第35回スーパーボウル(だい35かいスーパーボウル、Super Bowl XXXV)は、2001年1月28日にアメリカ合衆国フロリダ州タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムで開催されたアメリカンフットボールの試合。2000年シーズンのNFL優勝をかけて、AFC王者ボルチモア・レイブンズとNFC王者ニューヨーク・ジャイアンツが対戦した。その結果、レイブンズがジャイアンツを34-7で破って、チーム創設5年目で初のスーパーボウル制覇を果たした。MVPはレイブンズのラインバッカーであるレイ・ルイスが受賞した。レイブンズの強力ディフェンスは、プレーオフ3試合とスーパーボウルの4試合で相手に23得点しか許さなかった[2]。
テレビ中継はCBSが担当した。
背景
開催地決定まで
1996年10月31日、ニューオーリンズでのオーナー会議で第35回スーパーボウルをタンパで開催することが決定された。タンパの他には、アトランタ、マイアミ、ロサンゼルスが候補に上っていた。オーナー会議では当初、第33回と第34回の2回分のみの開催地を決定する予定であったが、各候補地のプレゼンテーションが強力であったため、第35回の開催地もこれらの候補地から選定することとした。その結果、第33回がマイアミ、第34回がアトランタ、第35回がタンパに決定した[3][4] 。
スーパーボウルへの道
2000年のNFLシーズンは9月3日に開幕し、12月25日までレギュラーシーズンが行われた。プレイオフは2000年12月30日から始まり、AFCでは第4シードのレイブンズが、ワイルドカードプレイオフでデンバー・ブロンコスを21-3、ディビジョナルプレイオフで第1シードのテネシー・タイタンズを24-10、AFCチャンピオンシップゲームで第2シードのオークランド・レイダースを破ってスーパーボウル進出を決めた。一方NFCでは、第1シードのジャイアンツが順当にスーパーボウルへ駒を進めた。
AFCチャンピオンシップ・ゲーム
AFCチャンピオンシップゲームはカリフォルニア州オークランドのネットワークアソシエイツ・コロシアムで行われ、ボルチモア・レイブンズがオークランド・レイダースを16-3で破り、チーム初のカンファレンス優勝とスーパーボウル進出を果たした。
NFCチャンピオンシップ・ゲーム
NFCチャンピオンシップゲームはニュージャージー州イーストラザフォードのジャイアンツ・スタジアムで行われ、ニューヨーク・ジャイアンツが41-0でミネソタ・バイキングスを下し、10年ぶりのスーパーボウル進出を決めた。
試合経過
ドライブごとの試合経過
|
開始
|
ボール保持
|
ドライブ
|
TOP
|
結果
|
得点内容
|
得点
|
Q
|
時間
|
地点
|
P
|
yd
|
yd
|
得点者
|
PAT
|
レイブンズ
|
ジャイアンツ
|
1
|
15:00
|
自陣21
|
ジャイアンツ
|
3
|
1:17
|
5
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
13:43
|
自陣37
|
レイブンズ
|
3
|
0:41
|
4
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
13:02
|
自陣13
|
ジャイアンツ
|
3
|
2:00
|
1
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
11:02
|
自陣49
|
レイブンズ
|
3
|
1:07
|
5
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
9:55
|
自陣1
|
ジャイアンツ
|
5
|
2:20
|
18
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
7:35
|
敵陣41
|
レイブンズ
|
2
|
0:45
|
41
|
タッチダウン(パス)
|
38
|
ディルファー→Stokley
|
キック成功
|
7
|
0
|
1
|
6:50
|
自陣14
|
ジャイアンツ
|
3
|
2:29
|
6
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
4:21
|
自陣28
|
レイブンズ
|
3
|
1:40
|
-1
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
2:41
|
自陣39
|
ジャイアンツ
|
3
|
1:16
|
2
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1
|
1:25
|
自陣23
|
レイブンズ
|
3
|
1:07
|
5
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
1-2
|
0:18
|
自陣40
|
ジャイアンツ
|
3
|
0:37
|
1
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
14:41
|
自陣15
|
レイブンズ
|
6
|
3:19
|
6
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
11:22
|
自陣40
|
ジャイアンツ
|
2
|
0:46
|
10
|
インターセプト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
10:36
|
自陣47
|
レイブンズ
|
4
|
2:12
|
12
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
8:24
|
自陣8
|
ジャイアンツ
|
9
|
4:15
|
50
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
4:09
|
自陣12
|
レイブンズ
|
7
|
2:28
|
59
|
フィールドゴール成功
|
47
|
Stover
|
—
|
10
|
0
|
2
|
1:41
|
自陣28
|
ジャイアンツ
|
3
|
