アジア太平洋トレードセンター(アジアたいへいようトレードセンター、英語: Asia & Pacific Trade Center、略称:ATC)は、大阪市住之江区の咲洲に建設した大規模複合施設およびその運営会社名。O's棟とITM棟からなる。通称:大阪南港ATC。
概要
大型展示場、アメニティ施設、インターナショナル・トレードマート (ITM)、アウトレットモール、ビジネスサポート施設、オフィスなどで構成される。飲食・娯楽施設などもあるほか、海沿いを歩くことができ、日没を真正面に見ることができる。キャッチフレーズは「I ♡ NANKO」であり、これが表記された看板が施設内の随所にある。
本来は貿易のためのトレードセンターとして大阪市により総事業費1,465億円で建設された。施設全体が保税地域(総合保税地域)の許可を受けていることから、国内外の大小の卸売業者や貿易業者、専門商社などの企業が入居し、関税を払うことなく世界各国から商品を輸入し、加工・展示・催事・輸入取り扱いの商談・販売などができる拠点となることが期待されていた。また、これらを補佐する各種機関や大小の会議室など「ビジネスサポート機能」も用意された。
しかし、高い賃料や大阪都心からの交通の不便さなどにより、入居企業が相次いで撤退したため、資金繰りが悪化し、経営破綻した。
現在は小売業・デザイン関連企業・福祉関連企業のためのショールーム・開業支援機関・経営支援機関を開設し、関連産業の集積を意図しているほか、アウトレットモールの運営など、活性化のてこ入れを図っている。なお、保税地域としての機能はほとんど使われないまま、既に許可を失効している。
2004年に民間人で前伊藤忠商事副社長の秋本穣が社長に就任し、再建に取り組んだ。その結果、2005年度に初めて黒字を計上した。
その後も黒字は続き、2018年度の純利益は約11億9300万円だった。年間の来場者は約700万人、2018年度3月末時点でのテナント入居率は87%[2]。
沿革
施設
- オズ棟
- O's(オズ) - 飲食・娯楽施設。音楽などのコンサートや、季節に合わせた各種催しが行われている。海沿いにはボードウォークなどを設置し、ウミエール広場として整備されている。
- ATCホール(ATCミュージアム) - 各種見本市やトイマーケット、子ども向けキャラクターの大型展覧会、プロボクシング興行などが開かれている。
- Aホール(2,900m2。2分割利用も可能な無柱ホール)[4]
- Bホール (1,130m2)
- Cホール (1,000m2)
- Dホール (270m2)
- Eホール (250m2)
- ITM棟
- 1階
- 2階
- 3階
- 大阪市消費者センター「くらしのひろばエル」
- 大阪府消費生活センター
- オープンテクノロジーセンター Robo&Peace
- ATC卸マート
- ATCタウンアウトレット MARE(2020年3月31日閉館)[7]
- T.Q. OUTLET STORE(閉店)
- 4階
- 5階
- 6階
- 7階・8階
- 9階
- 10階
- 大阪港湾局
- 大阪デザイン振興プラザ (ODP)
- 大阪デザインセンター(閉鎖)
- 南港サンセットホール - 床面積約220m2、客席200席のクラシックホール。2006年12月17日開設。
- 11階
- 12階
- 屋上階
- フットサルコート「SFIDA FUTSAL STADIUM OSAKA」(2019年3月末営業終了)[8]
建物概要
- 延床面積:336,000m2
- 建築面積:48,000m2
- 敷地面積:68,000m2
- 主要構造:SRC, S
- 階数:地下2階 - 地上13階
- 駐車場:1,200台
- その他
- 北側の壁面に縦25m、横116mにわたる巨大壁画「浪華の四季」が設置されている。意匠は、大阪城の桜・御堂筋の銀杏・浪速の波・天満宮の梅。
- 建物は岸壁沿いに設置されており、椰子やボードウォークなど散策に適した施設が整えられている。
交通機関
周辺施設
脚注
外部リンク