阿賀町(あがまち)は、新潟県下越地方の東蒲原郡にある町。2005年に津川町・鹿瀬町・三川村・上川村の4町村が新設合併し発足した。
町名の由来は地域を流れる阿賀野川から。江戸時代までは会津藩領であり、町域の大部分は1886年(明治19年)まで福島県に所属していた。
地理
町の中央を阿賀野川とその支流の常浪川が流れ、その沿岸の段丘を中心に開けた山間地域。面積は952.88平方キロメートルで、新潟県面積の約6.8%を占めている。その広さは県内30市町村で村上市、上越市に次いで3番目である。
気候
津川(1991年 - 2020年)の気候
|
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
|
最高気温記録 °C (°F)
|
15.1 (59.2)
|
19.3 (66.7)
|
23.1 (73.6)
|
31.4 (88.5)
|
34.6 (94.3)
|
34.2 (93.6)
|
36.8 (98.2)
|
39.4 (102.9)
|
36.4 (97.5)
|
30.8 (87.4)
|
24.9 (76.8)
|
20.8 (69.4)
|
39.4 (102.9)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
3.4 (38.1)
|
4.4 (39.9)
|
8.5 (47.3)
|
16.2 (61.2)
|
22.3 (72.1)
|
25.4 (77.7)
|
28.5 (83.3)
|
30.3 (86.5)
|
25.8 (78.4)
|
19.3 (66.7)
|
12.6 (54.7)
|
6.1 (43)
|
16.9 (62.4)
|
日平均気温 °C (°F)
|
0.2 (32.4)
|
0.3 (32.5)
|
3.1 (37.6)
|
9.2 (48.6)
|
15.2 (59.4)
|
19.5 (67.1)
|
23.3 (73.9)
|
24.5 (76.1)
|
20.2 (68.4)
|
13.7 (56.7)
|
7.4 (45.3)
|
2.4 (36.3)
|
11.6 (52.9)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
−2.7 (27.1)
|
−3.2 (26.2)
|
−1.4 (29.5)
|
2.9 (37.2)
|
8.9 (48)
|
14.6 (58.3)
|
19.5 (67.1)
|
20.3 (68.5)
|
16.3 (61.3)
|
9.6 (49.3)
|
3.5 (38.3)
|
−0.5 (31.1)
|
7.3 (45.1)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−14.5 (5.9)
|
−16.5 (2.3)
|
−12.2 (10)
|
−6.3 (20.7)
|
−0.2 (31.6)
|
5.1 (41.2)
|
10.1 (50.2)
|
10.9 (51.6)
|
5.6 (42.1)
|
0.1 (32.2)
|
−5.0 (23)
|
−10.2 (13.6)
|
−16.5 (2.3)
|
降水量 mm (inch)
|
279.3 (10.996)
|
188.3 (7.413)
|
169.5 (6.673)
|
126.0 (4.961)
|
110.4 (4.346)
|
160.3 (6.311)
|
304.8 (12)
|
209.3 (8.24)
|
155.9 (6.138)
|
185.2 (7.291)
|
260.5 (10.256)
|
324.8 (12.787)
|
2,487.6 (97.937)
|
降雪量 cm (inch)
|
253 (99.6)
|
200 (78.7)
|
96 (37.8)
|
8 (3.1)
|
0 (0)
|
0 (0)
|
0 (0)
|
0 (0)
|
0 (0)
|
0 (0)
|
5 (2)
|
115 (45.3)
|
658 (259.1)
|
平均降水日数 (≥1.0 mm)