0:47
|
43
|
インターセプト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
2
|
0:54
|
自陣5
|
レイブンズ
|
2
|
0:54
|
21
|
前半終了
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
前半終了
|
3
|
15:00
|
自陣22
|
レイブンズ
|
4
|
3:23
|
11
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
3
|
11:37
|
自陣21
|
ジャイアンツ
|
5
|
2:40
|
6
|
インターセプト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
3
|
8:57
|
敵陣41
|
レイブンズ
|
6
|
2:54
|
17
|
{{{FGyards}}}ydフィールドゴール失敗
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
3
|
6:03
|
自陣31
|
ジャイアンツ
|
3
|
1:34
|
8
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
3
|
4:29
|
自陣17
|
レイブンズ
|
3
|
0:31
|
0
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
3
|
3:58
|
自陣44
|
ジャイアンツ
|
1
|
0:09
|
0
|
インターセプトリターンTD
|
49
|
Starks
|
キック成功
|
17
|
0
|
3
|
3:49
|
—
|
ジャイアンツ
|
—
|
0:18
|
0
|
キックオフリターンTD
|
97
|
Dixon
|
キック成功
|
17
|
7
|
3
|
3:31
|
—
|
レイブンズ
|
—
|
0:18
|
0
|
キックオフリターンTD
|
84
|
Je.Lewis
|
キック成功
|
24
|
7
|
3
|
3:13
|
自陣25
|
ジャイアンツ
|
3
|
0:54
|
0
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
3-4
|
2:19
|
自陣36
|
レイブンズ
|
5
|
3:06
|
20
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
4
|
14:13
|
自陣8
|
ジャイアンツ
|
3
|
1:11
|
-4
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
4
|
13:02
|
敵陣38
|
レイブンズ
|
6
|
4:17
|
38
|
タッチダウン(ラン)
|
3
|
Ja.ルイス
|
キック成功
|
31
|
7
|
4
|
8:45
|
—
|
ジャイアンツ
|
—
|
0:16
|
0
|
ファンブルロスト
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
4
|
8:29
|
敵陣34
|
レイブンズ
|
5
|
3:02
|
18
|
フィールドゴール成功
|
34
|
Stover
|
—
|
34
|
7
|
4
|
5:27
|
自陣23
|
ジャイアンツ
|
3
|
1:17
|
4
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
4
|
4:10
|
自陣30
|
レイブンズ
|
3
|
2:22
|
2
|
パント
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
4
|
1:48
|
自陣27
|
ジャイアンツ
|
7
|
1:48
|
22
|
試合終了
|
—
|
—
|
—
|
—
|
—
|
P=プレー数、TOP=タイム・オブ・ポゼッション、PAT=ポイント・アフター・タッチダウン。 アメリカンフットボールの用語集 (en) も参照。
|
34
|
7
|
|
第1Q、レイブンズは、ジャーメイン・ルイスの43ヤードのパントリターンで敵陣22ヤードからの攻撃権を得ると、反則で罰退したものの、ブランドン・ストークリーへの38ヤードのTDパスで7-0と先制した[5]。
第2Q、レイブンズは、マット・ストバーが47ヤードのFGを決めて10-0とリードを広げた。ジャイアンツは、直後の攻撃ではティキ・バーバーの活躍でボールを進めたが、エンドゾーン内でパスをインターセプトされ、10-0で前半は終了した[5]。
第3Q、ドウェイン・スタークスの49ヤードのインターセプトリターンTDでレイブンズは17-0とリードを広げた。ジャイアンツは、直後のプレーでロン・ディクソンが97ヤードのキックオフリターンTDをあげたが、その直後のプレーでジャーメイン・ルイスが84ヤードのキックオフリターンTDを決めて、ジャイアンツに試合のモメンタムを与えなかった[6]。
レイブンズは第4Qに1TD、1FGをあげて34-7で勝利した。
レイブンズの守備陣はケリー・コリンズから4インターセプトを奪うなど、相手オフェンスを無得点に抑えた。ジャイアンツの得点はキックオフリターンTDによる7点のみに終わった[5]。
スターティングラインアップ
トーナメント表
エンターテインメント
ハーフタイムショーには、エアロスミス、イン・シンク、メアリー・J・ブライジ、ブリトニー・スピアーズが出演した[5]。
その後
第21回スーパーボウルより行われているディズニーランドでの優勝パレードには、前年に殺人罪で起訴されたレイ・ルイスの代わりにトレント・ディルファーが招待された[7]。
評価
