豊洲駅
豊洲駅(とよすえき)は、東京都江東区豊洲にある、東京地下鉄(東京メトロ)・ゆりかもめの駅である。 乗り入れ路線以下の2社2路線が乗り入れ、相互間の接続駅となっている。
歴史
駅構造東京メトロ
島式ホーム2面4線の構造を持つ地下駅である。改札階(地下1階)とホーム階(地下3階)の間にはコンコース階(地下2階。売店はこの階にある)が挟まる[9]。改札階には定期券売り場が設置されている。当駅は「海」をテーマにデザインし、コンコース床面は砂浜をイメージした白とグレー、壁は波をイメージした白とパールタイルを使用し、ホームの駅名看板周りには、波と洲をイメージした縹色(はなだいろ)のデザインパネルを配置している[10][11]。 当駅から住吉方面に至る分岐線が計画されており(「東京メトロ有楽町線#豊洲駅 - 住吉駅間(建設中)」を参照)、駅の構造はそれに備えたものとなっている[9]。両端2線が有楽町線の本線、中央の2線が分岐線とすることを想定しており、同一方向・同ホーム構造とした[9]。しかし、長らく分岐線建設の具体的な動きがなく、内側2線部分は長らく線路も敷設されないままで、ホームには柵が設置されていた。 月島寄りには車両の留置や折り返しが可能な引き上げ線[注釈 1]が2線あり[12]、新木場延伸開業当初は当駅止まり(当駅折り返し)の列車が設定されていた[13]。元々2線の留置線を設置できる構造であり、留置線は非常時の有楽町線の折り返しや、分岐線の列車が新木場車両基地に入出庫することを想定したものである[9]。後述する改良工事に伴い、当初の1線から2線に増設された。基本的には運用の間合いで車両が留置されるが、車両トラブル発生時に該当列車が入線したこともある。 また、分岐線は当駅出発後、有楽町線A線(新木場方面)をオーバーパスする構築となっており、このため有楽町線A線(新木場方面)の線路は当駅端部から、35 ‰の急勾配で下る線形となっている[14]。 当駅は東京湾が近く、高潮などの水害対策として、駅通路部に鋼鉄製の防潮扉を設置している[15]。2006年(平成18年)にゆりかもめの開業に伴う地下通路の新設工事と出入口の増設工事が行われた。これによって切符売り場が工事前の位置から移動され、2面になった。さらに2007年(平成19年)には自動改札機や案内装置の一部移設が行われた。 ゆりかもめ開業後、利用客が増加しているため、東京メトロでは混雑緩和のための改札の増設、階段・エスカレーターの増設・移設などの改良工事を2013年(平成25年)9月の完成を目処に実施していた[16]。この工事に伴い、分岐線用に用意されていた乗り場の柵を撤去して上下ホーム間を結ぶ仮設の渡り板を設置し、2009年(平成21年)10月からホームの一部として供用していたが、線路を敷設したうえで折り返し線ホームとして整備する方針が固まったため[17]、2012年(平成24年)9月12日に閉鎖された。 その後の駅改良工事に伴い、上下ホーム間の線路予定地に線路が敷設された。これに伴い2013年(平成25年)3月1日より従来の2番線を4番線に改称し、新たに降車専用ホーム(新しい2番線)と3番線が設置された[注釈 2]。なお、2・3番線は新木場方面にはつながっておらず、トンネルは住吉方面にカーブしている[18]。 2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正により平日朝に当駅止まりの列車が2本設定され、2・3番線は引き上げ線として供用されていた。その後、東京オリンピック・パラリンピックに備えた混雑緩和策として、2019年(平成31年)3月16日のダイヤ改正で各駅停車の当駅終着が1本に削減された後、同年(令和元年)10月15日のダイヤ修正で残り1本も新木場行きに延長された。これにより2・3番線は再度使用停止となり、改良工事を経て翌2020年(令和2年)3月より約7年半ぶりに通路として供用している(ホームドアは残置)[18]。