|
24.0
|
20.0
|
20.3
|
14.5
|
12.0
|
12.4
|
15.4
|
12.0
|
13.8
|
15.5
|
19.1
|
23.6
|
203.0
|
平均月間日照時間
|
40.6
|
55.6
|
104.1
|
162.9
|
197.9
|
168.5
|
151.3
|
194.6
|
140.1
|
112.7
|
80.0
|
46.3
|
-
|
出典1:Japan Meteorological Agency
|
出典2:気象庁[1]
|
寒暖の差が大きく気温の年較差、日較差が大きい顕著な大陸性気候である。降雪量が多く、周辺の自治体と同様に特別豪雪地帯に指定されている。冬季は-15℃前後の気温が観測されることが珍しくなく、寒さが厳しい。
隣接している自治体
山形県西置賜郡小国町・飯豊町とは数メートルまで接近しているが接していない。間にある飯豊山の稜線の登山道が福島県喜多方市だからである。
歴史
町の中心である津川は会津と越後を結ぶ水陸の交通結節点として古くから栄え、江戸時代には「津川船道(ふなどう)」と呼ばれる水運業者が新潟湊との間の舟運ルートを統制していた[2]。
明治期には古河市兵衛による草倉銅山の本格開発が始まり、鉱山ふもとの角神(つのがみ)には製錬所や河港が整備された[2]。1883年(明治16年)には別子銅山に次ぐ国内第2位の産出量となったが枯渇が進み、1914年(大正3年)に閉山となった[2]。昭和初期には鹿瀬ダムが完成し、豊富な電力資源と阿賀野川左岸でとれる石灰岩を利用して昭和電工(現・新潟昭和)鹿瀬工場が操業開始[2]。鹿瀬は企業城下町の性質を持つ[2]。
過去の豪雨災害時には河川氾濫が度々発生しており、平成23年7月新潟・福島豪雨や令和元年東日本台風(台風19号)でも浸水被害が出ている[3][4][5]。
年表
人口
|
阿賀町と全国の年齢別人口分布(2005年)
|
阿賀町の年齢・男女別人口分布(2005年)
|
■紫色 ― 阿賀町 ■緑色 ― 日本全国
|
■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
|
阿賀町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
|
24,632人
|
|
1975年(昭和50年)
|
22,070人
|
|
1980年(昭和55年)
|
20,280人
|
|
1985年(昭和60年)
|
18,526人
|
|
1990年(平成2年)
|
17,557人
|
|
1995年(平成7年)
|
16,786人
|
|
2000年(平成12年)
|
15,813人
|
|
2005年(平成17年)
|
14,703人
|
|
2010年(平成22年)
|
13,303人
|
|
2015年(平成27年)
|
11,680人
|
|
2020年(令和2年)
|
9,965人
|
|
|
総務省統計局 国勢調査より
|
行政
- 町長
- 初代:長谷川東二(2005年4月25日–2006年10月27日 任期途中で辞任)
- 二代目:神田敏郎(2006年12月3日–2018年12月2日 3期)
- 三代目:神田一秋(2018年12月3日– 2期目)
- 町議会
役場
旧津川町役場を阿賀町役場本庁とし、他1町2村の庁舎は支所となった。
役場 |
旧役場 |
郵便番号 |
住所
|
本庁 |
津川町役場 |
959-4495 |
東蒲原郡阿賀町津川580
|
鹿瀬支所 |
鹿瀬町役場 |
959-4392 |
東蒲原郡阿賀町鹿瀬8931-1
|
上川支所 |
上川村役場 |
959-4505 |
東蒲原郡阿賀町豊川甲236
|
三川支所 |
三川村役場 |
959-4696 |
東蒲原郡阿賀町白崎1182
|
-
鹿瀬支所庁舎(旧鹿瀬町役場庁舎)
-
上川支所庁舎(旧上川村役場庁舎)
-
三川支所庁舎(旧三川村役場庁舎)
経済
産業
| この節の 加筆が望まれています。 (2020年4月) |
近世や近代には前述の草倉銅山のほか、大谷金山(昭和初期に三川鉱山に改称)[6]、持倉鉱山(1920年に事実上閉山。銅や亜鉛などを産出)[7]など様々な鉱山があり、遺構が現在にも残る。