2016年2月の第50回スーパーボウル開催を目前に控えた時期、複数のメディアが過去49回のスーパーボウルすべてを名勝負順に並べたランキングを発表した。そのうち『ニューズデイ』のニール・ベストはこの第29回を49位、つまりスーパーボウル史上最低の凡戦に選んだ[8]。さらに『サンディエゴ・ユニオン=トリビューン』のエディ・ブラウンは2013年シーズンの第48回(2014年2月)に次いで下から2番目の第48位[9]、ESPNのジョン・クレイトンと『USAトゥデイ』のネイト・デービスは下から3番目の第47位に位置づけた[10][11]。他のメディアでは、『スポーツ・イラストレイテッド』のドン・バンクスと『ヒューストン・クロニクル』のグレッグ・レイジャンがそれぞれ第46位[12][13]、『ニューヨーク・ポスト』のスティーブ・サービーが第44位[14]、『ニューヨーク・デイリーニューズ』のゲイリー・マイヤーズが第41位[15]、『ワシントン・ポスト』のジェレミー・ゴットリーブが第39位という順位をつけている[16]。
脚注
- ^ a b TV By The Numbers, "Top 100 Rated TV Shows Of All Time," TV By The Numbers, March 21, 2009. 2016年2月27日閲覧。
- ^ Aaron Schatz (2005年). “Best in playoffs? Da Bears”. ESPN. 2015年1月25日閲覧。
- ^ “Florida's Super Bowls: Miami '99, Tampa '01 (part 1)”. The Orlando Sentinel: p. 27. (November 1, 1996). https://www.newspapers.com/clip/8409532// January 17, 2017閲覧。
- ^ “Florida's Super Bowls: Miami '99, Tampa '01 (part 2)”. The Orlando Sentinel: p. 31. (November 1, 1996). https://www.newspapers.com/clip/8409537// January 17, 2017閲覧。
- ^ a b c d “レイブンズ頂点 MVPに R.ルイス”. TSPスポーツ (2001年1月28日). 2015年2月8日閲覧。
- ^ “スーパーボウルヒストリー”. NFL JAPAN (2015年). 2015年2月8日閲覧。
- ^ “WRエデルマンとCBバトラー、ディズニーランドで優勝パレード”. アメフトNewsJapan (2015年2月3日). 2015年2月8日閲覧。
- ^ Neil Best, "From I to XLIX, ranking the best Super Bowls," Newsday, February 3, 2016. 2016年2月27日閲覧。
- ^ Eddie Brown, "What's the best Super Bowl of all time?," SanDiegoUnionTribune.com, January 31, 2016. 2016年2月27日閲覧。
- ^ John Clayton, "Ranking all 49 Super Bowls," ESPN.com, January 29, 2016. 2016年2月27日閲覧。
- ^ Nate Davis, USA TODAY Sports, "Ranking all 49 Super Bowls: Which was best of all time?," USA TODAY, January 27, 2016. 2016年2月27日閲覧。
- ^ Don Banks, "Every Super Bowl, ranked," SI.com, December 21, 2015. 2016年2月27日閲覧。
- ^ Greg Rajan, "What are the best, worst Super Bowls?," Houston Chronicle, February 4, 2016. 2016年2月27日閲覧。
- ^ Steve Serby, "Ranking all 49 Super Bowls from worst to first," New York Post, February 5, 2016. 2016年2月27日閲覧。
- ^ Gary Myers, "From wide right and David Tyree to all those blowouts, ranking every Super Bowl game ever played from I to XLIX," NY Daily News, February 5, 2016. 2016年2月27日閲覧。
- ^ Jeremy Gottlieb, "Ranking the watchability of all 49 Super Bowl games ever played," The Washington Post, February 5, 2016. 2016年2月27日閲覧。
外部リンク
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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リーグ優勝 (2回) | |
---|
カンファレンス優勝 (2回) | |
---|
地区優勝 (6回) | |
---|
できごと | |
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所属 | |
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|
|
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|
球団 | |
---|
歴代本拠地 | |
---|
文化 | |
---|
永久欠番 | |
---|
リーグ優勝 (8回) | |
---|
カンファレンス優勝 (11回) | |
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地区優勝 (22回) | |
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できごと | |
---|
所属 | |
---|
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