今後は恒久的な混雑緩和策として、分岐線の建設に併せて新木場駅方面ホームを1面増設し、3面4線化する予定[19]。 2013年(平成25年)8月26日、当駅にパブリックアート「豊洲今昔物語」(宮田亮平製作)が設置された[20][21]。 2013年(平成25年)10月26日から、1・4番線においてホームドア・発車メロディ(発車サイン音)の使用を開始した[6]。2・3番線についても同年12月28日にホームドア・発車メロディの使用を開始した[6]。4番線のホームドアのうち先頭から2両目には透過型の可動式ホーム柵が試験的に設置されており、シャープ製のシースルーディスプレイ(透過型液晶サイネージ)が組み込まれたことでコンテンツの表示ができるようになっている。2015年9月19日から半年間、このシースルーディスプレイの日本初となる実証実験が行われていた[22][23]。 有料座席指定列車「S-TRAIN」は平日ダイヤのみ有楽町線に乗り入れ、当駅発着として運転される。当駅から新木場方面の運転は通常ないものの、2018年(平成30年)9月20日と21日に新木場までS-TRAIN用車両が運転されたことはある[24]。この場合、当駅から各駅停車新木場行きに変更され、座席指定券なしで乗車でき、座席の方向転換も実施しないなど、「S-TRAIN」としてのサービスは行われなかった。なお、当駅から東京メトロ線内のみの乗車はできない(一例として、乗車専用の石神井公園駅で乗り、当駅で下車するのは可)[7]。2018年(平成30年)3月10日ダイヤ改正より、一部の「S-TRAIN」を除いて当駅で新木場発着の各駅停車と接続することにより、辰巳駅・新木場駅利用者への利便性向上が図られる。 のりば
(出典:東京メトロ:構内図)
発車メロディ前述の通り、2013年10月26日からスイッチ制作の発車メロディを使用している。 曲は1番線が「たんとんとん」(塩塚博作曲)、4番線が「風はみどりの」(福嶋尚哉作曲)[注釈 3] である[26][注釈 4]。 ゆりかもめ
島式ホーム1面2線を有する高架駅。改札階は道路上にあり、その上にホームがある。 2006年3月27日に有明駅から延伸開業し、新たに終着駅となった[3]。なお、勝どき方面への延伸が予定されていたため、軌道終端部は西方向に曲がっている。 定期券売り場が設置されているが、これは当駅までの延伸時に有明駅から移転したものである。また、駅員配置駅でもある。 のりば
利用状況
年度別1日平均乗降人員近年の1日平均乗降人員推移は下表の通りである。
年度別1日平均乗車人員(1988年 - 2000年)近年の1日平均乗車人員推移は下表の通りである。
年度別1日平均乗車人員(2001年以降)
駅周辺→詳細は「豊洲」を参照
駅前すぐの所に豊洲駅前交差点があり、都道304号(晴海通り)・都道319号・都道484号の3路線が交差する。 豊洲は東京湾6号埋立地に形成された街であり、IHI(旧・石川島播磨重工業)東京造船所跡地などを利用した大規模再開発が進められている。東京都策定の街づくり方針案によれば、完成すると、将来的には就業人口約33,000人・居住人口22,000人となる見込みである[29]。 かつては当駅周辺に専用鉄道の東京都港湾局専用線が通っており、当駅前後で有楽町線とも交差していたが、1989年までに全て廃止された。再開発によりほとんどの痕跡は消滅しているものの、駅北西の晴海運河に架かる晴海橋梁や、駅北東の豊洲運河に架かっていた豊洲橋梁の橋脚が現存している。 なお、東京都中央卸売市場豊洲市場は当駅から南西へ1キロメートル以上離れており、ゆりかもめ市場前駅が最寄りである。
バス路線駅前のバスターミナルと駅前交差点部にバス停留所が設けられている。
水上バスいずれもアーバンドック ららぽーと豊洲にある豊洲船着場から発着する。
隣の駅※有楽町線のS-TRAINの停車駅は当該記事を参照のこと。
脚注注釈出典
利用状況に関する資料
参考文献
関連項目外部リンク |