透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記
『透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記』(とうめいなゆりかご さんふじんかいいん かんごしみならいにっき)は、沖田×華の日本の医療漫画作品。『Kiss PLUS』(講談社)2014年1月号より連載を開始し、同誌が2014年3月号に休刊したことに伴い、第3話より『ハツキス』(講談社)に連載が移された。『ハツキス』では2014年7月号(創刊号)より32号まで不定期で連載された。第42回(2018年度)講談社漫画賞少女部門受賞作[1][2]。 作者の沖田が高校時代に勤めていた産婦人科の見習い看護師の経験を通じて、生まれる命の重さや大切さを知った実体験を基にしている。 2018年7月に『透明なゆりかご』のタイトルで、NHK総合「ドラマ10」にてテレビドラマ化された[3]。 概要准看護学科に通う高校生だった作者が看護師見習いとして産婦人科医院に勤務した実体験をもとに、産婦人科の残酷な実情や母性について描く[4]。もともと医療ものの作品が好きで、特に出産・妊娠を描いた作品に「色々な困難があったけれど、産んだら皆幸せ」という結末となるものが多いことに長く違和感を感じていたという作者が、「産婦人科は命が生まれるだけの場所じゃない」と幸せな出産の裏側でひっそりと日常的に進行する妊娠中絶やDV、性虐待といった事例にも焦点を当て、産婦人科の光と影を描いている[5][6]。 作者初のフィクション作品となった『ギリギリムスメ』の連載に行き詰まった時に、「私が経験したことで何か漫画になるようなことあったかな、そういえば産婦人科でバイトしてたことがあったな」と本作を着想し、ネームを制作して編集者に提案。『ギリギリムスメ』の連載終了に続いて本作の連載を開始した[4][7]。作品名は当初「存在していたのに認識されることなく“ないことにされた”中絶胎児たちの命」の「存在が透けているような不安定感、不透明感」をイメージしてつけられた仮題『透明なゆりかご』がそのまま正式に採用された[6]。 作品発表以来多くの読者からの反響を呼び、20代から30代の女性を中心に共感を得て、累計発行部数は325万部[注 1]を突破するヒット作品となった[4][8]。2021年2月時点で累計発行部数は420万部を突破している[9]。2017年には「全国書店員が選んだおすすめコミック2017」にて11位となり[10]、翌2018年には第42回(2018年度)講談社漫画賞を少女部門にて受賞した[1][2]。 あらすじ
看護師になることを目指す主人公・沖田×華がクリニックでのアルバイトを経て、「生きるとは何か」を学ぶ物語。 登場人物
主人公と病院関係者以外の登場人物はゲストキャラクターである。
受賞歴書誌情報
テレビドラマ
『透明なゆりかご』(とうめいなゆりかご)のタイトルで、NHK総合「ドラマ10」にて2018年7月20日から9月21日まで放送された。連続10回。主演は本作がドラマ初主演となる清原果耶[3][8]。平成30年度(第73回)文化庁芸術祭(テレビ・ドラマ部門)大賞[20]、第35回ATP賞テレビグランプリドラマ部門最優秀賞およびグランプリ[21]受賞作。 ドラマ版では、原作者をモデルとする青田アオイが主人公となっている。 キャスト主要人物
その他ゲスト
スタッフ
放送日程
関連番組
作品の評価重い現実を美化することなく正面から描こうとする出演者、制作スタッフの覚悟が伝わること、シリアスな内容にもかかわらず視聴後温かい気持ちになれるような希望が示されていることなどが評価され、放送批評懇談会によるギャラクシー賞の2018年9月度月間賞を受賞した[28]。 受賞歴(テレビドラマ)
関連商品
脚注注釈出典
外部リンク
|