第一書房 (第1期)
第一書房(だいいちしょぼう、1923年 創業 - 1944年3月31日 廃業)は、かつて存在した日本の出版社である。大正末年から戦前の昭和期に長谷川巳之吉が創業し、書物の美にフェティッシュにこだわり、絢爛とした造本の豪華本を刊行、「第一書房文化」と讃えられたことで知られる。 現在文京区本郷にある出版社・古書店の「株式会社第一書房」とは無関係である。 略歴・概要1923年(大正12年)、29歳の編集者・長谷川巳之吉が、東京市麹町区三番町1番地(現在の東京都千代田区三番町1番地)に設立した[1]。 1929年(昭和4年)には福田清人が入社している。社員編集者に野田宇太郎、十返肇、斎藤春雄、伊藤濤一(伊藤文學の父)、春山行夫(モダニズム詩人・編集者)、上田保(英文学者)、佐川英三(詩人)らがいた。冨士原清一(シュルレアリスム詩人・翻訳家)も一時在籍していた。堀口九萬一・堀口大學父子、大田黒元雄、田部重治らの翻訳や著作を多く出版した。「音楽と文学社」として自費出版していた大田黒は、第一書房を資金的にも大いに支援した。 1944年(昭和19年)3月末、同社が編集・出版する雑誌『新文化』の昭和19年3月号(通巻158号)に「第一書房 廃業御挨拶」を掲載、「出版一代論」を唱え、50歳にして「第一書房」を廃業[1]、一切の権利を大日本雄辯會講談社(現在の講談社)に譲渡した。同社は、21年の間に単行本759点、全集叢書22点、雑誌13種を出版した。長谷川は戦後から1973年に没するまで、神奈川県藤沢市大字鵠沼に在住した。新たな出版事業は行わなかった。 社員の斎藤春雄、伊藤禱一は八雲書店に移籍した[2]。戦後、詩人の田中冬二、元社員の伊藤祷一らが、「第一書房」を再興しようと長谷川にかけあったが断られ、「第二書房」を設立している。 おもなビブリオグラフィ雑誌
書籍1920年代
1930年代
1940年代
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関連書籍
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