発言をしている。しかし、発売当初は否定派の声がかなり大きかったため、麻枝は1・2ヶ月の休職を取らなければならないほどのショックを受けたというエピソードもある[2]。 また、シナリオクリア後に『DUNGEONS & TAKAFUMIS』(以下『D&T』と表記)というシミュレーションRPGをプレイすることが出来る。ゲームをオールクリアするためには本編以上の時間を必要とし、おまけとしては大規模で充実している。他にも初回版特典としてゲーム中BGM(オープニング&エンディングテーマのフルコーラス版も含む)のサウンドトラックが同梱された。このサウンドトラックは後に単体で一般販売されている。 2007年1月25日にプロトタイプよりPlayStation 2 (PS2) 版であるCS Editionが発売された。このPS2版以降に発売された物は全て、Windows版の性描写は削除されて純粋な恋愛アドベンチャーゲームとなっており、シナリオとビジュアルが大幅に追加され、全体の内容はWindows版の1.5倍になっている。Windows版で批判が大きかった部分もある程度改善されており、追加部分に対する評価は概ね高い。元々マウス操作前提で作られた『D&T』の操作性はかなり低下しているが、これはDUALSHOCK 2の操作の他にUSBインターフェイスにマウスを接続すればWindows版と同じようにマウスでの操作が可能となる。 2009年3月19日にプロトタイプより発売されたPlayStation Portable (PSP) 版では、主人公の朋也を含め完全フルボイスとなった[3]。ただし『D&T』の操作性はマウスと比較してかなり低下している。PSP本体にUSBコネクタが付属していない都合上、操作にPS2のようにマウスを使用することはできない。2009年7月31日通販限定発売の『KEY 10th MEMORIAL BOX』ではPSP版で収録した音声も収録された完全フルボイス版が発売。 2010年4月30日に、『KEY 10th MEMORIAL BOX』に収録されているままのフルボイス版、Windows版『智代アフター ~it's a Wonderful Life~メモリアルエディション』がKeyより発売された。 2010年9月22日にプロトタイプより発売されたXbox 360版では、PSP版同様主人公を含め完全フルボイスである他、『D&T』において風子のボイスが追加された。またグラフィックが高解像度化(1280×720)し、音声と効果音の一部が5.1chサラウンドに対応しており、さらに版権イラストを高解像度で閲覧できるArt Collectionモードが追加されている。当初は2009年12月24日に発売予定だったのだが、発売日目前になって突然発売延期となり、その後何の情報も無いまま9ヶ月が過ぎた末にようやく発売されている。この件に関してプロトタイプは発売延期の理由を一切明らかにしていない。なお、Xbox 360本体にはPS2同様にUSBコネクタが存在するものの、マウスを繋いでもPS2版のようにD&Tをマウスでプレイすることは出来ない。 2011年4月現在PC通常版はロットアップしており、メモリアルエディションのみ販売されている。 2012年7月29日にプロトタイプよりビジュアルアーツ大感謝祭の会場限定でPS3版が販売された(翌年オンライン配信開始)。 2013年2月28日にAndroid版がリリースされた。ボイスは今まで同様全員フルボイスであるが、『D&T』が含まれていない。値段は1,600円であり、Google Play等で購入できる。 2014年9月26日には、完全版にあたる『智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜 PerfectEdition』が発売された[4]。こちらのバージョンには『D&T』が収録されている。 2016年7月2日にSteam版がリリースされたが、日本語UI・日本語文章は用意されていない。 2020年9月20日にNintendo Swich版『智代アフター~It's a Wonderful Life~CS Edition』が発売された[5]。 ストーリー岡崎朋也は、廃品回収屋に就職し、智代と幸せな日々を送っていた。ある日鷹文が、父親の隠し子である幼女"とも"を連れてきた。母親から育児放棄されていた彼女を育てることにした二人のもとに、鷹文の元カノである河南子まで転がり込んできた。 かくして、5人の男女による、にぎやかな日々が始まった。 登場人物本編 登場人物
DUNGEONS & TAKAFUMIS 登場人物朋也以外の声優は、本編と同じである。
主題歌・音楽
オープニングテーマ 『Light colors』 は、Key第2作目の恋愛アドベンチャーゲーム『AIR』において非常に高い評価を得たオープニングテーマである『鳥の詩』と全く同じスタッフが手がけており、またその曲を意識してメロディが作られたということもあって、高い注目を浴びた。 オープニング、エンディング曲のフルコーラス版は入手手段がPC初回限定版の付録サウンドトラックのみしかなく、長らくの間一般発売されなかったが、2007年4月27日にそのサウンドトラックが『智代アフター ORIGINAL SOUNDTRACK』として単体で発売された。 スタッフ
メディアミックス漫画住吉文子作画で『智代アフター〜Dear Shining Memories〜』のタイトルで、角川コミックス ドラゴンJr. レーベルから2007年12月6日発行。[6]発行は富士見書房、発売は角川グループパブリッシング。ISBN 978-4-04-712523-0 脚注
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