- 産業人口(平成17年国勢調査)
- 第1次 - 0869人
- 第2次 - 2232人
- 第3次 - 3558人
金融機関(預貯金取扱金融機関)
施設
郵便
- 津川郵便局(集配局)
- 上川郵便局(集配局)
- 三川郵便局(集配局)
- 豊実郵便局
- 日出谷郵便局
- 鹿瀬郵便局
- 新谷郵便局
- 五十島郵便局
- 東下条郵便局
地域
町丁
|
---|
あ行 | |
---|
か行 | |
---|
さ行 | |
---|
た行 | |
---|
な行 | |
---|
は行 | |
---|
ま行 | |
---|
や行 | |
---|
ら行 | |
---|
カテゴリ |
- 赤岩
- あが野北
- あが野南
- 新谷
- 五十沢
- 五十島
- 石戸
- 石間
- 岩谷
- 上ノ山
- 大牧
- 岡沢
- 小手茂
- 鹿瀬
- 上島
- 神谷乙
- 神谷甲
- 神谷丙
|
- 川口
- 京ノ瀬
- 九島
- 熊渡
- 雲和田
- 倉ノ平
- 黒岩
- 小出
- 小花地
- 三宝分乙
- 三宝文甲
- 三宝分丙
- 白崎
- 大倉乙
- 大倉甲
- 田沢
- 津川
- 綱木
- 角島
|
- 釣浜
- 天満
- 豊川乙
- 豊川甲
- 豊川丙
- 豊実
- 取上
- 長谷
- 中ノ沢
- 七名乙
- 七名甲
- 西
- 野村
- 花立
- 払川
- 東山
- 日出谷
|
- 日野川乙
- 日野川甲
- 日野川丙
- 平堀
- 広沢
- 広谷甲
- 広谷丙
- 福取
- 古岐
- 細越
- 三方乙
- 三方甲
- 向鹿瀬
- 八木山
- 谷沢
- 八ツ田
- 行地
- 吉津
- 両郷乙
- 両郷甲
|
[8]
教育
高等学校
中学校
- 阿賀津川中学校(2008年4月、津川・鹿瀬・上川の三中学校を統合、津川中学校の校舎を引き継ぎ開校。)
- 三川中学校
小学校
交通
鉄道路線
路線バス
町内には新潟交通観光バス 津川営業所が置かれ、2019年夏時点では合計13の系統が運行されていたが、運転手不足のため2020年ごろを目途に全路線廃止となる可能性が一時報道された[12]、2019年秋には一部路線が廃止されている(詳細は新潟交通観光バス#津川営業所管内を参照)。
なお、大半の路線バスと並行する形でスクールバスが運行されている[13]。
高速バス
道路
観光
観光列車「SLばんえつ物語」が三川駅および津川駅、日出谷駅に停車する。
名所・旧跡・観光スポット
公園・レジャー
- 阿賀野川ライン舟下り
- 三川温泉スキー場
- 三川オートキャンプ場
- 角神湖畔青少年旅行村・赤崎山森林公園
- 実川渓谷森林公園
- 中ノ沢渓谷森林公園
- 麒麟山公園
- 芦沢高原ハーバルパーク
- 三川観光きのこ園
温泉
町内には多くの温泉があり、民間のほか、町や第三セクターにより運営されている施設がある。このうち第三セクター「上川温泉」により運営されている施設が2019年9月時点では6施設あった[21]が、新型コロナウイルス感染症流行の影響などを受け、同団体は2020年5月末をもってすべての指定管理から撤退[22]。このうち2施設(みかぐら荘、清川高原保養センター)は全撤退前の2019年10月より[21]、1施設(赤湯)は2020年7月より町営での営業に切り替わり営業継続されているが、残る3施設の存廃は未定である[23][24]。また、同じく第三セクターの「ホテルみかわ」は2017年に中国資本の日本法人により買収されたが、こちらも新型コロナウイルス感染症流行の影響により2020年3月で休業となった[25][26]。
なお、「角神湖畔青少年旅行村」も「上川温泉」により運営されていたが、「かのせ赤湯」と同日に町営に切り替わった[24]。
文化・名物
祭事・催事
名産・特産
出身有名人
脚注
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
阿賀町に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
- 行政
- 観光・その他