東 祐里子(あずま ゆりこ、1952年11月24日 - )は、日本の女優である[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12]。本名は不明。東 裕里子の表記もみられる[5][8][9][11][12]。1970年(昭和45年)、満17歳のときに映画界にデビュー、大蔵映画や日活ロマンポルノの外部製作作品を中心に13年の長きにわたり、数多く出演した[1][4][5][6][7][8][9][11]。『ウルフガイ 燃えろ狼男』(1975年)、『東京ディープスロート夫人』(1975年)といった東映作品、大島渚監督の日仏合作『愛のコリーダ』(1976年)にも出演したことで知られる[1][4][5][6][7][8][9]。
1952年(昭和27年)11月24日、秋田県に生まれる[1][7]。本名は不明である[1][7]。
学歴等は不詳であるが、神奈川県横浜市にあったある劇団で歌唱を学んでいた1970年(昭和45年)、満17歳のときにスカウトされ、同年7月28日に公開された美矢かほる主演の大蔵映画作品『覗かれた痴女乱行』(監督小川欽也)に出演、映画界にデビューする[1][12]。引き続き同年9月29日に公開された林美樹の主演作『浮気の四角関係』(監督小川欽也)にも出演している[1][9][12]。諸記録にみる最初の主演作は、山本晋也が「門前忍」の名で監督した『指と舌』[13] で、同作はOP映画配給(大蔵映画)の配給により同年7月に公開されている[12]。その後も大蔵映画の作品に多く出演するが、1971年(昭和46年)11月、日活が成人映画路線に全面的に舵を切り、日活ロマンポルノを開始すると、ワールド映画の営業部長であった藤村政治が設立したプリマ企画が製作していた作品が日活配給で封切られるようになり、同年12月22日に公開された『変態指圧師 色欲の狂宴』(監督梅沢薫)に主演したほか[8]、基本的には大蔵映画や新東宝興業(現在の新東宝映画)が配給する各社製作の映画に出演しながら、代々木忠のワタナベプロダクション等の外部製作系の日活ロマンポルノに多く出演した[1][4][5][6][7][8][9][11]。デビューは早かったが、珠瑠美(1949年 - )、城新子(1950年 - )、安田清美(1950年 - )、橘雪子(1951年 - )、桜マミ(1951年 - )、あるいは芹明香(1954年 - )、四光マリ子(1954年 - )、中野リエ(1955年 - )、茜ゆう子(1955年 - )、原悦子(1956年 - )、沢木ミミ(1956年 - )らと同世代の女優といえる。
1975年(昭和50年)1月29日に公開された谷ナオミ主演作『怪猫トルコ風呂』(監督山口和彦)に助演、初めて東映東京撮影所が製作する東映の配給作品に出演する[4][5][6][7][8][9][10]。同年4月5日公開の千葉真一主演作『ウルフガイ 燃えろ狼男』(監督山口和彦)にも出演、初の一般映画出演であった[4][5][6][7][8][9][10]。同年12月6日に公開された同撮影所製作の成人映画『東京ディープスロート夫人』(監督向井寛)にも出演しており[1][4][5][6][7][8][9][10]、ほかにも東映ビデオが製作した劇場用成人映画にも多く出演し、1979年(昭和50年)1月に公開された『にっぽんポルノ風土記 津軽姫祭り』(監督山本晋也)以降、向井寛の獅子プロダクション製作、東映セントラルフィルム配給による成人映画路線にも多く出演した[1][4][5][6][7][8][9][10]。『日本映画俳優全集・女優編』の東の項を執筆した小田克也は、東について「落ち着いたムードがあるので、和服姿の人妻役などが多い」と記す[1]。1976年(昭和51年)10月16日に東宝東和が配給して日本でも公開された大島渚監督の日仏合作『愛のコリーダ』には、中島葵、芹明香といった日活ロマンポルノのスター女優や、松井康子、藤ひろ子、青木真知子、安田清美といった独立系成人映画の女優が多く出演しており、東も同作に「みつわの芸者」役で出演している[4][5][6][7][8][9]。山本晋也が1975年に生み出した「痴漢電車シリーズ」の第1作『痴漢電車』(主演月丘恵子、1975年6月公開)に主演ではないが、出演している[5][14]。
1979年(昭和54年)末まではフル出演していたが、1980年代に入ると記録に残る出演作が激減している[1][4][5][6][7][8][9][10][11][12]。記録に残る最後の出演作は、1983年(昭和58年)1月に公開された『四つん這い女子学生』(監督荻西太郎)、『痴漢電車良いOL・悪いOL・普通のOL』(監督稲尾実)への助演である[1][4][5][6][7][8][9][10][11][12]。当時の東は満30歳で、13年ものキャリアがあった。以降の消息は知られておらず、存命であれば2014年(平成26年)には満62歳である。
アップリンクがプリマ企画の作品をデジタル復刻し、DVDビデオグラム化しており、2011年(平成23年)6月3日には東の主演作『変態指圧師 色欲の狂宴』が発売されている[8]。日活は、出演作『実録 ㊙通勤痴女日記』(監督向井寛、主演四光マリ子、1976年7月21日公開)、および同じく出演作の『セックスドキュメント ぶち込みたい!』(監督渡辺護、主演日野繭子、1979年3月3日公開)のデジタル映像配信を行っている[15]。
2012年(平成24年)5月13日に銀座シネパトスで行われた「第24回ピンク大賞」で、深町章(旧名・稲尾実)が「特別賞」を受賞したことを記念し、同監督の現存する最古の作品として、東の出演作『痴漢満員電車』(1976年5月公開)が上映された[16]。
クレジットはすべて「出演」である[1][4][5][6][7][8][9][10][11][12]。東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)等の所蔵・現存状況についても記す[5][17]。
国立国会図書館蔵書等にみる書誌である[3]。